チョコを作れませんでした<ライラ視点>
またアンナが私のコギーを誑かしていたわ……!
アンナは4年前に引退した前任から料理長を任された女性で、私の恋敵。
小さくて可愛いものに目がなくて、昔から屋敷で1番小さなコギーを見掛けては抱っこする抱きつき魔なの。
コギーもコギーでされるが儘。
歩かなくていいから楽だよねって何よ! 私を好きなら少しは抵抗しなさいよ!
そうやきもきしていた私に悲報がやってきた。
なんとコギーとアンナが密会していたの! しかも毎晩!
……許されることではないわ。
アンナへのお仕置きは後日考えるとして、今は一刻も早くコギーの目を覚まさせなくっちゃ!
◇◆◇◆◇
夜、約束通りコギーがお泊まりにきた。
よくよく話を聞いてあげたら、どうやらアンナとはお菓子を開発していただけみたい。
だけど……私を嫉妬させたことに変わりはないわ!
私の魅力でアンナのことなんか忘れさせてあげるんだから!
◇◆◇◆◇
……そんなことを考えていたら予想外のことが起きた。
なんとベッドに寝転んだコギーが眠ってしまったの。しかも一瞬で!
怒ろうかとも思ったけれど、逆に冷静になったわ。どれだけ寝不足だったのよ……
さてさてどうしてくれようかしらと、コギーの寝顔を眺めて悩んでいた私は、ふと昼の会話を思い出した。
『弄くり回したり、舌で味を確かめ合ったり』
………………
「コギー起きてるー? 返事しなさーい」
ユサユサ
………………よし、寝てるわね。
コギーは一度寝たら朝まで起きないわ。つまり今がチャンス!
私はコギーの寝巻きを捲り、お腹を露出させた。
「可愛いおへそね。つんつん」
コギーのヘソ周りを優しく突っつく。そして。
「夫婦たるもの隅々まで知らないとね。もちろんお味も……」
……ぺろぺろ
………………美味しい。
本当は唇にキスしてしまいたいけど、流石にそれはお互い起きているときよね!
よしよし、次は………………
◇◆◇◆◇
こうして私の長く熱い夜は過ぎていった。
朝になって起きたコギーは寝てしまったことを必死になって謝ってきたけれど、私は快く許してあげたわ。