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転生したので妹分のお世話をします  作者: ナメナメなめくじ
4/10

プリンを作りました<ライラ視点>

 私のチョップを受けたコギーが痛そうに頭をさすっている。やり過ぎたかな?

 だけどいきなり愛なんて言い出したコギーが悪い。恥ずかしいじゃない。



◇◆◇◆◇



 まあ、言葉にせずとも私とコギーが両思いなのは分かりきったことよね。

 物心つく前から御飯もお風呂も一緒で、ときどき私の部屋でお泊まりすることもある。そのとき私がベットで抱きつくと、甘えん坊さんだねぇって抱き返して寝てくれるの。もはや夫婦同然だわ。


 近年、発展した魔法によって同性でも子どもが作れるようになった中で、コギーが魔法にのめり込んでいるのは、きっと私との結婚を見越した上ね。

 私だってどこぞの偉い魔法使いの魔法よりもコギー自身の魔法で授かりたいもの。


 そんなことをママに話したらコギーがメイド見習いになったわ。

 本当はコギーの両親を手伝わせる予定だったらしい。でも、私と結婚するなら貴族としての勉強が必要だからと、これまで通り一緒に学ぶことになったの。

 お父様とコギーの両親も了承済みよ。どうやら私たちに内緒で婚約も結んだみたいね。雰囲気で察したわ。



◇◆◇◆◇



「はあ……もうコギーも早く食べなさいよ」


 私はチョップからの照れ隠しでコギーもプリンを食べるように勧めた。


「そうだね。イタダキマース!」


 口を開けて食べようとするコギー。

 しかし、私は気づいてしまった。

 そのスプーンはさっき私にあーんしたスプーンだ……と!


「やっぱり待ちなさいコギー! その前に庭の草むしりよ」


 焦った私はなんとかメイドの仕事をひねり出す。


「なんでさ!? どこの悪徳令嬢だよ! せめて先にプリン食べさせてよ!」


 そりゃそうだ。だけど私は譲る訳にはいかないの。


……ん?


……食べさせて……だ……と?



「いいわ! 私のスプーンで食べさせてあげるわ! はい、口開けてコギー。あーん」


 ナイスガッツ私!

 これでコギーのスプーンは使われず、私はコギーの唾液付きスプーンを手に入れられるわ!



「いや、面倒だし自分で食べるよ」


 パクり。パクパク。


「んー! やっぱり美味しい!」



 コギぃ!


 私の唾液をそんな美味しそうに食べないで!


 

「あー美味しかった! じゃあ確かに草伸びてるし、いっちょ魔法で草抜いてくるね」


 そう言って立ち去るコギー。

 私は恥ずかしさのあまり茫然と無言で見送った。



 その後、私はプリンを食べていたコギーを思い出して真っ赤になってジタバタ。


「私と間接キスぅ……コギーったら!コギーったらァ!」


 恥ずかしい……いや、それよりもコギーとの間接キスを逃したことが悔しいわ!


 どうにかして……あれ? もしかして容器片付けてない……?


 テーブルを見るとそこには私とコギーが食べたプリン容器とスプーンがそのまま置いてあった。




 ………………




「まったく……コギーったら片付けもしないなんてメイド見習い失格ね……」


 コギーったら仕方ないんだから。私が代わりに厨房まで持って行ってあげるわね。





 ………………





 ……キョロキョロ





 ………………





 ……ぺろぺろ。

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