薔薇屋敷⑤
驚きながら 何気に テレ
ビを観ると…(°°;)
二郎ベイベは…ガラスが
ある事に気づかずに走っ
てきて、思いっきり顔面
を、ぶつけた人のように
テレビ画面に顔を ベタ!
っと押し付けていた!
うん、こうなると、いく
ら天使のように可愛くて
も、とても残念な顔にな
るね( ̄▽ ̄;)
ん? どうしたのかな?
二郎ベイベ、何か言いた
いのかな?バブバブ言っ
てるよ…。
《コイン》バブバブって
風呂に入れるやつみたい
だなぁ おい( ̄θ ̄;)
('.') うん、コイン少し
黙ってた方がいいかも。
すると、ロコモコちゃん
は、コインに用意した物
と同じタイプのマイクを
二郎ベイベの前にも、セ
ットした。
何?このマイク、ベイベ
言葉まで分かるんだ!?
便利だわぁ(⌒艸⌒)
てかさ、 そんなに ある
んなら1つ欲しいなぁ。
後で、ロコモコちゃんに
聞いてみようっと(⌒⌒)
ん?なんだろ、この音?
どこから聴こえてきてん
のかな?( °°)"
《コイン》ぐぴぃ〜ん!
ぶほっぐっぴぴぃぃ〜!
( ̄θ ̄)ぐぅ〜ぶほっ!
('.') コインかぁ〜い!
Σ( ̄□ ̄ノ)ノ
横になって気持ちよくな
ったんだろね( ̄_ ̄;)
壊れた、なんらかの機械
の音のような イビキを
かいて…おまけにヨダレ
まで垂らしながら寝ちゃ
ったよ( ̄¬ ̄)"
すると ミキは、 コイン
のヨダレで机が汚れない
ように、コインの口元に
ピンクのフェイスタオル
を置いた(*'-'*)
そして、コインの代わり
に、二郎ベイベの前に行
って話し始めた('-'*)
《ミキ》こんにちは…。
私は、ミキと申します。
あなたは二郎君ですか?
《二郎ベイベ》うん、
ぼく、二郎だよ(´。`)
《ミキ》ちょっとね…お
話 聞きたいんだけど…
その前に 二郎君、 画面
から、ちょっとだけ 顔
離してもらえるかな?
('.') 二郎ベイベが画面
から顔を離すと、ベチャ
っと ヨダレが ついてい
た( ̄。 ̄;) 汚な…
おまえは、コインか!と
心の中で突っ込みをいれ
ていると、ミキは、ツツ
ツツと、コインに近づき
さっき、口元に置いた
フェイスタオルを持って
きて、おもむろに画面を
拭きはじめた( ̄□ ̄;)
いゃいゃいゃいゃいゃ、
いくらなんでも、ヨダレ
は内側とゆうか…これを
撮してるカメラな訳だか
ら、こちらから画面を拭
いたって、キレイになる
わけないじゃん!って…
…なったわ!(°°;)
え?なんで?どうして?
なんでなんで?なんで?
ミキは、マジックも使え
るの?いや、マジックに
は タネがあるもんね!
これには タネなんか な
いし! ( ̄□ ̄;)…
え? じゃあ、超能力?
もしかして宇宙人(°°)
そんな事を考えてたら、
ミキには、僕達が考えて
る事が分かっちゃうみた
いで…( ̄▽ ̄;)
《ミキ》ハンドパワーで
す!なんちゃって('-'*)
これは、マジックでも何
でもありません(*'-'*)
このテレビ自体が、こう
ゆう事を想定して造られ
ているのです(*'-')
ですから、こうして外側
から拭いても、キレイに
なる訳なんです(*'-')ノ"
じゃあ、続きいきます。
二郎君、待たせて、ごめ
んなさいね('-';)
ちょっとだけ質問させて
ね。二郎君は、どうして
そこにいるのかな?
《二郎ベイベ》 うん…
あのね…僕、お母さんの
お腹にいる時『ここは、
俺様1人だけの場所だか
ら、お前は出ていけ!』
って、三郎に言われてた
の(´。`)
いつも、お腹の中で、
お腹蹴られてたんだけど
あ!お腹の中で、お腹蹴
られるって別にダジャレ
じゃないですから(´`)
('.') そんなヒドイ状況
聞いて、ダジャレだなん
て誰も思わないよ!と、
心の中で突っ込みをいれ
ようとしたら、小野寺が
クスッと笑った( ̄_ ̄;)
にしても、二郎ベイベっ
て結構ひょうきんものな
んだね( ̄。 ̄;)
《二郎ベイベ》でね…僕
産まれる直前まで頑張っ
たんだけど、最後は三郎
に首を締められてしまっ
て、この世に出られなか
ったんだ(´。`)
《ミキ》そんな事があっ
たの。辛かったわね…。
で、二郎君は今、幸せ?
《二郎ベイベ》うんっ♪
すっごく、幸せだよ♪
胎児で亡くなったとして
も、ここに来ると、みん
な同じくらいの大きさの
赤ちゃんになるから、
遊ぶ事も出来るし…めっ
ちゃ楽しいんだ(´`)♪
もし、この世に産まれて
きてたら、もっとヒドイ
目にあって遅かれ早かれ
ここに来るって事は何と
なく分かってたし…。
今は これで良かったと
思ってるよ(´。`)
それに、もう少ししたら
僕、生まれ変われるみた
いなんだヽ(´▽`)/♪
《ミキ》 そう…それは
良かったわね(*~-~*)
とっても優しいご両親と
優しい お姉さまがいる
ご家族の元に産まれます
よ(*~-~*)
今度は必ず幸せになれま
すからね(*´`*)
《二郎ベイベ》うんっ!
ありがとう!お姉さん♪
じゃあ、僕…みんなのと
ころに戻るね(´。`)ノ"
('.') そう言うと、二郎
ベイベは お尻を フリフ
リして 途中 ズベっと、
コケながら戻って行った
あのね 変な事 言うよう
だけど 僕…天国にいる
赤ちゃんって、みんな裸
なのかな?って思ってた
んだ(//艸//)
でも…違ったよ。ちゃん
と、白くて薄いベールの
スモックのようなものを
着てたよ(⌒艸⌒)うふ
にしても、あの…凶暴な
二郎が本物の三郎だった
ってのも、めちゃめちゃ
驚いたけど…( ̄□ ̄;)
ただの… なまりの強い
エロインコだとばかり思
ってたコインに、こんな
とんでもない力があった
ってのも驚きだよ(°°)
とゆうか… ちょっと、
コインの事、見直しちゃ
ったかな(⌒_⌒)"うん!
ままま、結局は イビキ
かいて寝ちゃったけどね
あ!そういえば、あの人
あの人は?ほら、焼き鳥
屋の大将! ( ̄∇ ̄)"
あの大将も、なんらかの
力があるんだよね(><)
あれ?ミキ…どうしたん
だろう?いつもだったら
何も言わなくても、僕ら
の考えてる事、分かって
すぐ、説明してくれるの
に…(°°;)ん?
すると 小野寺が 手をあ
げて、ミキに質問した。
《小野寺》 あのぉ〜、
気になる事があるんです
確か、焼き鳥屋の大将も
ミキさんや、コインさん
のように、なんらかの力
が あるんですよね?
すっごい気になるんで、
大将の話もしてほしいん
ですけど。
《ミキ》大将…ですか。
ぇえ…っと、それは今、
私が話さなくても、その
うち分かりますので…。
('.') へぇ〜、ミキにし
ては珍しいね (°°;)"
あれかな? ミキにでも
説明が出来ないくらいの
力が、大将には あるっ
て事なのかな?(; °°)
なんか、意味ありげだよ
ね( ̄_ ̄;) 益々 気にな
っちゃうよ。
《ミキ》それでは、次い
きますね('-'*)
('.') 切り替わった映像
には、三郎の父親の大三
郎が映し出されていた。
《大三郎》お前とゆう奴
は!なぜ、わしに黙って
辞めたんだ!(`Δ´)
1人じゃ何にも出来ない
くせに、甘えるのも、い
いかげんにしろ!
《三郎》申し訳ありませ
ん( ̄_ ̄;)お父様…。
《大三郎》申し訳ありま
せんで済むか!(ー"ー;)
ワシの顔まるつぶれだ!
おまえも、おまえだっ!
甘やかしてばかりいるか
ら、こんないい加減な事
を平気でするような男に
なるんだ!(`Δ´)
会社は、お前には継がさ
せん!好きにやってろ!
わしは、もぅ知らんから
な!( ̄□ ̄ )
('.') 大三郎は、妻の
はつえと三郎を責めてい
た。 でもね…三郎は、
はなっから会社を継ごう
だなんて思ってもいなか
ったんだけどね( ̄_ ̄;)
それからは、離れに
アトリエを造り、三郎は
大好きな絵を描く事に
専念した。
元々 人物を描くのが 好
きだった三郎は、自宅の
門に、モデル募集の貼り
紙をした。
モデルといっても、三郎
の場合は、裸体を描く訳
ではないし、大体の下絵
を描いた後は…髪の毛や
服装等は、自分の好きな
色で仕上げていくため、
モデルの バイトは、
1日…1時間程度で、よ
かった。
でも、たった それだけ
の時間だと中々、バイト
には来てくれないため、
バイト料を1時間5千円
にした( ̄。 ̄;)
今だって、1時間5千円
は凄いと思うけど、その
当時にしたら、ハンパな
いよね!( ̄□ ̄;)
もちろん、想像した通り
たくさんの人達が押し寄
せたよ(°°;)
マ○コ・デラックスに
そっくりの巨大な、おば
ちゃまや、オカマさん達
自称28才と言い張る、
どう見ても還暦どころか
80才は過ぎているであろ
う、男女の区別がつかな
いパンチパーマの人達…
もし…この中に、妖怪や
宇宙人や、何らかの生き
物が混ざっていても分か
らないだろう…ってゆう
くらいに…まぁ〜、色ん
な種類の人達が集まって
きた!( ̄□ ̄;)
で、結局…1番普通だっ
た、サヤカとゆう女性を
選んだんだ(⌒⌒;)
サヤカには 毎日 来ても
らってたんだけど、ある
日を境に、ピタッと来な
くなってしまった(°°)
てっきり、息子を溺愛し
てる母親の はつえが、
サヤカに嫉妬して、お金
を渡して来させなくした
のだとばかり思っていた
けど、違ったんだ(-"-;)
はつえは嫉妬した訳では
なく、サヤカの身を案じ
ての事だったんだ。
ちょっと、ややこしくな
るので、これからは、
【善】の三郎を、☆三郎
【悪】の三郎を、★三郎
って分けるね(⌒_⌒)ゞ
★三郎は、仕事でも何で
も、とにかく面倒な事は
全部 ☆三郎に やらせて
おいて、自分は☆三郎の
身体の中から、まるで…
他人事のように傍観して
楽しんでたんだ。
そして…少しでも逆らっ
てきた者には、お礼返し
と称して、容赦無い制裁
を加えていたんだ(=_=;)
………………………
☆三郎は、モデルのサヤ
カに手を焼いていた。
サヤカは、一見…普通の
女性のように見えたが、
見た目とは違い、乱暴な
性格で、口調も品がなく
その上…なぜだか命令口
調だった(ー"ー;)
《サヤカ》んぁあ"ーっ!
かったるい!(`Δ´)
ねぇっ!もぅ1時間経っ
たんじゃないの!まだ?
ちょっと! 返事ぐらい
しなさいよ!(`□´)
それとさぁ、飲み物ぐら
い出したらどうよ(-"-;)
まったくぅ、気が利かな
い男だね(`Δ´)!
いくら、バイト代よくっ
たって これじゃあ 退屈
過ぎて、やってらんない
わ!さっさと描いちゃっ
てよ!(`□´)
あ!それと、バイト代は
ちゃんと日払いで、よこ
しなさいよ!いい、わか
った?(`Δ´)"
('.') その時、☆三郎の
身体が、ピクっとなった
☆三郎の中で、★三郎が
反応したんだね( ̄_ ̄;)
実はね 物心が ついた頃
から、☆三郎は気づいて
いたんだ( ̄。 ̄;)
自分は★三郎が作り出し
た存在なんだって。
★三郎の方は、知ってる
のは自分だけだと、今で
も思ってるんだけどね。
ただ…★三郎が犯行に及
ぶ時、☆三郎は★三郎に
よって眠らされているた
め自分の意志で目を覚ま
したり動く事は出来ない
んだ( ̄_ ̄;)
だから、何か起こりそう
だな…と感じた時は、
眠らないようにと、必死
に我慢するんだけど…
★三郎の得体のしれない
何らかの力には勝てずに
いつの間にか眠ってしま
うんだ( ̄‐ ̄)
その代わり、☆三郎は…
自分の中で★三郎が活動
停止(熟睡中)している
時が、今までの経験で分
かるようなっていた。
でね ☆三郎は ある日…
★三郎が身体の中で熟睡
している事を確認して
起こさないように、はつ
えをアトリエに呼び出し
スケッチブックに文字を
書きながら、静かに…
はつえに告白したんだ。
自分は★三郎が作り出し
た、もう1人の人格だっ
て事をね。
はつえは驚いていたよ。
だって、★三郎の事は、
亡くなった二郎の恨みの
魂だとばかり思ってたか
らね(°°;)
☆三郎は、会社で…井上
が亡くなった原因。
そのまま会社にいたら、
必ず、次の犠牲者が出る
ので仕方なく辞めた事。
犠牲者を増やさないため
周りとは、なるべく親し
くならないように、付き
合いをしなかった事。
このままだと、サヤカも
犠牲になる事などを、
全部、はつえに告白しな
がら相談したんだ(=_=;)
はつえは三郎が不憫(ふ
びん)で ならなかった。
そして はつえは 嫉妬し
たふりをして、サヤカに
お金を渡して来させない
ようにしたんだ( ̄_ ̄;)
でも、アトリエに来なく
なったからといって、黙
ってる★三郎じゃない。
………………………
サヤカは、その頃から姿
を消してしまった。
元々、家出癖があったら
しく、サヤカの両親は、
友達の家にでも泊まり歩
いてるんだろう…と初め
は気にもとめずにいたが
1ヵ月経っても、2ヵ月
経っても、サヤカが戻っ
て来る事はなかった。
両親は、さすがに心配に
なって警察に届け出たが
結局なんの手立てもなく
サヤカは今でも行方不明
のままである( ̄_ ̄;)
………………………
三郎の父親の大三郎は
ひどい男だった。
しのぶが家政婦として
高梨家に入ったのは…
実は、しのぶを自分の物
にしたいがために、
しのぶの両親に、人を介
して借金をさせ、にっち
もさっちもいかない状況
に追い込み自殺に追いや
った張本人だった。
そして、いかにも古くか
らの親しい友人だとゆう
フリをして、しのぶに近
づき、
貸してもない架空の借用
書を作り、借金をチャラ
にする代わりに家政婦と
して家に住まわさせ、
週に1度、家から離れた
書斎のある別宅に、しの
ぶを来させては、嫌がる
しのぶを、いたぶるよう
に抱いて喜んでいたんだ
最低だねっ(`□´)
しのぶには、片思いだが
愛する男性がいた
初めてを、大三郎に無理
矢理 奪われたうえ…
週に1度の、その日は、
しのぶにとっては地獄だ
った( ̄_ ̄;)
それだけではない…
はつえや☆三郎がいるの
にも関わらず、わざと、
しのぶの胸や腰に手を回
して、しのぶが驚くのを
見ては喜んでいたんだ。
しのぶは、はつえや三郎
に知られまいと、いつし
か演技が うまくなって
いった(°°;)
そんな時、大三郎の秘書
が やってきて、今日中に
目を通してもらいたいの
で、至急 大三郎に渡して
ほしいと言って封筒に入
った書類を置いていった
しのぶに頼もうと思った
が、書斎にいる大三郎に
食事を届けに行った後だ
ったので…
☆三郎は急いで車を走ら
せ、大三郎の別宅に書類
を届けに向かった。
☆三郎は、どうゆう訳か
チャイムも鳴らさずに、
まっすぐに大三郎の書斎
へ向かった。
そぅ、☆三郎は、何回か
大三郎が、しのぶの腰に
手を回したり、お尻を
なで回しているところを
目撃していたんだ。
書斎からは、屈辱に耐え
る しのぶの声が 漏れ聞
こえていた。
☆三郎は、ドアの隙間か
ら、泣きながら抱かれて
いる しのぶを見てしま
った( °°)
その時、☆三郎の身体が
、ピクッとなった。
★三郎が反応したのだ。
心臓の悪い大三郎が…
風呂場で発作を起こして
亡くなったのは、それか
ら、すぐだったんだ。