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俺は……誰だ?

 あけましておめでとうございます。

 初めまして。小説大好きで今までは小説を読む側にいましたが、この度初めて小説を書いてみることに致しました。

 初めての小説ですので拙い出来かと思いますが、もしよければお読み下さい。

 そして、御意見や御感想が御座いましたら厳しい言葉でも結構ですので頂けたら嬉しいです。

 ……痛い。頭が痛い。というよりも体中が痛いしダルいし目蓋を開けるのも辛い。最悪の目覚めだ。

 ……なにがあったんだ? 

 

 えぇっと昨日は──ん? 昨日寝る前の事が思い出せない? というかそれ以前に……。

 

「俺は誰だ?」


 ──パサン──


 何の音だ? 重たい目蓋を気合で開いて辺りを見渡す。

 まず最初に目に入ったのは蝋燭で照らされて少しオレンジがかった天井。そのまま視線を落としていくと次にクリーム色の壁、そして茶色い扉が目に入り最後に布団が目に入る。

 壁や天井にはシミ1つ見当たらない。

 どうやら俺が寝ているのは綺麗な部屋の綺麗なベッドの中だったらしい

 

「目が覚めたかい?」


 声がした方に顔を向けると、俺の頭の左側に2人の男性がいた。


 1人は白い口髭を生やした痩せ型の燕尾服の老人で、背丈は180cmはありそうだ、背筋をピンと伸ばしたとても綺麗な姿勢で正面を向きながら、鷹のように鋭い目だけがまるでこちらを睨むように……というか確実に睨んでいて少し……いやかなり恐い。


 もう1人はその更に左側、ヒジ掛け付きの豪華なイスに足を組んで座り、右腕をヒジ掛けに置いて方杖を付きながら左手には分厚い本を持ち、こちらに笑顔を向けるとても品の良さそうなスーツを着た金髪の男性……こちらは30代半ばくらいかな? 

 背は座っているので正確にはわからないが、170cmといったところだろう。


 先程の音はこの人が本を閉じた音のようだ。

  

「返事くらいされたらどうですか?」


 燕尾服の男性に、鷹のような目で睨み続けられながら、感情を一切感じさせない無機質な声を、これまた無表情でかけられた。


 俺は思わずビクッと震えてしまう。

 それはそうと、返事? そういえば先程目が覚めたか? と、もう1人のスーツの男性に聞かれた気がする。えぇっと、ど、どうしよう? ……とりあえず。


「おはようございます?」

「今は夜だからこんばんはだよ? あれ? でも目覚めの挨拶だからおはようであってるのかな? それとセドリック、君に無表情で抑揚すら無い声でそんなことを言われたら、私だって恐いよ?」


 品の良いスーツを着た男性が、俺の横で笑いながらそう言った。

 なるほど……鷹のような目の燕尾服の人はセドリックさんというのか。

 スーツの人は燕尾服の人に比べたらあまり恐くない。むしろなんだか安心できるかもしれない。と、思っていたら、いきなり真剣な声音と表情に変わり、組んでいた足を解いて体を乗り出しながら質問をしてきた。

 

 前言撤回。この人も恐い。


「さて、いきなりで悪いんだが、君が気を失う前のことを教えてくれるかな?」

「気を失う前のこと……ですか?」


 俺は気を失ってここで寝かされていたのか……。

 

「そうだ、君がいち早く賊の襲撃に気付き、私達を逃がしてくれたおかげで助かった。まずはそのことについて礼を言おう。君達のお陰で妻も私も娘達も全員助かった。ありがとう」


 イスからわざわざ立ち上がり、俺に頭を下げてくれた。

 この人の口ぶりからすると、おそらくこの人はとても偉い人だと思う。そして俺はこの人の護衛か家来……というのが濃厚か? 

 大穴で通りすがりに助けた無関係な人間。というのも考えられるが、それはまず無さそうだからやはり今回たまたま雇われた護衛か、元々この人に仕えていた使用人かのどちらかだろう。

 ……となるとこの状況はまずくないか? 

 主人に頭を下げさせたまま寝ている使用人……うんあり得ない。

 俺は慌てて起き上がり、この人に対して『頭を上げて下さい』と言おうとしたが、体に激痛が走り、うめき声をあげてしまっただけで起き上がることすら出来なかったが、辛うじて『頭を上げて下さいと』言うことだけは成功した。


「しかし私があの場に援軍を引き連れて戻った時には、もう既に賊共の姿はなかったんだ。

 そして最後まで残り、私達を逃がす為に戦ってくれた君達は、君を除き残る全員が死んでしまっていてね。君も私が戻った時にはリリーの治癒魔法が無ければ助からないくらいの重傷だったんだ。だが賊の正体を見て生きているのは君だけなんだ、目が覚めてすぐで悪いが賊の正体を教えてくれ」


 なるほど。それで体中が痛いのか、でも──


「わかりません」

「相手の服装は? 相手が持っていた武器や防具はどんなものだった? それと、魔法を使われたのならどんな魔法を使ったのか、あとは言葉になまりはなかったか? もしあったのならどの地方のなまりなのか? 気付いたことが有ればどんな些細なことでも良いから教えてくれ」

「違うんです」

「ん? 違うとは何が違うのかな?」

「わからないんです」

「わからないとは何がわからないのかな?」

「俺は……俺はいったい誰なんですか?」

 初投稿ですので拙い出来かと思いますが、お読み頂きありがとうございます。

 これからも休みの日に少しずつ投稿していこうと思います。

 本日はあと何話か続けて投稿しようと思っておりますのでもしよろしければお読み下さい。

 ご意見ご感想いただけましたら嬉しいです。

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