第7話:憧れと諦め
今回は1000字程とかなり短いです。第6話で書いてもいいかなと思いましたが、第7話として書かせていただきました。
アイリス達は全員で冒険者ギルドに帰ってきた。ちなみにネルはプチバードをそのまま連れてきている。転移陣に余裕で入りきる大きさのモンスターはそのまま転移陣をくぐる事ができる。
「ネルさん、この村の雑貨屋に従魔用の首輪が売ってますから買ってちゃんと着けて帰ってくださいね」
「ありがとう、アイリスさん。この子は大切にしますわ」
「はい。よろしくお願いします。それじゃ、私の用事は終わりですね。ユーリさん、ホーンタンクは王都の従魔屋にきちんと送り届けておきますので王都で受け取ってくださいね」
「はい、分かりました。今日はありがとうございました」
「いえ、こちらこそありがとうございました。それじゃ、失礼します」
ユーリ達に頭を下げてアイリスは冒険者ギルドを出ていく。ユーリ達はアイリスが出ていくのを見届けるとアイリスについて話し始める。
「礼儀正しかったな」
「そうだね。でも従魔に対してはもうちょっと砕けた感じで喋ってたけど」
ライリーとユーリの会話にトーマスが参加してきた。
「まぁ、アイリスちゃんにとって従魔達は友達の様な感じだしな。俺達村人に対しても、だいたいは従魔と同じ感じで砕けて喋ってくれるな。でも、ユーリ達はお客としてきたし、この村に住むわけでもないからしょうがないな。商売相手にいきなり砕けた喋り方をしろってのは無理な注文だ。アイリスちゃんと仲良く成りたかったらこの村に来れるように商業ギルドと冒険者ギルドのランクを上げるんだな。それよりお前達はこれからどうするんだ?」
「そうですね。頑張ります。今日はこの村に泊まって明日帰ろうと思うんですが、泊まる所ってありますか?」
「それならタツダの酒場だな2階が宿屋になってる」
「タツダ・・・あぁ、マスターさんのお店ですか」
「ガハハ、この村でタツダはマスターと呼ばれる事が多いからな」
今夜はマスターの店に泊まり、明日王都に帰ることにしたユーリ達は、酒を飲みぐっすりと眠った。
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アイリスside
(今日は久しぶりのお仕事だったな。ユーリさん、ライリーさん、ミユさん、ネルさんかぁ。みんな私と同い年って言ってたし、一緒のパーティー組んでの旅だから楽しそうだな。私もいつか自由に旅ができたらいいな)
アイリスは、自分が持つことができない自由に対して羨ましい気持ちと共に、自由は持つことが許されないという寂しさを持ち帰宅し、翌日アイリス達は王都に帰るユーリ達を見送った。
次話からはアイリスの日常を数話あげていく予定です。連日投稿していきます。