kawaii
てんぷれ異世界感
どうしよう、どうしよう。僕は目の前の生き物の担当になったけれど……。ああ、どうしよう。だって、スライムだもの! どうしようもないもの! 最弱じゃないか! うう、またいじめられるんだろうな……やだよ。
「ぷるん?」
ぷるんじゃないよ! はあ、まったく僕って奴は。やっぱりこのスライムがお似合いなんだろうな……。ふるふる震えてるもんな、こいつ。かわいいけどさ、ああ、やっぱり僕はいつまでも残念な奴なんだ……。
がさり。え。
あ! 犬っぽい狼が現れた! 逃げてえええええ!
え、襲ってこない?
「グルル! ……グッグッグ」
舌をだらんとさせてもう勝った気になってるよおお! ちょ、まじ頼む! とりま木の上にでも逃げてえええ!
「ガウ!」
もうだめだあああああ!
「ぷッ!」
「ガフッ」
ぱたり。
え。
「ぷっぷぷ~!」
ぶにぶにと跳ねるスライム様。この子、強いじゃん! いいね! このままがんばれえ! かわいいなあ、強くてかわいいとかもう最強じゃん! あ~、ホッとした。一時はどうなる事か、と?
「ぷっぷっぷ、ぷっぷっぷ」
なんか狼包み始めてるんですけど。なに、ラッピングでも、ってダメ! ぺっしなさい! 汚いよ! ほら、ぺって! ああ! 溶けてくう! 溶けて食う。じゃなくて! ああ、ぐろいぐろい! ああ! モフモフ毛がなくなると意外と細い、って内臓ううううううううううう!
うう、可哀そうだよ、わんわんお……。て、あれ。なんかぎゅんぎゅん上下に揺れ始めて……狼になったあああああああ?!
「がう!」
いや、かわいいかよ。
かわいい