メイド見習いになりました
今日からメイド見習いとなる私、コギーは転生者だ。
地球の日本に住んでいた記憶を赤ん坊の頃から持っている。
前世の死因はフグだ。
大学生だった私は好奇心からフグの処理講習を受講して、免許取得後すぐに一人きりのマンションでフグを調理した。
そしてフグ刺しを食べたところで痺れや吐き気を催し意識を無くした。どう考えても毒の処理を失敗したとしか思えない。とんだお茶目さん!
次に意識を取り戻したときには赤ん坊だった。
そこから私はメイド見習いとなる現在の9歳まで乳兄弟……いや乳姉妹と共に育てられた。
乳姉妹の子はライラ・マクベインといい、王国の辺境を任された貴族であるマクベイン家の長女だ。
私の両親はマクベイン家に仕えている。私たちの両親は、辺境故か身分差はあれど友人のように仲が良い関係だ。
そのため、当時乳の出が悪かった母の代わりに奥様が私への授乳を買って出てくれたという。
その後も奥様はライラ同様に私を可愛がってくれて、私とライラは姉妹と言っても過言ではなかった。
その様に育てられた私も今日からはメイド見習い。仕事は主にライラのお世話係だ。身分差をハッキリさせなければならない。
私はメイド服に身を包み、ライラの部屋に入るとキチリとお辞儀する。
「メイド見習いのコギーです。今日からよろしくお願い致しますライラお嬢様」
決まった……コギー選手満点の挨拶です……
そう心の中で自画自賛しているとライラが面倒くさそうに返事をする。
「そういうのいいからコギー。それとお嬢様呼びも普段はしないで」
まったく私の乳姉妹はノリが悪いなぁ!