表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したので妹分のお世話をします  作者: ナメナメなめくじ
8/10

フライドポテトを作りました<ライラ視点>

 よくママにあーんしてもらっている私は、プリンのときと同じく、ついついフライドポテトを頬張ってしまっているわ。もぐもぐ……


 本当に強引よね。

 でも、ポテトを食べさせているコギーの顔は、愛する者だけに向けられるであろう優しげな微笑み。


 ……しょうがないからもう少しだけ付き合ってあげてもいいわよ?



 もぐもぐ……



 もぐもぐ……



 それにしても、他者が指で摘んだポテトを口に入れるなんて、私以外の貴族は絶対にやらないでしょうね。

 もしかすると平民でもやらないかもしれないわ。


 コギーは生まれたときからマクベイン家に出入りをしている、貴族と平民、どちらの習慣も持ち合わせた異端児。

 その所為なのか、奇異に見える行動を取ることがあるわ。

 だけどそれが合理的であったり、面白かったりして、我が家では受け入れられることが多いの。


 フライドポテトを手掴みで食べるのも、これが一番美味しい食べ方です! と言って、フォークを使って食べていたお父様の前でいきなり実践したわ。

 それを見てマネをしたお父様は、これは乙だな…… と頷き、手掴みを導入したの。


 あのときは流石に驚いたわ。まさか手掴みを認めるなんて。

 お父様はコギーに少し甘いのではないかしら?

 私のママに対する呼び方も、趣があると許してくれてもいいじゃない……!





 そんなことを思いながらもぐもぐ。



 もぐも……んぐ!?


「……コギー!?」


「ん? なぁに?」


 もしかして気づいてないのかしら?

 いま一瞬、あなたの指が私の舌に触れたのよ……?



「……なんでもないわ。早く次を頂戴」


 冷静になれ私。

 さっきから唇には時々当たっていたじゃない。

 舌先も誤差よ、誤差。



 もぐもぐ……



 もぐもぐ……




 ………………




 もう一度だけ。



 今度はしっかり味わいたいわね……



 気づくとお皿のポテトは残り少し。

 私は意を決して、コギーの差し出したポテトの先にある指を見つめて、狙いを定める。



 一定のリズムで短くなっていくポテト。



 ……終盤、私は突如としてスピードを速め、ターゲットへと吸い付いた。



 チュパチュパ



「うわ! ライラ!? ……指! それ指!」



 知っていますわ。温かくて、塩気も相まって何時迄も舐めていたいコギーの指。



 ぺろぺろ



「ライラぁ! ライラってばぁ!」



 ……惜しいけれど、ここは引き際が肝心ね。



「あ……ごめんね、コギー。考え事に夢中で気づかなかったわ」


 口を離し、平然を装う私。


「もう……びっくりした! 無意識に指をしゃぶり出すなんて、やっぱりライラは甘えん坊さんだよ!」



 怒ったコギーも偶には良いわね。

 美味しかった。また一緒に食べたいわ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ