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第3話:アイリスの秘密

第三話から段落を着けてみました。それから、モンスターの話しはまだでません。もう一話だけ説明回になると思います。モフモフやほのぼの等を期待している方はもう少しお待ちください。それでは第三話です。よろしくお願いします。

「ユーリどうするよ?」


 商業ギルドにいるユーリと合流したライリー達は神級魔法契約書の事について話し合っていた。この時にはユーリは随分落ち着いて考えられるようになっていた。


「そうだね。アニーさんに確認したいことがあるんですが」


 ユーリはユーリ達に少し遅れて入ってきたアイリス、トーマスと一緒に話しているアニーに言葉をかけた。


「答えられる範囲なら大丈夫よ」「それじゃ、2つ確認したいことがあります。一つ目は、神級魔法契約書の効力範囲です。効力範囲というか、神級魔法契約書はどういう状況でも発動するのか?ということですね。二つ目は、父も神級魔法契約書にサインしているのか?です」

「分かったわ。その2つなら答えても大丈夫よ。それじゃ質問に答えるけど、まず二つ目の質問から答えるわ」

「父が神級魔法契約書にサインしているかどうか?からですか?」「えぇ、その方が説明しやすいからね。あなたのお父さんであるアースさんは神級魔法契約書にサインしているわ」

「やはりそうですか。まぁそうでしょうね・・・」


 当たり前のことではある。父からこの村の紹介状を貰った以上、父がこの村の詳細を知らないわけがないからだ。

 ユーリもそう考えてはいたが念のため聞いただけである。


「次は一つ目の質問だけど、神級魔法契約書にサインするということは神と己自身の魂とを契約すると言うことになるわ。

これは神との間に繋がりが出来る事を意味するわ。この村にたどり着くような事を、例え拷問されたから喋ったとしても関係ない。喋る事事態が神との契約の反故になるわ。」

「えっ、でも父はこの村の事を僕に教えてくれましたよ!」

「そこで二つ目の質問なのよ。アースさんは神級魔法契約書にサインしたことによって二通りの喋る方法が出来たの。1つはこの村の中にいること。もう1つは紹介状を手に持っていること。この神級魔法契約書にサインしたら1枚だけ紹介状を貰えるわ。つまりアースさんはその1枚を貴方に上げたということね。アースさんはもう村の事をこの村以外では喋る事はできないわ。貴方達がサインをするのなら、その紹介状を貴方と一緒に手に持てば喋る事は出来るけどね。これはこの村の事を限定された者以外には知られないためには必要な契約なのよ。でどうする?この村の秘密はまだ知りたい?知りたくないなら残念だけどこのまま帰ることになるわね・・・」


 このまま帰ることになっても問題はない。禁断の地にあるこの村は地図を持っていない限り来ることはできないし、この村を囲うように結界が張られ地図に籠められた魔力にだけ反応し通り抜けられる。さらにこの村に至る道には、罠が至る所にしかけられており、強力な魔物が配置されている。『配置されている』から分かるようにその魔物もこの村に関係している。 最も磁場が入り乱れて方位が分からなくなるこの地に近づく者は相当な馬鹿か追い詰められた犯罪者くらいのものだ。


「ユーリどうするの?」

「僕は神級魔法契約書にサインしても良いと思う」


 ミユの言葉にユーリは返事をする。


「そもそも父さんがこの村の事を教えてくれた訳だからね。あの商会を継ぐ以上父さんが契約してるなら僕も契約しないといけないと思う。まぁ、父さんも契約してるってのが一番安心できる点ではあるね。契約してもこの村の事を喋らなければ良いだけだしね。拷問されるようなこともないと思うし」


 最後の言葉は苦笑しながらいうユーリ。ユーリの考えを聞きライリー、ミユ、ネルの3人もそれぞれ考えを言う。

「それも、そうだな。」

「ユーリの旅に皆で着いて行くために冒険者になったんだから、ユーリが契約するなら私も契約しないとね」

「皆さんとパーティーを組む以上私だけ契約しないのは変ですものね」


 ライリー達3人は孤児出身だ。だから血の繋がりをあまり気にしてはいない。王国は現在戦争をしてはいないが、両親が死んだりして親がいない子供はそれなりにいるのだ。ライリー達は引き取ってくれたユーリのお父さんに感謝し、その息子で仲の良いユーリを守るために冒険者になったのだ。 ユーリ達4人の言葉を聞きアニーは奥から神級魔法契約書を4枚持ってくる。


「それじゃ、この契約書にサインしてね」


 ユーリ達はアニーから契約書を受け取りそれぞれサインする。契約書にサインすると、契約書から魔方陣が浮かび上がり、胸の当たりに吸い込まれるように消えていく。


「その魔方陣が神級魔法契約書にサインをした人物の魂に刻み込まれるの。サインをしたからには、この村の事を喋る事は大勢の人の死に繋がる事を肝に命じなさいね。」


 アニーに言われ4人は頷く。


「それと、これが契約書とこの村に来るための地図よ。本当に信用出来る者にしか渡さないようにね」


「はい。分かりました」


「これから旅するんだし、ユーリの家の金庫に預かってて貰おうぜ」

「そうね。簡単に人には渡せないし、アースさんはこの村のことも知ってるから大丈夫でしょうし」

「それが良いですわね。旅に持っていくと不安になりますし」

「そうだね。父さんに預けよう。それでアニーさん、契約書にサインしたのでこの村の秘密を教えても貰えるんですよね」


 アニーはアイリス、マスター、トーマスに確認の目線を向けると3人共に了承の頷きを返す。それを確認すると言葉を発した。


「4人共いい?この村はね1人の少女のためだけに存在するの?」「1人の少女ですか?」


「そうなの。ここにいるアイリスちゃんのためだけに存在する村なのよ。しかも、どこの国にも属さない村なのよ」


 その言葉を聞いていた4人は驚きを隠せない。1つの村がアイリスただ1人のためだけに存在する。しかもどの国にも属さない。これは異常な事だ。

 例えば、王でさえ自分だけの村など持つことは不可能である。誰か1人が自分だけの村や町を保有するということ、それは国や各貴族が持つことを許されている領地等が決められている現在不可能に近い。どの国にも属さないということは、この村はアイリスの国と言っているようなものだ。普通に考えて、ここは自分の国だと言えば反乱者扱いである。 だが、この村には商業ギルドと冒険者ギルドが来ている。これは国がこの村はアイリスの国だと認めているということ。


「どういうことですか?この村が禁断の地にあるとはいってもどこの国にも属さない事なんて出来るわけがありません。ましてやアイリスさんだけの村なんて不可能だと思うんですが?」


 驚きから一足早く立ち直ったユーリが何とか言葉を紡ぐ。


「それは私のスキルが関係しているんです」


 アイリスがアニーの言葉を引き継ぎユーリの質問に答える。


「アイリスさんのスキル?」

「はい。私のスキルの1つであるテイマーが関係しているんです」「テイマーですか?魔物を仲間に出来るスキルですよね?結構一般的にあるスキルだと思うんですが・・・」

「まぁ、そう思うよな。でもアイリスちゃんのスキルはその辺のテイマーとは段違いな能力でな。普通のテイマーは個人の能力にもよるが魔物数匹だ。レベルを上げたとしても従えられる種類が増えるだけ。だが、アイリスの場合は違う。マスターテイマーといって全ての種族を際限なく従わせる事ができる」

「「「「はっ?」」」」


 アイリスの言葉を引き継いだマスターの言葉に4人はまたもや驚く。


「際限なく?」

「あぁ、そうだ」


 ライリーの言葉に何でもないようにマスターは答える。

次話で説明回は最後です。次話は明日投稿します。

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