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第三話 魔王様、異常事態です。
「今日も徹夜だ…」
窓の外を見ながら、魔王はコーヒーをすする。
「魔王様!大変です!」
副魔王が慌てて飛び込む。
「どうした。落ち着け」
「城下町で異変が起きています!しあわせ指数が急上昇、制御不能です!」
窓の外を覗くと、町は静かだが…人々の笑顔が増えている。
肩がぶつかっても、みんな笑顔で謝り合う。
作りすぎたおかずを分け合う姿もある。
遠くで手を振る勇者。
「こんにちは!魔王さん!」
魔王の顔がこわばる。
「貴様、何をした!」
「すれ違った人に挨拶しただけです」
キョトンとする勇者。
魔王は独房に閉じ込める。
「…違う!この部屋から出るな!」
勇者は目を輝かせた。
「お泊まりですね!やったー!」
独房には快適な香りが漂い、清潔なベッドもある。
魔王は大きく息をつく。
「…まったく、どうしてこうなる」
こうして、勇者の楽しい“監視付きお泊まり生活”が始まった。
魔王の怒りと焦りは、少しずつ増えていく。




