ツ◯スターゲームをしました
私と両親はマクベイン家に住んでいる。
とは言え、御屋敷に住み込みで働いている訳ではなく、その裏手にあるペンション風の木造建築がマイホームだ。
御屋敷の裏手は訪客の目を気にする必要がないため、表のガーデニングされた庭とは異なり、関係者のための空間が広がっている。
我が家の他に何があるのかと言うと、鍛錬場、私が勝手に耕した畑、私が勝手に作った野外調理場、私が勝手に……
……まあ、なんだ。皆の好き勝手している空間が広がっているんだよ。み・ん・な・の!
……話を戻すと、私の家はマクベイン家の敷地内にあるため、お嬢様であるライラも昔から自由に往来している。
そして、今日もライラが遊びに来ていた。
◇◆◇◆◇
「ふわぁ……しあわせぇ……」スーハー
私の部屋に入った途端、ベッドへダイブして、うつ伏せのまま枕に顔を埋めるライラ。いつも5分は埋もれている。
私も前世でビジネスホテルに宿泊した際は、似たような行動を取っていたので、気持ちは分かる。狭い部屋にベッド。これだけなのになぜかリラックスできちゃうよね!
「それで今日は何するの? 私の家で遊びたいって」
「それはねぇ……忘れちゃったわぁ……」スーハー
「また忘れちゃったの? それじゃあ代わりに何しようか……」
ライラは割りと抜けているのか、このシチュエーションを過去に何度か繰り返している。
もしかするとビジホ気分を味わいたくて適当なことを言っているだけかもしれないが、どちらにしても年相応で可愛らしいじゃないか。
「あ、そうだ! 屋内向けの新しい遊びを考えたんだよ。コレこれ」
作ったものの、すっかり忘れていた玩具を思い出した。
そうしてベッドの下からずずっと取り出したるは、4色のカラフルな丸がいくつも描かれた大きな布と簡易ルーレット。そう、自作ツ◯スターゲームだ。
前世ではこういう玩具で遊ぶ機会がなかったから、成長する前に一回やっておきたかったんだよねー。
身体が成長すると何かこう、ほら、邪まなイメージがあるじゃん?
お互いに9歳の子供ボディだからこそ無邪気に楽しめる。この機会を逃したくなかったのだよ!