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第1話:その娘の名前はアイリス

初投稿です。よろしくお願いします。

一人の青年が3人の冒険者を護衛に連れて村の門に向かい歩きながら話していた。


「やっとついた。なんでこんな辺境の町にいるんだ?」

「さぁ、俺にはわからん」

「この町の話はユーリのお父さんからきいたんでしょ?」


ユーリと呼ばれた青年は王都で店を持っている父から聞いた話を思い出した。


―――――――――――――――「ユーリ、この店は将来お前に継がせるが、我がハルベルト家の家訓で《10年の行商を経験無し者に店を譲るべからず》とあることはお前も知っているな」

「うん、だから、ライリー、ミユ、ネルの3人は冒険者になってその行商に付いてきてくれるって」「そうだな。3人には感謝しろよ。幼馴染みとはいえ危険な冒険者になってまでお前に付きあってくれるんだから。それで、行商のことだが、馬車の用意と当面の売り物だけは準備してやるが、馬は自分で手に入れてこい」

「自分で?」

「そうだ。何も野生の馬を捕まえてこいと言うつもりは無いから安心しれ。ちゃんと買える所を紹介してやる。私も世話になったことがあるからな」

「父さんが?」

「あぁ、そうだ。そこに行けば間違いない」

「ん〜、分かった。王都にあるの?」

「いや、ここから馬で5日程行った場所からさらに徒歩で10日程行った場所にある村だ。村の名前はアーカンドという」

「アーカンド?聞いたことないな」

「まぁそうだろうな。あそこは秘密にされている村だからな」

「秘密に?そんな事俺に教えて大丈夫なの?」

「信用できる者には教えてもいいと言われているからな。だからお前も信用できる者以外には教えるなよ。地図とこの紹介状を持っていけば大丈夫だ」

「分かった」

―――――――――――――――

「父さんが言っていたから大丈夫だと思うけど、とにかく村に入ってみよう」

ユーリの言葉に3人は頷く。村の門に着くと一人の男が立っていた。


「ようこそアーカンド村へ。紹介状を見せてくれるかい?」

「紹介状はありますけど、なぜ持っていると分かるんですか?」


そう言いながらユーリは紹介状を男に渡す。


「はははっ、こんな山奥に来る者がいるなら紹介状持ちか余程な方向音痴ぐらいさ。なによりここは禁断の地だぜ」


そうなのだ、この男がいう通りにこの村は地図がなければまずこれない。馬が入れないような森の中を歩き、山を越え、谷を渡らなければならない場所にあるのだから。そのために王都から乗ってきた馬は最後の街で売ってきた。さらに禁断の地と言う場所にある。ユーリも父から聞かなければ正気を疑っているだろう。


「なるほど、アースの息子か」

「父さんの事知っているんですか?」

「王都に店をもつハルベルト商会の当主アース・ハルベルトと言えば有名だしな。それに飲み友達だしな」

「飲み友達!?こんな辺境の村に!?」

「まぁいろいろあったんだよ。それより紹介状は本物みたいだし入っていいぞ。用件も書いてあったから案内しようか?」

「そうですか。それならお願いします」

「おっし、それなら行くか。そっちの冒険者達には後で武器屋にも連れていってやるからな」


ユーリの連れている冒険者に向かってそう言うと、


「武器屋か・・・こんな村に王都より良い武器なんかあるかな?」「まぁ見るだけ見てみようよ。せっかくここまで来たんだから」

「そうですよ。見るのはタダなんですから」


ライリー、ミユ、ネルがそう言うと、


「見て驚くなよ。この村の鍛冶屋はすげぇぜ。おっと、忘れてた。俺の名前はタツダだ。まぁ村では酒屋やってるからマスターって呼ばれてるけどな」

「それじゃ僕達もマスターと呼ばせて貰いますね」


そう言って、各人が挨拶を交わしている間に件の場所に着く。


「よっし、着いたぞ」


そこには二階建ての家が建っており壁づたいに数十mの柵が立っていた。

チリン、チリン 。店に入ると鈴の音がして客が入って来た事を伝える。マスターは店の中を見て店主が居ないことを確かめると、


「ちょっと待ってな。今アイリスちゃんを呼ぶから」


そう言って窓の近くに止まっている一匹の鳥に近づいていく。


「アイリスちゃんを呼んできてくれるか。お客さんなんだよ」


マスターがそうつげると


「ピュイ」


っと一声鳴いて鳥は飛んで行く。


「少し待ってな。すぐ来るはずだから」

「アイリスちゃんって言ってましたが、店主は女性なんですか?」「あぁ、そうだよ。今年17歳だったかな」

「へ〜俺達と同い年じゃないか」「そうね。どんな子なのかしら?」

「同い年で店主なら商売人で見たらユーリ君の先輩ですね」


そんな事を話ながら待っていると、家の裏側からドアの音がした。どうやら裏口から帰って来たらしい。


「遅れてごめんなさい。コッコに餌をやってて遅くなりました。マスターさん何か用事ですか?」


そう言って入って来たのは金髪に青い目、身長は155㎝程の小柄な女性だった。


「よっ、アイリスちゃんお客さんだぜ」

「お客さんですか?お客さんが来るのは久しぶりですね!」


そう言ってユーリ達の方へ体を向け挨拶をする。


「ようこそ、モンスター牧場へ!店主のアイリスと言います。ご用件はなんですか?」



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