176.風向きが変わった 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
午前四時十四分、パリはようやくパリらしくなり始めた。
ロマンチックだからじゃない。芸術だからでも、セーヌ川のほとりで誰かが朝霧の中でキスをしているからでもない。パリを本当にパリらしく見せるものは、たいてい別の何かだ——夜明け前に、仕立ての良いダークスーツに身を包んだいくつかの部署の人間たちが、すっかり冷めたコーヒーを手に、できるだけ聞き苦しくないフランス語で、互いに証明しようとすること。
これは絶対に自分のせいじゃない、と。
外ではすでに風が立っていた。
屋根を吹き飛ばすほどではないが、窓の隙間を鳴らすには十分だった。
ニュース速報、掲示板のミーム、ショート動画のスクリーンショット、チャットルームの意訳、自メディアの平易な解体——層に層を重ねて、糖蜜が排水溝の隙間を伝って染み込んでいくように。正式じゃない、厳密じゃない、国家レベルじゃないと言うのは簡単だ。だがこれらには、フランス人が最も恐れる長所が一つある——
公文書より速く伝わる。
そしてまだ自分で場をコントロールできると信じているあらゆる国家にとって、問題が起きることより大抵もっと悪いのは——
統一見解をまとめる前に、外がもう代わりに翻訳を済ませてしまうこと。
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パリのある、まだ電気の消えないビルの中で、広報連絡室のガラス扉が午前四時二十分に押し開けられた。
入ってきたのは対外窓口主任のデヴォーだった。四十代半ば、こめかみは整然として、スーツには皺一つない。全体として印刷品質は極めて優秀だが内容はひどく読みにくい白書のような男だった。普段の話し方は安定していて、生まれた時から「個人の見解を代表するものではありません」と言うよう訓練されてきたのではないかと疑いたくなるほどだった。だが今夜ドアを入る時、ドアノブを握る動作が普段よりほんの少し荒かった。
中にはすでに三人がいた。
一人はニュース監視官の女性。ショートヘアに細いフレームの眼鏡、タブレットにはSNSの管理画面とメディアモニタリングのページがびっしり開かれている。
一人は若手スタッフ。三十を少し過ぎたばかりで、顔色の白さは睡眠不足が仕事の習慣というより運命の定めであるかのようだった。
最後の一人は、声明文の推敲を専門とするテキスト顧問。「問題が発生した」を「プロセスにおける認識のズレ」に書き換えることを生業とする、高度な専門職だった。
デヴォーは入るなり、すぐには座らなかった。
「今、外はどう言っている?」
ショートヘアの女性官僚は顔を上げず、口調は平坦だった。
「主流メディアはまだ手続きの変更と記録体制の中止について問い合わせています」と彼女は言った。「厄介なのは第二層です」
デヴォーは眉をひそめた。
「第二層?」
若手スタッフがタブレットを回した。画面には短動画、匿名投稿、配信の切り抜きが連なっていた。タイトルはバラバラだが、使われている言葉は異様に一致していた。
軟禁じゃない、品のある軟禁だ。
もともと一緒、今は個別。
記録ありから記録なし。
まず人を抑えて、それから値踏みする。
白い壁は潔白じゃない、洗いやすいだけだ。
デヴォーはその数行を眺めても、すぐに表情を変えはしなかった。
だが部屋の他の三人にはわかっていた。彼が今見ているのは言葉そのものではない。
今夜これから、何人分の尻拭いをしなければならないかを計算している。
「どのアカウントが最初に火をつけた?」
ショートヘアの女性官僚が画面を二度タップした。
「一つのアカウントじゃありません。記者のあの速報がまず切れ目を入れて、その後チャットルーム、自メディア、ショート動画系のアカウントが翻訳を始めて、今はもう定型句になっています」
デヴォーは「定型句」という言葉を聞いて、ほとんどわからないほど小さくまぶたを震わせた。
何かが定型句になった時点で、厄介になる。
それはもう単なる情報ではないからだ。
人々が出来事を理解するための枠組みに変わる。
そして国家が最も恐れるのは、誰かに誤解されることじゃない。
覚えやすい悪口で、先に自分を定義されてしまうことだ。
テキスト顧問がその時、低い声で付け加えた。
「まだ主流バージョンは抑えられますが、平易バージョンを抑えるのは困難です」
耳に痛い言葉だった。
そして極めて専門的でもあった。
主流報道なら、反論もできるし、釈明もできるし、圧力をかけたり、情報を交換したり、時間稼ぎをすることもできる。
平易バージョンは違う。
たいてい中心がなく、編集長もいなければ、法務部もない。完全な文法すら存在しない場合が多い。
ただ人々が、本来綺麗に語ろうとしたことを、少し汚く語り直しているだけだ。
そして汚い言葉の方が、往々にして生命力が長い。
デヴォーはようやく腰を下ろした。
「今、一番危険なのはどの一文だ?」
ショートヘアの女性官僚はそこで初めて顔を上げた。
彼女は一行を指差した。
まず人を抑えて、それから値踏みする。
部屋が二秒沈黙した。
この一文が最も厄介なのは、それが事実と完全に一致しているかどうかではないと、全員がわかっていたからだ。
ある種の人々の本心に、あまりにも似すぎているということだ。
デヴォーの顔色がついに変わった。
怒りではない。
権力構造を熟知した者だけが持つ、あの種の不快感だった——
一つの言葉が事実と羞恥と部門間の境界線を同時に突いてきた時、それは極めて処理しにくくなる。
声高に否定するわけにはいかない。声が大きすぎれば、それだけでやましさがにじむ。
かといって完全に無視することもできない。黙っていれば、ほぼ肯定に等しいからだ。
若手スタッフがおずおずと尋ねた。
「『個別接触』という表現、いったん取り下げますか?」
テキスト顧問がすぐに口を挟んだ。
「遅すぎます。もうスクリーンショットされています。今になって言葉を替えれば、かえって痕跡を目立たせるだけです」
デヴォーは彼を見た。
「では、どう提案する?」
テキスト顧問は素早く答えた。
「『分流接触』に切り替えて、焦点を『現場の混乱軽減』に戻しましょう。保護的措置だとか、個別だとかはもう言わない方がいい。接触制限や隔離をすぐ連想されます」
ショートヘアの女性官僚は眉をひそめた。
「無駄です」と彼女は言った。「今、外の人たちはもう、私たちがどの言葉を使いたいかなんて聞いていません。私たちがすでに使ってしまった言葉で遊んでいる」
この一言で、部屋は再び静かになった。
これが広報連絡という仕事で最も苦しいところだ。
言葉が足りないからではない。
自分たちの言葉を、先に他人におもちゃにされてしまうからだ。
デヴォーは手を伸ばして、眉間を揉んだ。
「では、まず二つやる」と彼は言った。「一つ目、対外の説明を全部一本に絞る。『個別接触』『保護的措置』『関係部署の支援』、これらの言葉を今後一切使用禁止だ。二つ目、夜中にこれらの言葉を外に流した人間を特定する」
若手スタッフは何度もうなずいた。
ショートヘアの女性官僚は動かなかった。
デヴォーは彼女を一瞥した。
「まだ何かあるか?」
彼女は静かに言った。
「あります」
「言え」
「外は今、もう言葉だけの問題じゃなくなっています」彼女は別のモニタリング画面を拡大した。「一部のアカウントが問い始めています。なぜある接触が突然中断されたのか、なぜ記録まで凍結されたのかを。このまま進めば、問題は手続きだけじゃなく、倫理になります」
この一言は、さっきの言葉より重かった。
手続きは変えられる。
だが倫理が入り込んだ瞬間、話は声明文で処理できる範囲を超え始める。
デヴォーは数秒沈黙してから、冷たく言った。
「倫理の線は先に抑えろ。次のキーワードにさせるな」
ショートヘアの女性官僚はうなずいたが、反論はしなかった。
ただ、その目の奥にある意味ははっきりしていた——
抑えたくないわけじゃない。
抑えられるかどうか、彼女はもう知っているのかもしれない。
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同じ時間、別のビルの内務安全管制室も灯りが点いていた。
こちらはそれほどフランスらしくない。
少なくとも、取り繕うのがそれほど上手くない。
壁のモニターは点きっぱなしで、廊下の監視映像は十六分割で映し出され、通話録音の状態バーが一本一本点滅していた。コーヒーカップは安物で、言葉も短い。ここの人間は言葉で食べているんじゃない。リスクレベル、行動規律、そして上から電話が来た時に即座に「対応中です」と返せるかどうかで食べている。
そして今夜、彼らを最も不快にさせたのは、ネットが笑っていることじゃなかった。
ネットが笑っている内容が、内務安全が外から見られるのを最も嫌う部分を、ことごとく踏んでいることだった。
副主任の男がモニターの前に立ち、腰に手を当てて、顔色は険しかった。
名前はラメール。骨格が大きく、普段は笑わず、「二度言わせるな」という表情を日常にしているような顔つきをしていた。
「『関係部署の支援』という言葉を外に流したのは誰だ?」
部屋の誰もすぐには答えなかった。
知らないからじゃない。
官僚組織の中で、こういう質問は「今日誰が死ぬか」という質問と大体同じ意味を持つからだ。
技術監視官がモニターを見ながら、低い声で言った。
「あの言葉は対外窓口の人間が言ったものです。私たちじゃない」
ラメールは冷たく笑った。
「対外窓口の人間が、なぜそこまで言っていいと知っていた?誰が言葉を渡した?」
今度は現場調整官の顔色が悪くなった。
奥歯を噛んでから、ようやく言った。
「他の部署が関心を持っていると伝えただけです。対外に出すとは言っていない」
「お前たちはいつもそうだ」ラメールは振り返って彼を見た。「全員が半分だけ言う。最後につなぎ合わせると、国家全体が市場で魚を値切っているみたいになる」
この言葉は耳に痛かった。
だが誰も反論できなかった。
今ネット上で広まっているバージョンが、確かにその方向に向かっていたからだ。
別の監視官がSNSのトレンド画面を大きなモニターに投影した。
画面上で、言葉の組み合わせが次々と跳ねていた。
白扉プロセス
保護的隔離
まず人を抑えて、それから値踏みする
フランス式上品バージョンの「まず一人で来い」
記録を残すと都合が悪い件
ラメールはその言葉の羅列を眺めながら、目の前で国家機密がミーム画像にされたのを見せられたような顔をした。
低い声で聞いた。
「主流メディアは?」
「まだ手続きと記録の件を聞いています」
「それはまだマシだ」
「最悪なのは、チャットルームと自メディアがすでに平易バージョンを作り上げて、安定的に複製され始めていることです」
ラメールが最も聞きたくない言葉は「安定的に複製」だった。
単発のデマじゃなく、ある種の語りが自分で足を生やし始めたということを意味するからだ。
深く息を吸った。
「まず切り離す」
部屋の何人かが顔を上げた。
「どう切り離す?」
ラメールはきっぱりと言った。
「一つ目、技術線はこれ以上外に伸ばすな。能力、媒介、転用性に関わる言葉は全部止める。今またあの線に触れたら、『値踏みする』という言葉を事実にするだけだ。二つ目、すべての記録の状態は『内部整理中』で統一する。『凍結』や『中断』は使うな。三つ目、昨夜の手続き変更は、全部『安全評価環境の変化に伴う一時的な分流』に戻す」
若い幕僚が聞き終わって、眉をひそめた。
「でもそれだと、実際に分流処理をしたことを認めることになります」
ラメールは彼を一瞥した。
「もともとやってた」
「でも——」
「問題は、やったかどうかじゃない」ラメールは冷たく言った。「問題は、外の人間に、分けたのは引き離すためじゃなく、安定させるためだと思わせることだ」
これが内務安全の発想だ。
やることを恐れているんじゃない。
やり方を他人に見られることを恐れている。
一度外から手口を見られたら、その手口はもう単なる手口じゃなくなる。どこか圧迫に見える何かに変わる。
そして内務安全というシステムの最も苦しいところがここにある——
やることの多くは本当にリスクを名目にしている。
だがプロセスが光の下に晒された瞬間、他人の口では醜いものに見えることを、どうしても避けられない。
その時、当直官が突然言った。
「もう一つ問題があります」
ラメールが目を向けた。
当直官は別の画面を指した。
「一部のアカウントが、ある接触の後、送り返した現場人員の顔色が非常に悪かったことを問い始めています。まだ大きな風にはなっていませんが、抑えられるかどうか確信が持てません」
部屋が一瞬静まった。
ラメールの顔色がさらに悪くなった。
こういう問題が一番厄介だ。
正式な情報でも、公開記録でも、訂正を求める公文書を出せるようなものでもないからだ。
ただの現場目撃の感触、ある種の匂い、「何かある」という全員の直感だ。
だがその直感が前の言葉の組み合わせに結びついた瞬間、事実のように育ち始める。
「あの現場の担当は誰だ?」ラメールが聞いた。
すぐに声を上げる者はいなかった。
次の瞬間、部屋の三人がほぼ同時に違う方向を見た。
この光景は見事だった。
内務安全システムが誇る最も優れた伝統を完璧に体現していた——
鍋が十分に大きければ、全員が瞬時に、その鍋が自分の頭の上には落ちてこないようにすることを最優先にできる。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




