薔薇屋敷②
なんと、美奈子がね、バイトの男子の1人と恋に落ちてしまい駆け落ちをしてしまったんだ。
いくら、三郎や家政婦の、しのぶが、美奈子に優しくしたり励ましたりしても、はつえの、いじめには耐えられなかったみたいなんだよね。
実はね、こんな事があったんだ。はつえは階段で足を滑らせて落っこちてしまい右腕を骨折してしまったんだ。
そのちょっと前に、美奈子が、しのぶの手伝いと言って、階段の拭き掃除をしていたんだけど…
その時に、わざと滑りやすくなるように、ロウでも塗ったんじゃないの!と言って、美奈子を責めたんだ。
もちろん、美奈子は、そんな事はしていないんだよ。多分はつえは…利き腕が、思うように使えなくなっちゃって、イライラしてたんじゃないのかな?
でもね、なんだろ?はつえの何らかの、スィッチが入っちゃったみたいでさ…
その日を境に、美奈子への執拗な、いじめが始まっちゃったんだ。
ちょっと太り気味の、はつえのために、甘さ控えめのヘルシーなケーキやクッキーを作っても、はつえは、ひと口も食べずに、美奈子の目の前で、ごみ箱に棄てちゃうし、
いつものように肩を揉もうとすると、すごい恐い顔で、キッと、にらみつけ、大きな声で『汚らわしい手で触るな!』と、ののしり…
美奈子が買ってきた色とりどりの綺麗な刺繍糸は、ハサミで切り刻むんだよ。
そして、何か気にいらない事があると、『あんたが、この家に来てから不吉な事ばかりだよ!疫病神には、とっとと出て行ってほしいもんだよ!』と、美奈子に八つ当たりしていたんだ。
美奈子は、愛する三郎を産んでくれた母親なのだから…どんなに罵られようが大事にしなきゃ…
いつか分かってくれる仲良くなれると信じて耐えて、ガマンしていたんだけど…
やっぱり、限界だったんだろうね(¨;)
そんな時、優しくしてくれた、年の近い、バイトの男子に、フラ〜っといっちゃうのも無理ない…よね。
美奈子の父親も、はつえに罵られて、居づらくなっちゃってね…何も言わずに、出て行ってしまったんだ。
喫茶店の方は、すぐに別のパン職人を雇い、何事も無かったように営業していたよ。
お客様達は、いつもの、クロワッサンの味と違うな…味がおちたな…と思いながらも、
いつの間にか近所の主婦達の憩いの場になっていたので、そんなに客が減る事は無かったし、
三郎にとっては元々、自分が描いた絵を飾るためだけで、よかったので余り気にはしていなかった。
でもね…不思議な事に、
美奈子や、美奈子の父親が居なくなっても、三郎は探そうとはしないんだよね。
こちらも、まるで何事も無かったように、普通にしてるんだ(¨;)
そりゃあね、自分を裏切って他の男と駆け落ちしたらさ…ショックだし、腹も立つと思うけど。
でもね、なんかちょっと違うんだよね(¨;)
三郎を見ると、怒ってるようにも見えないし悲しそうにも見えないんだよね。
しのぶも、そうなんだよ…なんて言ったらいいのかな
まるで今まで、美奈子と美奈子の父親は、最初から居なかったように振る舞うんだよ(><;)
なんか、ちょっと異様な…とゆうか怖い感じがするのは、僕だけかな?
それから…しばらくして、やっと腕も治りそうって時に、はつえは、また階段から足を滑らせてしまい、今度は運が悪い事に…足を折ってしまったんだ(¨;)
美奈子を、いじめた罰が当たちゃったのかな…。
でもね…それから、はつえは魂が抜けてしまったみたいになっちゃってさ…
足は、とっくに治っているはずなのに、車椅子に頼りっきりなんだ。
またまた大変なのは、しのぶさ。
トイレや、お風呂に入れてあげたり、少しは外にも、連れ出してあげなきゃ…と車椅子を押して、買い物にも一緒に連れて行ったり…
まぁ、とにかく、こまめに面倒をみてあげてるんだ。実の娘でもないのにね…中々出来る事じゃないよね。
それから今現在まで、喫茶店のスタッフも変わらず、家政婦の、しのぶも嫁にもいかずに、はつえと三郎の面倒をみてきたんだよ。
なんてゆうか…血は繋がってないかもしれないけど、本当の家族よりも絆は強いんじゃないかな(><)
ここまでが『カシコモ』の携帯で調べた結果なんだけど…途中、何回か画面が…ザーっと砂嵐のようになっちゃって、観る事…出来なかったんだ(¨;)
ほら、前にも…なんで、
ケンが、シュガーに居着くようになったかを観た時、こんな風に、ザーってなって、砂嵐の後、いきなり、シュガーが出現して…
結局シュガーは、いつ出来たのか観られなかったじゃない(¨;)?
シュガーの時は、砂嵐は、1回だけだったんだけど、このバラ屋敷の場合は観られないとこが多すぎてさ…
だから、自分なりに話を繋げてみたんだけど…まぁ、なんとなく、こんな感じだと思うんだよね(><)
そして…徹夜で、高梨家の関係を、みんなに解りやすいように写真付きで相関図を作ったんだ。
ほら、よく刑事ドラマとかでさ、白板に写真貼って関係を説明してるじゃない?あんな感じ(⌒。⌒)
なんか、刑事になった気分さ(´。`#)へへ…。
題して、『薔薇屋敷』
ん、自分で言うのも何だけど、こうゆうの、やらせたら上手なんだよね♪題は、そのまんまだけどね(笑)みんな、僕の才能に驚くだろうな( ̄▽ ̄;)ふふ
で、日曜日の昼間、ミキと小野寺に、シュガーに集まってもらったんだ。なぜだか…インコの、コインも、『おいらも行ぐぅ』って勝手に付いてきちゃったよ。
もちろん、ケンにも、どこにも出かけないようにって言っといたし(^。^)
シュガーはね、本当は日曜日、休みだし…ましてや昼間なんて開けてないんだけど…マスターと、ママに無理言って開けてもらったんだ。そして、みんなにA4でプリントした薔薇屋敷の資料を配ったよ(⌒。⌒)
《ケン》うわっ、なんだよこれ…見づらいなぁ(汗)
《ミキ》そ、そうですね…見づらいうえに、内容も全く違いますしね(‐‐)
(¨)徹夜で作ったのに…なにさなにさ(Τ。Τ)
《ケン》あっ、この人!
この美奈子って人だよ!
門の中から僕に何か言いたそうにしてた、キレイな女の人って…φ(。。)〃
《(¨)エルカ》え?何?…とゆう事は、美奈子は駆け落ちじゃなくて、亡くなってたって事?
《ミキ》ええ、そうです。美奈子さんだけではありません。この、お屋敷では、何人もの方が亡くなっています。
決して、きれいな薔薇屋敷なんかじゃありません…。呪われた、お屋敷です。
じゃあ、 私が最初から、お話ししますね。長くなりますけど、みなさん、お時間は大丈夫ですか?
(¨)みんなは、コクンとうなずいて、前のめりになって、ミキの話を聞こうとしていた(゜゜;)
すると、もっのすごい大きな音で…ミキの、お腹が、キュルルル〜っと鳴った。僕ら、びっくりして、飛び上がっちゃったよ(驚)
ミキは、顔を、ゆでダコのように真っ赤にして、うつむきながら、小さな声で…マスターに『何か食べる物ありますか?』って聞いてたよ((笑))
にしても、マスターって、ホントに優しいんだよね。たぶん、お腹を空かせてくるんだろうな…って思ってたらしくて、僕たちのために、なんと『すきやき風牛丼』を、鍋いっぱいに作ってくれてたんだ(><)
どうりで、美味しそうな、ニオイがすると思ったよ♪
もちろん、オムライスや、カレーライスも美味しいけど、この…『すきやき風牛丼』がまた、めっちゃ美味しいんだよ(⌒∇⌒)♪
味が伝わらないのが残念だよ(><)みんな、おかわりして2杯は食べてたよ。ちなみに…ミキは、6杯おかわりしてたけどね(汗)
やっと、お腹も落ち着き…満腹になって眠たくなったところで…じゃない、話を聞こうとした時、ミキは、おもむろに『iP★d』?みたいな物を出して説明しはじめた(゜゜)よく見ると…『iP★d』よりも、ひと回り、大きいみたい。
しかも、『カシコモ』の携帯電話のように、過去の様子が映し出されているではあ〜りませんか(゜゜;)
なんで、なんで妖精でもない人間のミキが、そんな物を持っているのかが、気になって気になって仕方がないので、話を中断するのは申し訳ないとは思ったんだけど…ミキに聞いてみた。
《(¨)エルカ》ね、ね、それは、何? どうして、人間のミキさんが、そんなの持ってるの?
《ミキ》え?これですか?これは、ロコモコちゃんから、お借りしたんです。見やすいでしょ(⌒。⌒)
『カシコモ』から出た最新のもので、『igood』ってゆうらしいですよ。
『iP★d』よりも、ひと回り大きくて…私は、こちらの方が使いやすいですね(⌒。⌒)b
あら?エルカちゃんは知らなかったのですか?
《(¨)エルカ》は?あ、いや…はい、知りませんでした(><)しばらく妖精界へ帰ってなかったんで。
すいません。話の腰もんじゃって…なんつって(笑)話…続けて下さい( ̄ ̄;)
(¨)いやいやいやいや、『カシコモ』から、あんなのが出てたとは知らなかったなぁ(><)明日にでも見に行ってこなきゃな。
《ミキ》じゃあ、はじめますね。おおまかな関係は、エルカちゃんの資料を参考にして下さいね。
(¨)お、僕の作った資料も役立つんだね(嬉♪)
そして、ミキは…淡々と 『igood』を使って話し始めた。ミキの場合は、三郎がまだ産まれていない時に戻ったよ(><)〃
じゃあ、ここからは観たまんまを僕が話していくね。ミキじゃなくて、メンゴ。
………………
はつえは、双子を身ごもっていた。その頃の、はつえといえば…つわりを我慢しながら、なんと! 大三郎のために料理を作ったり、掃除、洗濯なども、かいがいしくやっていた(驚)
一方…大三郎は、女グセが悪く、臨月で、もうすぐ産まれそう…って時も愛人の所へ行っていて、はつえをほったらかしにしていた。
はつえは、気をつけてはいたんだけど、階段で最後の三段を踏み外してしまい、軽く、お腹を打っちゃったんだ(><)〃
その時は、大丈夫だったんだけど、しばらくして急に、お腹が痛くなり、はつえは自分で救急車を呼んだ。
可哀相に…双子だったんだけど不運な事に、ひとりは亡くなってしまったんだ。そして助かった片割れが、三郎だったんだ。なるほど…そうだったのか(゜゜)
当時は携帯電話なんか無いから連絡もとれず、大三郎が、その事を知ったのは、次の日の夕方だったんだ。
はつえは、悲しくて悲しくて自分を責め続けていた。
そんな、はつえに追いうちをかけるように大三郎は、自分の事は棚にあげまくって『なんで、ちゃんと気をつけてなかったんだ!二郎は、お前が殺したようなもんだぞ!』と、罵声を浴びせたんだ!
なんだかんだ言っても大三郎も子供が生まれるのを楽しみにしていたみたいで…大三郎は、双子の名前を、『二郎』『三郎』って決めてたんだ。でも、どうして『一郎』がないんだろう?…て、思うでしょ!
大三郎は傲慢な男で、一とつくものは、自分だけだと思っているから、たとえ、血の繋がった子供の名前にでも、一は付けたくなかったらしいんだ(><)〃
その時、亡くなった二郎の魂は…なんと、三郎の身体に入ってしまったんだ。
身体は一つで、魂は二つって事さ。一見、多重人格っぽいけど、この場合は作られたものじゃなく、産まれた時から宿っていて、二郎は、三郎と一緒に心も成長していったんだよ(><)
同じ身体で、一緒に育ったんだけど…穏やかで優しい三郎とは違って、二郎は、大三郎に似たのか傲慢で、おまけに凶暴なんだ。
三郎は、自分の身体の中に二郎がいる事を知らないが
二郎の方は分かってるみたいだよ。二郎は、ちゃんと産んでくれなかった、はつえと、その時、側にいなかった大三郎の事も憎んでいた。二郎には特殊な能力があるみたいで、お腹の中から、ちゃんと、それを見ていたんだよ(゜゜)〃