霊
四国は地獄の始まりとな。
大泉洋は、数々のバケモノと出会っていた。
その最たるものが・・・。
「大泉くん、おーーーーいずみくん」
藤村ディレクターの声でふと目覚めると、そこは温泉旅館だった。
大泉洋が起き上がると、頭にズキンと痛みが走る。
「昨日は、飲み過ぎましたな」
藤村ディレクターが言った。
目の前の座卓には、缶ビールの缶が何十本も置かれてあった。
(いや?どういうこと?)
大泉洋は、声に出したつもりだった。
(そうだ、何かあったぞ?)
思い出すんだ!大泉洋!
そうだ!それだ!
金色の・・・。
そこでまた意識が遠のく・・・。
「いや、これはいいものをいただきましたな」
大泉洋は、薄れていく意識の中、確かに藤村ディレクターの腕にある、ロレックスを見た。
「淡路島を通過するわ」
楠木が言った。
そして、「皆伐が、青ざめているじゃけ」と付け足した。
「美術館には、寄らないように」と、黒澤が言った。
その言葉に、花は遠い昔を思い出した。
「ゴッホは、ひまわりばかり書いてたわけじゃない」
それは、絵葉書だった。
黄色い花は、花には、ひまわりには見えなかった。
その絵葉書を、真白はいきなり散り散りに破りゴミ箱に捨てた。
それでも、花は驚かず何も言わなかった。
黒澤の電話が鳴った。
「マジか」と言って、黒澤はすぐに電話を切った。
水曜どうでしょうの番組は、北海道とは名ばかりで、実質は、東京の政治家が始めたものだった。
札幌のテレビ塔は、ただの電波塔であり、パナソニックの電光掲示板が時計の役割をした。
「四国のよさこいじゃが、これは、完全に北海道の黒じゃけ」
黒澤が言うと、楠木が、「これは、完全にSOSじゃな」と、答えた。
「本当に、魚にレモンになりそうじゃな」
田中が言う。
花は、延々と続くような海に見とれていた。
そして、時々後ろを振り返っていた。
タクシーは、しっかりと、花たちの車の後ろを走っていたが、助手席の蛍が何か腕を動かしている。
花が、首をかしげると、花の携帯にメールが来た。
「次のコンビニに寄れ」
それを知ってか知らずか、楠木が、「あのコンビニに寄るじゃけ」と言った。
その頃、大泉洋は混沌の中にいた。
シャンシャンと、鈴の音まで響く始末。
東京の政治家の家系の大泉洋は、京都の黒澤組と何とか手を結ぼうとしていたのだが、北海道のテレビ局のディレクターの邪魔が入り、右往左往していた。
一か八かということで、四国入りしたのだが、霊的にたけたタレントの大泉洋が、四国の八十八か所の罠にハマった。
それでも、これがのちのち、功を評することとなる。




