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第二十二話 決戦開始!

 王都決戦の開始を告げたのは遠距離魔法の応酬だった。

続々と打ち上げられる魔法は、まるで花火のように空中を飾った。


 この世界における戦争の一手は、魔法部隊の攻撃から始まる。

第一隊が打ち、その間に第二隊が次の準備をする。


 第三隊まで用意している軍は少ないが、魔王軍は第三隊まで配備されている。

その隊を交互に遠距離魔法を撃つことで連続攻撃を可能にした。


 もちろん、お互いに防護障壁を張っているので致命的な打撃を与えるには欠けるが、それでも防護障壁はすべてを覆うことは不可能なので、打撃を与えることが出来る。

つまり、消耗戦というワケだ。


 初手が遠距離魔法になるワケは他にもある。敵味方が入り乱れた乱戦で撃てば味方にも損害を与えかねない為だ。

それに戦いの最中にチンタラ詠唱を唱える魔法使いなど敵からしたらいいカモだからな。


 消耗戦が終われば、弓などを使った所謂、飛び物攻撃に変る。

この辺はそう長くはかからない。


 二、三度撃てば終わる。

多少、損害を与えれればいいかなっといった具合の牽制目的だ。


 そして、戦争の本番である白兵戦が始まる。

兵法や搦め手など色々とあるが、魔王軍はイケイケドンドンと押して押しまくる戦法だ。


 これを戦法と呼ぶには余りにもおこがましいが、何とかなってしまうのは個々の戦闘力が高いからだろ。

なにせ、幹部一人で戦局をひっくり返してしまう化け物共だからな。

人間の尺度に考えるのは間違っているかもしれない。


 そんな化け物に対するカウンター兵器が勇者なのだが。

はてさて、新勇者さまはどれほど大層な力を持っているのやら。



 今から楽しみだ。ブッ潰してやるよ。



 そして、今は初手の遠距離魔法の応酬が終わり白兵戦が始まろうとしている。

魔王軍の強力な遠距離魔法の攻撃で数体の戦闘用ゴーレムが破壊されたようだ。


 それ以外にも騎馬、歩兵にも損害を与えているのが確認できる。

アモンが張った強力な防護障壁のおかげで損害は皆無だ。

最近どうも、俺の中でアモンの評価がうなぎのぼりにあがっている。


 白兵戦が近づき、マリアと魔王4帝達がソワソワしはじめる。

どうしてこうも戦闘好きなのかねぇ。


 ま、久しぶりの大型戦闘だ。

その気持ちもわからなくもないが、魔力が溢れすぎて周りにいる従者が完全に萎縮しちゃってるよ。



「マコト、そっ、そろそろいいかなっ?」



 マリアがおやつを待ちきれないといった様子で聞いてくる。

トントンとジャンプしている姿が可愛らしいけど、まだ開始の合図を出すには少し早い。



「もう少しかな。今、突っ込むと味方が追いつけないよ」



「うっ、うん・・・・・・」



 どうやら、本当に待ちきれないらしい。

かれこれ、こんなやりとりを少し前から続けているからな。


 もう、そろそろいける頃合か。

味方と敵がぶつかる手前、数百メートルといった所だ。




「マリア、いこう!」



「うん!」






 

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