これからは貢献します
「で、コギーはメイド見習いになって何するのよ?」
ライラの問い掛けに私はメイド長に今朝言われたことをそのまま話す。
「いつも通りにしていいって言われた」
いつも通りとは、ライラと一緒に勉強して、あとは自由という生活だ。異世界転生バンザイ!
「それじゃあメイド見習いの要素ないじゃない……。ママはコギーを私のお世話係って言ってたから何か私に貢献しなさいよ」
「お世話されたいの? 私に? もう……ライラは昔から甘えん坊さんなんだからぁ」
ライラは普段からツンツンしているが、私と違って年相応の甘えたがりだ。
特に奥様にはべったりで、未だにお母様と呼ばずにママと呼んでいることを旦那様やメイド長から度々指摘されている。
「そ……そんなんじゃないわよ! 貢献って言ったのよ! コ・ウ・ケ・ン!」
ちょっとイラっとしたライラ。
しかし貢献かぁ。確かに私は姉妹同然といえどもメイド見習い。役に立たなきゃね!
「だったら新しいお菓子を作るよ。ビスケットや激甘菓子は飽きたし」
初めての知識チートだ。
昨日まではお世話される立場だったから何も口出しせずに過ごしていたが、今日から私はお世話する立場。御屋敷の使用人として悪いところは改善せねば……!
今まで面倒だから微妙な料理や不便な生活を受け入れてたとかそんなんじゃないんだからね!ホントダヨ!!
「お菓子ぃ? コギーが料理なんて無理でしょ」
「そんなことないから期待して待っててよ。じゃあ厨房に行ってくるね!」
そう言って私が駆け出そうとするとライラは慌てて腕を掴み止めに掛かった。ナンデ!
「今からメイド長の授業があるでしょうが!」
……そうだった!