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175.大炎上  2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

次の波は、インフルエンサーの番だった。


インフルエンサーという生き物は不思議だ。制度を必ずしも理解していないし、真実の全部を必ずしも気にしていない。だが視聴者が政治の授業を聞きたいのか、それとも大国の炎上ショーを見たいのかを、誰よりも正確に知っている。


この二つの違いは、フランスが自分のやっていることをどう思っているかと、ネット民がそれをどう理解しているかの差くらい大きい。


深夜二時過ぎ、国際話題の雑談を普段やっている中規模の女性インフルエンサーが配信を始めた。


タイトルを見れば、炎上に乗りに来たとわかる。


「パリのこれ、保護なの?それともどんどん軟禁に見えてきてる?」


メイクはまだ落としておらず、髪は半分だけ結んでいて、卓上にはタピオカミルクティーが置かれていて、声には深夜のコンビニ前で誰かが忘れていったブランドバッグを拾ったような興奮があった。


「はい、最初に言っておきます、陰謀論じゃないです、政治専門でもないです、でもこれ今マジでそういう匂いしてるんですよ」と彼女はカメラに向かって言った。「もともとみんないたのに、急に個別対応に変わって、記録も言わない、立会いも言わない、そこに『関係部署の支援』まで出てくる。ねえみなさん、これって——もともとは場を抑えようとしてただけなのに、抑えれば抑えるほど自分たちも誰が入ってきたかわからなくなってるやつじゃないですか?」


チャット欄が即座に沸いた。


「それそれ!」


「翻訳:まずお互いに今何が起きたか確認させるな」


「立会いありから立会いなし、どう見てもやばいでしょ」


「『関係部署の支援』が本当に怖い、これ誰かがもう目をつけてる感じ」


女性インフルエンサーはコメントを読みながら笑っていた。


「みんな本当に性格悪いね」と彼女は言った。「でも聞いてください、今一番面白いのは軟禁かどうかじゃなくて、フランスがまだ『ちゃんと対処してます』感を出そうとしてるとこなんですよ。これがパリで一番パリらしいところ。同じ見苦しいことをやるにしても、他より上品にやろうとする」


チャット欄にすぐ誰かが続けた。


「他の国は逮捕、フランスは上品な収容」


別の人はさらに毒があった。


「拷問じゃない、クオリティの高い一対一コミュニケーション」


女性インフルエンサーはこの一文を見て、タピオカミルクティーを吹き出しそうになりながら笑った。


「クオリティの高い一対一コミュニケーション、これ借りていい?」と彼女は言った。「本当に、この件で一番絵になるのここなんですよ——何かがおかしいってわかってるのに、相手の言葉が全部カスタマーサービスの研修テキストみたいなんです」


この配信には新しい情報は一切なかった。


記者より多くを知っているわけでもなかった。


だが彼女は知っていた——政治圏と記者圏の中だけで頭をもたげ始めたばかりの話を、普段はドラマを見て、メイク動画を見て、恋愛の炎上を追っている人たちにも伝わるコンテンツに変える方法を。


これがインフルエンサーが参入した後の最も恐ろしいところだ。


深みを提供するんじゃない。入口を提供する。


入口が増えれば、瓜は自然と大きくなる。


男性視聴者寄りの時事系インフルエンサーは、「深夜国際炎上トーク」シリーズとして直接やった。


開幕一言目はこうだった。


「今日のこれは陰謀じゃなくて、技術の話です。はっきり言うと、今一番重要なのはフランスが何をどこまでやったかじゃなくて、説明がもう食い違い始めてるってことです。国家の説明が食い違い始めたら、内部で少なくとも二つのグループが違うことを考えてるってことです」


彼はホワイトボードに三つの言葉を書いた。


人を抑える


底を探る


外向けに取り繕う


そしてその横に三本の矢印を引いた。


「一つ目のグループはまず人を抑えたい、二つ目のグループは底を探り始めている、三つ目のグループは外向けに取り繕う担当です。問題は、この三つのグループのリズムが合っていない時、今みたいな見事な光景が生まれるということです——保護と言いながら個別と言いながら記録は言わないながら関係部署の支援まで言う。みなさん、これは安定してるんじゃないです。内部がバラバラの言い訳で同じ地雷を踏んでいる状態と呼びます」


弾幕が瞬時に埋まった。


「この分析、ちゃんとある!」


「つまり単純に人を捕まえてるんじゃなくて、各部署が全部手を伸ばしてるってこと?」


「全部はわからないけど、なんか美味しそう」


「簡単に言えば:上がまだ分け前を決めてないのに、もう外に漏れ始めた」


これが狙い通りの効果だ。


わかる人は三本の線を読み解く。半分わかる人もついていける、少なくとも「ああ、単純に一つの政府機関が処理してるんじゃなくて、内部でも綱引きがあるんだ」とわかる。


ただ盛り上がりたいだけの人は一言だけ覚える。


「フランス、自分たちでまだどう食べるか決めてない」


それで十分だ。


---


同じ時間、記者圏もすでに小グループのチャットだけじゃなくなっていた。


チャットルームと短動画の第一波が立ち上がり始めると、他の記者たちはすぐにあることに気づく——この話題はもう「ちょっとした速報」じゃなくて、大きなネタに育つ可能性がある、と。


記者がネタが熱くなったと気づいた時の反応は、普段スーツを着たカラスの群れに似ている。


プロ意識がないわけじゃない。


ただ、現実的なだけだ。


あるニュース局の国際デスクがまず会議グループに投げた。


「これ、もっと大きく扱えるか?」


下から記者が返した。


「二次ソースが取れるかどうか次第。今一番でかいのは説明の矛盾だけど、まだ重さが足りない」


別のデスクがすぐ続けた。


「矛盾自体でいける。まず『説明の変化』でやる。断定はしない」


こうして最初の追随記事が次々と出始めた。


保守的なものはこう書いた。


「仏側の対応方式が急遽変更 立会い・記録体制の縮小に外部の関心集まる」


少し辛口なものはこうだった。


「複数立会いから個別対応へ パリの手続き急変が外部の憶測を呼ぶ」


見出しの作り方を知っているものはこうだった。


「『保護』か『分断処理』か パリの突然の方針転換が注目を集める」


見出しが出た瞬間、コメント欄は遠慮しなかった。


ニュース記事がどれだけ穏やかな書き方でも、読者はすでにチャットルームと短動画から一つのゲームを学んでいた。


公式の言葉を一つ一つ、人間の言葉に直してからもう一度笑い飛ばす、というゲームを。


コメント欄に大量の定型文が出始めた。


「翻訳:もともとみんな一緒、今は一緒にさせない」


「翻訳:もともと照合できた、今はできない」


「翻訳:もともと表に出せた、今は出さない方がいい」


ますます多くの記者が気づき始めた。これは普通の国際小ネタじゃない。


なぜなら非常に珍しい性質を持っているからだ——


制度の匂い、不透明感、炎上感、そしてネット民がミームにできる余地、この全部が同時にある。


こういうネタが一番爆発しやすい。


真面目なメディアが長文を書けて、エンタメアカウントがミームを作れる。


評論家が解体できて、チャットルームが笑い続けられる。


わかる人には「これ内部に通じてる人がいる」と思わせられて、わからない人には「とにかくフランスが今やましいことしてる感じ」と思わせられる。


業界用語でこれを拡散性と呼ぶ。


ネット語でこれを——


「見もの」と呼ぶ。


---


話がさらに発酵した後、最も面白いのは誰が一番詳しいかじゃなかった。


誰もが一口食べられる、ということだった。


学生圏が食いついたのは「一人ずつ連れて行かれる」という強烈な絵の力だった。


キャンパスのグループに誰かが投稿した。


「これって先生が『ちょっとそこで待ってて、お前だけ先に来い』って言うやつじゃん」


下で大勢が笑い転げた。


「違いは今回の先生の名前がフランスってこと」


「しかも先生はこう言う:安心してください、プレッシャーを下げてあげてるだけです」


「草、白い扉って国際版生徒指導室じゃん」


社畜圏が食べたのは「上品な言い訳」という砂糖だった。


ある職場ミームアカウントが直接画像を作った。


上段に書いてあること。


上司:これは残業じゃない、フレキシブルな時間延長だ。


下段に書いてあること。


フランス:これは軟禁じゃない、保護的個別対応だ。


画像は猛烈な速度で拡散した。


権力への嫌悪は、場面を超えて共感できるからだ。


国際政治がわからなくても、明らかに自分を困らせているのに、まるで自分のためにやっているかのような言い方をされる感覚は、誰でも知っている。


軍事・安全保障圏が食いついたのは「関係部署の支援」と「技術的な匂い」だった。


軍事フォーラムのまとめを普段やっているアカウントが分析スレッドを投稿した。口調は他の誰よりも冷静だった。


重要なのは誰かが連行されたことじゃない。


重要なのは「なぜ純粋な安全システムだけが話していないのか」だ。


事件がまだ完全に定性づけられる前に、他の部署が介入している言い回しが出てきた場合、たいてい別の価値が見出されたことを意味する。


情報価値かもしれない、技術価値かもしれない、象徴価値かもしれない。


三つ全部かもしれない。


コメント欄に即座に返信が来た。


「翻訳:これは怖がるだけじゃなくて、使えると思ってる人がいる」


宗教圏と歴史圏はまだ周辺で発酵中だった。


まだ十分な情報がなく、爆発するほどじゃない。


だが敏感な数人がすでに問い始めていた。


「もし昨夜のある接触が本当に記録を残すことすら不都合なほど中断されたなら、一体何を踏んだんだ?」


この問いはまだ大きく広まっていなかった。


だが非常に小さな種のように、もう土の中に落ちていた。


今はまだ見えない。


もう一章進んだら、厄介なものに育っているかもしれない。


そしてこれら全部に対して、普通のネット民は何もそこまで理解する必要はなかった。


彼らはただこう感じるだけだ。


ああ、これって単純な国際ニュースじゃないんだ。どのコミュニティからも自分なりに突っ込める角度がある炎上ショーなんだ、と。


これが流行になる仕組みだ。


全員が真相を気にしているからじゃない。


全員がこの件の中に、自分が見慣れた権力への嫌悪感を見つけられるからだ。

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