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4話 水晶と黒いモヤ

ドアを潜るとエントランスとはうって変わって自然むき出しの岩壁の洞窟が広がっていた。

高さ横幅ともに5メートルは有りそうなかなりの広さの洞窟が奥へと続いている。

「それにしてもさっきのヤンキーは何だったんだろう?あんなやつでもゴミ拾いのバイトとかするのかなぁー」

などと一独り言を呟きながら奥へと進んでいく。

思っていた以上に床にゴミなどもなく綺麗な状態の空間に和人の声だけが響いている。

しばらく進むと開けた空間に出た。

よく見ると部屋の中央に拳大の黒く濁った水晶玉のようなものが転がっている。

「これがゴミなのかなぁ?」

と拾い上げてみる。

瞬間どす黒いモヤが水晶玉から立ち込め僕の目の前に集まり徐々にそれは物質として形成されていく。

「ギャーーーーーーォォ!!」

獣の咆哮にも似た雄叫びを上げながら、それはみるみる間に緑色をした深紅の目を持つ化け物ゴブリンヘと変化を遂げた。

「えっと?これがもしかしてゴミなのかなぁ.....」

僕が現実を受け入れられずにフリーズしているといつのまにか右手にこん棒を持ったゴブリンと目が合う。

あぁこれはダメなやつだ。

理解した瞬間僕は全速力で逃げ出した。

慌て過ぎて来た道ではなく更なる洞窟の奥へと。

全力で逃げた僕に意気揚々と棍棒を振り回しながら追いかけるゴブリン。

こうして僕とゴブリンの追いかけっこは一時間近くにもわたり冒頭のフルスイングへとつながる。



手の皮が破け血の滲む手で拾い上げた百円玉を握りしめ、来た道をとぼとぼともどって行く。

「こんな命がけのバイト割りに会わないって。」

そもそもこれのどこがゴミ掃除なんだ。もうやってられない。

帰ったら管理人さんに一言もの申してやらねば。

戸中幾つもの濁った水晶玉を見かけるが、一切触れずにやっとの思いでエントランスへと帰還する。

するとそこには満面の笑みを浮かべた管理人さんが待っていた。

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