181.第三衝撃 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
車は最終的に空港へは向かわなかった。
セーフハウスにも、外交館舍にも、教会の地下室にも——そういった物語に出てきそうな場所にも向かわなかった。
ただ何でもないように左岸の古い通りに曲がり、目立たない古いアパートの前に停まった。廊下は狭く、手すりは古く、壁にはフランスの建築特有の倦怠感が染み込んでいた。建てられた日から、歴史を詰め込み、文学青年を詰め込み、革命を詰め込み、不倫を詰め込み、今は政治の後始末を少し詰め込んでいることを知っていたかのような壁だった。
階段を上る前に、バローロ神父は一言だけ言った:
「本当に話すべきことは、車の中には向きません」
俺は聞かなかった。心の中ではすでに半分わかっていたからだ。
神父が自ら人を迎えに来て、ついでにフランス政府に健忘症の演技をさせた以上、後に続くのが「無事で何よりです、お気をつけて」という程度の話であるはずがない。神父が来たなら、道徳より実際的な何かを必ず持ってきている。
部屋に入ると、林 雨瞳と山口 多聞がいた。
二人は俺が迎えに来てもらえることをすでに知っていたようだったが、本人が実際にドアを入ってくるのを見て、林 雨瞳は明らかに半分ほど息をついた。胸につかえていた石が少し下に落ちたような、そんな様子だった。
「思ったより順調だった」と彼女は言った。
山口 多聞はテーブルの端に座ったまま立ち上がらず、俺を一瞥してから神父に目を向けた。
「順調じゃない」と彼は淡々と言った。「向こうが今は触れる胆力がないだけだ」
バローロ神父は黒いブリーフケースをテーブルに置いた。
「より正確に言えば」と彼は言った。「フランス政府が今夜、周さんを最初から見ていなかったことにすると決めた、ということです」
俺は外套を脱ぎ、椅子を引いて座った。
「では俺を連れ出したのは、この茶番がどこまで続くか見物させるためだけじゃない」
「もちろん違います」と神父は言った。
ブリーフケースが開いた。
最初に取り出したのは紙ではなく、暗号化されたUSBメモリと、三つの薄いファイルだった。薄さに少し拍子抜けするが、本当に重みのある資料というのはたいていそういうものだ。厚さで脅かさず、急所を突いて殺す。
一つ目のファイルの表紙には一行だけ記されていた。
ベルギー——資金流れのノード。
二つ目。
オランダ——物流と保管ルート。
三つ目には地名がなく、ただ四文字だけだった。
密帳索引。
林 雨瞳は三つ目を見た瞬間、目の色が変わった。
驚きではなかった。ある名前の輪郭をついに見た者の冷静さだった。前の二つが骨格なら、三つ目は国家の体面を骨格ごと引き剥がすものだとわかっていたからだ。
バローロ神父は密帳の話を急がず、まず前の二つをテーブルの中央に押し出した。
「パリのことは、今のところまだ煙幕に過ぎません」と彼は言った。「街頭は白房で騒ぎ、メディアは拘束と手続きを追い、外交は穴を塞ぎ、首相府はまだ自分たちに分類処理する時間があると思っている。しかし本当に追うべきものを見たいなら、その線はパリにはありません」
彼は一つ目のファイルを指差した。
「ベルギー、資金の流れ。名義上は慈善基金、文化財修復、戦後記憶の保存、宗教文化遺産の管理。実際には、丁寧に手入れされ、細かく分割され、歴史の重みを感じさせるほど洗浄された金の流れです」
彼は二つ目のファイルを指差した。
「オランダ、物流。名義上は美術品の保管、医療コールドチェーンの経由、倉庫中継、個人コレクションの修復。実際には、これは古い道です。非常に古い道。戦後からすでに存在し、その後はただより清潔な靴に履き替えただけの道です」
山口 多聞が手を伸ばして数ページをめくり、最初のノード群を確認してから、低く言った:
「これは急造じゃない。育て上げられたものだ」
「そうです」とバローロ神父が答えた。「誰かが長年かけて育て上げたものです」
林 雨瞳は三つ目の密帳索引に目を向け、直接聞いた:
「これと白房に何の関係が?」
「今のところ、表面上の関係はありません」と神父は言った。「だからこそフランス政府は誤判断したのです」
彼は俺を見た。
「彼らは白房事件を白房事件そのものだと思っている。人権、外交、技術、世論という几つかのラインを切り分ければ、それぞれの問題を別の引き出しに閉じ込められると思っている。しかし彼らは忘れています——いくつかの引き出しの下は、実は同じ一つのキャビネットだということを」
俺は何も言わず、まず一つ目を読み終え、次に二つ目を読んだ。いくつかの名前を見たとき、それまでまだ保っていた余裕が、少しずつ冷えていった。
「フランスはどこまで触れた?」と俺は聞いた。
神父は今回すぐには答えず、ブリーフケースから最後の一枚の紙を取り出した。
完全な文書ではなく、内部転述の要約だった。明らかに、これを「技術と資産の評価」に過ぎないと思っていた誰かの接触記録から来たものだった。
いくつかの言葉に、線が引かれていた。
利用可能な残存ノード。
既存資産の保存価値。
窓口接触の可能性。
技術と資金流れの後続評価。
俺は読み終えて、三秒黙った。
物を投げなかった。罵倒もしなかった。
ただ、ごく静かに笑った。
その笑い声は小さかった。しかし林 雨瞳は無意識に背筋を少し伸ばした。よくわかっていた——俺が本当に怖いのは怒るときではない。この笑いのときだ。
これは怒っているのではない。
誰をより遅く死なせるかを決めているのだ。
「そういうことか」と俺は言った。
山口 多聞もその紙を見ながら、口元がゆっくりと持ち上がった。笑みは薄く、冷たかった。
「つまり共和国は今、血を拭きながら、犯人のポケットを漁っているわけか」
バローロ神父が正確に訂正した:
「犯人のポケットではありません。死者の帳簿です」
この一言が落ちると、部屋が短い沈黙に包まれた。
俺はその紙をテーブルに戻し、指先で紙の端を軽く叩いた。
「まだ漁ろうとしている」と俺は言った。
林 雨瞳は何も言わなかった。
この結論には、もはや修飾は必要なかった。
フランス政府が今最も致命的なのは、間違いを犯したことではなく——間違いの中にまだ利益があるかどうかを探していることだ。
これはもはや無能ではない。
これを汚いと呼ぶ。
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山口 多聞は椅子の背もたれに寄りかかり、俺を見た。
「で、第三の飴か?」
この問いは軽く言われたが、テーブルの全員がわかっていた。本当に言いたいのは——今すぐちゃぶ台をひっくり返すか?
俺はすぐには答えなかった。
立ち上がって窓際に行き、外のまだ光り続けるパリの夜景を見た。遠くにサイレン、群衆、中継車、そして都市全体の「何かがおかしいとわかっているが、まだ最も吐き気がする層を見ていない」という焦燥感があった。
今すぐ全部ぶちまければ、確かに爆発できる。
しかし爆発した後、向こうはすぐに結束する。
フランス政府の最大の才能の一つは、普段は互いを見下しながら、本当に死にそうになると突然団結を学ぶことだ。同じ一つの酸素を共有していると気づいたネズミの群れのように。
俺は振り返り、口調は平坦だった。
「今は全部爆発させない」
林 雨瞳が顔を上げた:「待つのか?」
「待つんじゃない」と俺は言った。「放つんだ」
山口 多聞がうなって、理解した。
「蛇を穴から誘い出す」
「そうだ」俺はテーブルの上の資料を見た。「今、街頭はまだ白房事件にいる。メディアはまだ拘束、録音、通話、手続き、話術を追っている。フランス政府もまだ自分たちに事態を切り分けるチャンスがあると思っている。このタイミングで密帳全部を叩きつければ、彼らはすぐに結束して、これは外部からの操作だ、陰謀だ、偽の資料だ、フランスの国家主権への総合攻撃だと言い出す。それでは彼らを楽にさせすぎる」
林 雨瞳が頷いた。
これが俺らしい。
報復しないのではない。愚かな報復はしない。
「どうやって放つ?」と彼女は聞いた。
俺は手を伸ばし、ベルギーのファイルを前に押し出し、オランダのファイルを横に動かした。
「帳簿全体を爆発させない」と俺は言った。「まず、俺の手に帳簿があることを知らせる」
バローロ神父は俺を見て、止めなかった。ただ聞いた:
「誰を釣りたい?」
俺は少し笑った。
「全部だ」と俺は言った。「内務省はまず外交に切り分けようとする。外交は内安に切り分けようとする。内安は技術評価に変えようとする。首相府は個別判断の不備に変えようとする。どの部門も他より先に自分の足を引き抜こうとする。このときの最善策は直接殺すことではなく、先に互いに噛み合わせることだ」
山口 多聞が続きを補った:
「まだ消火のチャンスがあると思わせれば、自分から手を伸ばす。先に伸ばした者が、先に姿を晒す」
「そうだ」と俺は言った。「それにもっと重要なことがある」
俺はテーブルの上の三つ目を見た。
密帳の索引。
「政府は今、一つのことをしようとしている。俺が離れたと確認した後、対外的に『俺はすでに自由に行動できる』と一言補足して、寛容で理性的で法に従って処理する共和国を演じようとしている」と俺は言った。
林 雨瞳の目が冷たくなった。
「お前の退場を手柄にしようとしている?」
「それだけじゃない」と俺は言った。「ついでに前の数日間の汚いことを全部グレーに塗りつぶそうとしている。人を部屋に閉じ込めておいて、相手が自分でドアを出た後、入り口に立ってこう言う人間みたいに——『うちのドアには最初から鍵がかかっていなかった』」
山口 多聞が低く笑い声を上げた。
「実にフランスらしい」
「だから俺はその言葉を言い終わらせない」と俺は平静に言った。
テーブルに戻って座り直し、指を密帳索引の上に置いた。
「彼らが『人が去った』で止血しようとするなら、俺は『帳簿が爆発した』を先に落とす」
バローロ神父がようやく本当に顔を上げ、俺を一瞥した。
「密帳を先に爆発させるのか?」
「全部ではない」と俺は言った。「まず一角だけ。十分に致命的だが、完全ではない。全員に知らせる——これは白房の続きではなく、もっと大きなキャビネットだ。そしてキャビネットのドアはすでに開いている」
神父はしばらく沈黙した。この一手がパリをどの方向へ押すかを測っているようだった。
最後に、彼はただ一言だけ言った:
「これは第三の飴ではありませんね」
俺は彼を見た:「では何だ?」
バローロ神父は淡々と言った:
「共和国に、自ら棺桶の匂いを嗅がせることです」
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危機管理室の方では、まだ作業が続いていた。
街頭の主題がまだ白房から外れていないことが、多くの者に「まだ調整の余地がある」という誤解を与えていた。首相府の第二版声明は修正中で、外務省は明朝の口調を再調整し、内務省はメディアに文句を言いながら警察にこれ以上悪い映像を出すなと要求していた。機構全体は混乱していたが、それでも「まだ仕事をしている」という幻想を辛うじて維持していた。
そして俺に関しては、新しい説明の草案がいくつかの小グループの中でひっそりと回り始めていた。
正式な発表ではない。
対外声明でもない。
ただのいくつかの予備的な文章で、適切なタイミングで顔見知りの記者、低階層の発言担当者、または外電窓口に渡せる言葉だった。
内容はどれも大体同じだった:
関係者は現在、いかなるフランス政府の公式接触措置の範囲にも含まれていない。
フランス政府は同氏に対して正式な制限措置を取っていない。
同氏の離脱は現場の状況と個人の手配に基づき、自由に行われた。
こういう言葉は、普段は自分を騙すのに非常に役立つ。他人を騙せるかどうかは、運次第だ。
ドヴォーはその草案を見ながら、内心ではあまり気に入っていなかった。嘘だからではない。嘘が十分に美しくないからだ。しかし今はこれより良いバージョンもなかった。危機広報を突き詰めていくと、たいてい最後は集団低基準作文コンクールになる——全員で最も認める部分を最小限にし、最も曖昧さを最大限にし、最も人間の言葉に聞こえつつ最も事実に触れない文章を競ってひねり出し、自分たちがもう半日生き延びる時間を稼ぐのだ。
「あと二時間待て」とドヴォーは言った。「彼が引き返さない、記者の取材を受けない、すぐに何かを暴露しないと確認できてから、次級の窓口に一言補足させる」
外務省副事務次官が眉をひそめた。
「本当に彼がそんなに静かに立ち去ると思うのか?」
ドヴォーは彼を見て、極めて率直な口調で答えた。
「思わない」と彼は言った。「だが、刺されるとわかっているからといって、先に止血帯を用意しないわけにはいかないだろう」
もっともらしく聞こえる言葉だったが、実際には非常に悲哀に満ちていた。政府が「止血帯」を統治ツールとして使い始めたとき、それはたいてい刺されないようにする方法をすでに忘れて久しいことを意味するからだ。
法務顧問が草案を睨みながら、もう一言付け加えた:
「いずれにせよ、『釈放』という言葉は使えません。この二文字で、我々全員が国会の公聴会行きになります」
内務省副大臣が低く悪態をついた。
「今更誰が国会なんか気にするんだ?」
「明日になれば気にすることになる」とドヴォーは言った。
誰も続けなかった。この一言もまた、あまりに正確だったからだ。
今全員が選んでいるのは——今夜先に街頭で罵倒されるか、明日国会で釘付けにされるか、ただそれだけだった。
周 士達については——
彼らの心情としては、今すぐ飛行機に乗って、明日には別の国のカフェでどこかのメディアの取材を受けていてくれさえすれば、少なくとも今夜すぐにパリに引き返して残された最後の一枚のイチジクの葉を引き剥がすことだけはしないでくれ、というところだ。
残念ながら、そんな願望はたいてい、まだ周 士達という人間をよく理解していない頭の中にしか生まれない。
本当に彼とやり合ったことのある人間なら誰でも知っている——この種の人間は、報復しないときは徹底的にしないが、一度やると決めたら、相手が準備しているタイミングは絶対に選ばない。選ぶのは、相手が「準備はできた」と思い込んだ瞬間だ。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




