裏の顔(3)
じゅん子は物凄い勢いで
しばらく走った。
すると、どこかの公園に
着いた。
※この公園は、三つ子の
忍者妖精の人達が、お芝
居の時に使うセットを持
って来てくれたものなん
だよ。
じゅん子は、『あれ…?
こんな所に公園なんか、
あったかなぁ…?』
と、思いながら、辺りに
誰も居ないかを確認して
ベンチに座り、あつしに
電話を入れた。
あつしは午前中の会議が
終わり、午後からは休み
を取って、真紀の家に向
かう途中だった。
《じゅん子》あ、あつし
大変!あの2人、生きて
るよ!
《市原》あの2人って?
《じゅん子》『青木かず
み』と『寺田栄子』よ!
《市原》はぁ?おまえ
何言ってんの?
栄子は、自殺したって、
新聞や、ニュースにもな
ったろ!(`´)〃
かずみだって確かに首絞
めて埋めたんだから、
生き返る訳ないだろが!
他人の空似だよ!
《じゅん子》でもでも、
栄子は、『お久しぶり』
って声かけてきたもん!
じゃあ、じゃあ、あれは
ゆ、幽霊っ!(。。)〃
《市原》な…何、馬鹿な
事言ってんだよ!幽霊な
んて居る訳ないだろが!
そんな、くだらない事で
電話してくんな(怒)
(¨)市原は、そう言っ
て電話を切った。
じゅん子は、青い顔で、
ベンチに座りながら、
ボーっとしていた。
すると両脇に、女性が座
り、『大丈夫ですか?』
と、声をかけてきた。
じゅん子は、うつろな顔
で、頭を上げ『大丈夫で
す』と言いながら、両脇
の女性達の顔を見た…。
『青木かずみ』と『寺田
栄子』だった…!
じゅん子は、『ギャー』
と叫んで立ち上がろうと
するが…まるで、ベンチ
に縛り付けられてるよう
に、動けない…(。。)
その間にも、両脇から、
ジリジリと、女達は近づ
いてくる…。
じゅん子は、あまりの
恐怖に、気を失ってしま
った。
《市原》じゅん子のヤツ
…今頃になって、おじ気
づいたのか…
真紀を殺ったら、
様子を見て、じゅん子も
殺った方がいいか
もな…(`´)〃
(¨)そんな事を思いな
がら歩いていると…
後ろから『市原君!』と
呼び止める男性がいた。
振り返ると、そこには…
階段から突き落として、
植物人間になってるはず
の『須田』部長が…
『やぁ、久しぶり!』と
言って、薄気味悪い笑み
を浮かべて立っていた。
《市原》ぶ、部長…
ど、どうしてここに(驚
《須田》びっくりしたか
い?市原君
残念ながら私は、奇跡的
に意識が戻ってしまった
んだよ。
意識が戻った事を、早く
君に伝えたくてね…
なにせ、あの時…君が私
を突き落としたんだから
ね…心配してるんじゃな
いかと思って…
今日は…無理矢理、外出
許可をもらって、君に会
いに来たって訳さ…。
《市原》な、何を言うん
ですか、部長!突き落と
しただなんて…!
そんな事、僕がする訳な
いじゃないですか!
《須田》ふっふっふっ…
往生際が悪いなぁ〜。
私はね…階段から転げ落
ちながら、見てしまった
んだよ…。
落ちていく私を、嬉しそ
うな顔で眺めている君の
悪魔のような顔をね…。
じゃあ、私は病院に戻ら
なければならないので…
これで、失礼するよ。
それじゃあまた会おう…
い・ち・は・ら・くん!
(¨)そう言って、須田
は、市原の肩に、ポンと
手をやり、ニヤリと笑い
スゥ〜っと、歩いて行っ
てしまった。
《市原》くっそー!
須田のヤツぅ!意識が戻
ってただなんて(`´)
ま、何度でも、殺
ってやるけどな!
待ってろ、須田!今度は
完全に息の根を止めてや
るよ(`∀´)ふふ
(¨)市原は、真紀に
『少し遅れる』と電話を
入れ、須田が入院してい
る病院へ、様子を見に行
った。
病院に着き、須田の病室
向かって歩いていると、
須田の妻の、洋子が声を
かけてきた。
《洋子》市原さん?市原
さんじゃないの?
《市原》あ、奥様…ご無
沙汰しております。
全然、お見舞いに来れな
くて申し訳ありません。
《洋子》いいの、いいの
せっかく、お見舞いに来
てくれても、主人は眠っ
たままで、何も話せない
んだから。
それに…市原さんだけよ
こんな風に、お見舞いに
来てくれるのは!
ありがとう…。顔だけで
も見ていってやって。
主人も喜ぶわ(⌒∇⌒)
(¨)市原は、意味が分
からずに、洋子に言われ
るがまま病室に入った。
そこには、ベットに横た
わる、須田が居た。
《市原》須田部長は…、
意識が、戻ったのでは
ないのですか?
《洋子》いいえ、そうだ
ったら嬉しいんですけど
ね…。
今は、私も諦めてますけ
ど…最初の頃は、何度も
何度も、お医者様に聞い
たもんです。
意識は、いつ戻るんです
か?いつになったら元の
主人に戻れるんですか?
…って。
その度に、お医者様に言
われたわ。
奇跡が起きない限り、
それは無理なんだって。
でもね…いつか、何事も
無かったように目を覚ま
すんじゃないか…って。
今日もね…仕事が午前中
休みだったから、ずっと
側に居たんですけど…
意識が無いはずなのに…
なぜか、私に笑いかけて
るように見えたのよ…。
今にも、洋子って呼ばれ
そうな気がしたわ…。
バカでしょ…そんなはず
ないのにね(><)〃
ホントは、ずっと主人の
側に居たいんですけど…
仕事があるから、中々、
一緒には居てあげられな
くて…寂しい思いをさせ
てるんですよ…。
でも本当に…バカですよ
ね。酔っ払って階段から
落ちちゃうなんて(泣)
あ、市原さん、ごめんな
さい(><)私、これか
ら、仕事なの。
申し訳ないけど、これで
失礼するわね。あなた、
また明日、来るわね…。
《市原》あ、僕も仕事の
途中なんで、一緒に出ま
す。須田部長、また顔、
出しますので、頑張って
下さいね!
(¨)洋子と市原は、
須田の耳元で、そう言っ
て、一緒に病室を出て、
病院の前で別れた。
《市原》いったい、どう
ゆう事だ?
確かに…須田は病室の
ベットに意識の無いまま
横たわっていた。
洋子も、今日は朝から付
き添っていたみたいだし
じゃあ、俺に話しかけて
きた、あの男は、一体…
いったい、誰なんだ?
(¨)市原は何がなんだ
か分からずに、歩くのを
やめて、真紀の家には車
で行こうと思い、手を挙
げて、タクシーを止めた
ドアが開き、市原が乗り
込もうとすると、奥の方
に女性が座っていた。
《市原》なんだよ(怒)
客が乗ってるのに、なん
で空車にしとくんだよ!
ってゆーか、なんで止ま
るんだよ(`´)〃
《運転手》え?お客さん
冗談やめて下さいよぉ〜
もぉ〜、怖いじゃないで
すかぁ〜!誰もいません
よ!早く乗って下さい!
《市原》え?だって…
(¨)その女は市原だけ
にしか見えていなかった
うつむいている為、髪が
邪魔して、顔がよく見え
ない。すると、その女は
うつむいている顔をあげ
静かに…市原の方を見た
市原は、凍りついた。
その女は、首を絞めて殺
害し山奥に埋めたはずの
『青木かずみ』だった。
市原は、『ギャー!』と
叫び、腰が抜けそうにな
りながら走って逃げた。
ここで、ちょっと、ネタ
バラシしとくね(><)
タクシーの運転手と須田
役は、三つ子の忍者妖精
の、ワン君で…
『青木かずみ』役は、
タン君なんだ。
そして『寺田栄子』役は
メン君が、やっているん
だよ(><)真紀もね。
あれ?市原は、どうした
かな?ん、青い顔して、
フラフラと歩きながら、
じゅん子に電話をかけて
るよ。
じゅん子は、気絶してい
たが、あつしからの電話
で、目が覚めた。
《市原》じ、じゅん子!
い、今、俺も見た!
『青木かずみ』を見たよ
おまえの言う通り、息を
吹き返して生きてるのか
もな…!
《じゅん子》そぅ……
あつしも見たんだ…。
でもね、あれは…生きて
るんじゃない!幽霊よ!
あたし達に復讐しに来た
んだわ(゜゜)))))
ねぇ、今から会えないか
な?なんか、あたし…
怖いよ…。
《市原》あ、ああ…、
そうだな…じゃあ、俺の
部屋に、来るか?
《じゅん子》ぇえ、今か
らすぐ行くわ!
(¨)すると、じゅん子
の声と重なり…
『わ…たしも…はやく…
会…いたい…』と『青木
かずみ』の声が聞こえて
きた。
市原は、『ワァー!』と
言って携帯を投げ捨てた
あれ?『青木かずみ』役
の、タン君は高速カーの
中に居るよね?
え?じゃあ、この声は誰
なんだ?すると、ミキが
《ミキ》本物の、かずみ
さんの声よ。深く暗い土
の中に埋めらめて、苦し
んでいたから、魂だけ、
私が連れて来たの。
今のは、かずみさんの、
ささやかな復讐です…。
かずみさんはね…もちろ
ん怨みもあるけど…
それよりも…早く、この
深くて暗い…土の中から
見つけ出してもらって、
その苦しみから開放され
て楽になって…成仏した
いんですって。
(¨)そうだったんだ!
ん、かずみさん、わかっ
たよ!もう…ちょっと待
っててね。
そうだよね…現行犯で捕
まえなきゃならないんだ
から、驚かせてばかりい
ても、駄目なんだよね。
僕達は、しばらく、ほっ
とく事にした。
市原は、投げ捨てた携帯
を拾い耳に当ててみた。
電話の向こうでは、じゅ
ん子が…『あつし!どう
したの?ねぇ、大丈夫?
あつし!』と叫んでた。
《市原》ぁあ…大丈夫。
悪いけど…俺、これから
真紀の家に戻るよ…。
《じゅん子》じゃ、じゃ
あ、あたしも、真紀んち
に行くわ!
《市原》ぁあ…好きにし
ろ!でも、余計な事は言
うなよ!バレたら何もか
も、おしまいだからな!
(¨)よし、動き出した
よ。僕たちは、真紀の家
に戻り、2人が来るのを
作戦を練りながら待った
《ロコモコ》さあ、また
また、メン君の出番よ!
真紀ちゃんに成り切るの
よ!落ち着いてね!
(¨)しばらくすると、
市原が、戻って来た。
《市原》ごめん、ごめん
会議が長引いちゃって。
かわいそうに…心細かっ
たでしょ。
《真紀役☆メン君》
ええ…とても、心細かっ
たわ。ねぇ…市原君、
お願いがあるの…。
今日これから、お父様と
お母様が車で落ちたって
ゆう場所に連れて行って
もらいたいの…。
《市原》え?どうして?
(¨)そう言いながら、
市原は心の中で『やった
ぁ(`∀´)〃』と喜ん
でいた。
《真紀役☆メン君》
2人とも即死だったって
ゆうから、亡くなった事
に気付かずに、お父様と
お母様の魂は、その落ち
た崖に、さ迷ってるんじ
ゃないかと思って。
だから…手を合わせに行
きたいの…。
バカバカしいと思うかも
知れないけど…。
それに、お父様と、お母
様は市原君の事、大好き
だったし…一緒に行って
くれる?
《市原》もちろん、一緒
に行くよ!バカバカしい
だなんて思わないよ!
(¨)そこへ、じゅん子
が、やって来た。
じゅん子は、高校時代か
ら、岡田家には出入りし
ているので…すんなり、
入れるんだ。
ま、その時は特別に、す
んなり入れるようにした
んだけどね。
《真紀役☆メン君》
じゅん子…どうしたの?
こんな時間に?会社は?
《じゅん子》あ、ぅうん
今日、用事があって、昼
から休みをとったの。
思ったより、用事が早く
終わったし、真紀んちも
近かったから寄ってみよ
うと思って。
《真紀役☆メン君》
でも…よく、私が会社じ
ゃなくて、家に居るって
分かったわね?
《じゅん子》そ…それは
《市原》ままま、そんな
細かい事は、いいじゃな
いか(焦っ)
せっかく、じゅん子さん
が、わざわざ来てくれた
んだから(焦っ)
それに、じゅん子さんは
真紀ちゃんの親友なんだ
し、ご両親の事、話しと
いた方がいいよ!
あ、そうだ!今日、じゅ
ん子さんにも、一緒に行
ってもらったら、どうだ
ろ?
《じゅん子》え…?何か
あったんですか?
《市原》ええ、実は夕べ
真紀ちゃんの、ご両親が
車の、ブレーキが利かず
に…崖から、車ごと落ち
て、亡くなったんです。
それで、真紀ちゃんが、
その落ちた場所に、手を
合わせに行きたいと言っ
てるんですよ。
《じゅん子》ええっ(驚
おじ様と、おば様が亡く
なったですって(゜゜)
真紀、どうして、知らせ
てくれなかったの?
《真紀役☆メン君》
あら?知らなかったの?
てっきり、じゅん子には
市原君が知らせてくれて
るもんだとばかり思って
たわ…。
《市原》な、なんで…、
僕が、じゅん子さんに知
らせなきゃならないのさ
《真紀役☆メン君》
ぅうん…別に意味は無い
わ…。何となく、そう思
っただけ…。
《市原》…じゃ、じゃあ
どうやって行こうか(焦
《真紀役☆メン君》
行くのは、執事の野口に
車を出してもらうから
大丈夫よ。
あんまり暗くなると、
あそこら辺は、あぶない
から、明るいうちに行き
ましょう。
私、野口に言ってくるわ
(¨)そういって、真紀
は、部屋を出て、わざと
2人だけにした。
部屋に残った2人は、
僕達が居るのも気付かず
に、話し始めた。
《じゅん子》真紀の、あ
の態度…絶対、何か知っ
てるわ(`´)
どうする?今日殺
っちゃう?
《市原》いや、今日は、
ダメだ。執事の野口も
一緒だし、多分…まだ、
警察も、うろちょろして
るだろうし。
今日は場所だけ確認して
殺るのは明日だ!
(¨)タイミングを見計
らって、真紀役の、メン
君が部屋に入った。
《真紀役☆メン君》
ごめんね…お待たせしち
ゃって。
今、お花を用意してもら
ってるから、あと、
10分くらい待ってね。
お花が用意出来たら、
すぐ出掛けるけど、じゅ
ん子も市原君も大丈夫?
《市原》もちろんだよ!
《じゅん子》あたしも、
大丈夫よ!早く、おじ様
と、おば様に手を合わせ
たいわ。
(¨)執事の野口さん役
は、忍者妖精のワン君に
頼もうと思ってたんだけ
ど…
野口さんが『いえ!私も
何か、お役にたちたいの
です!私に運転させて下
さい!』と言って、危険
もかえりみずに申し出て
くれたので頼んだんだ。
ちょっと、余談だけど、
執事の野口さんや、召し
使いの方々は、僕達が、
妖精だと分かっても何ひ
とつ態度が変わらずに、
接してくれるんだ。
驚いたり怖がるどころか
召し使いの、リーダー的
存在の『トキ』さんは
『昔…自分の部屋にも壁
に住み着いてた妖精が居
た』と教えてくれたよ。
なんか、嬉しかったよ♪
だからね…この人達は、
ミキパワーが無くても、
僕達の事が見えるみたい
なんだ(⌒。⌒)〃
あ、そう言ってる間に、
花の用意が出来たみたい
だね。
3人は、野口の運転する
車で…その、落ちたとゆ
う崖に向かった。
※その崖は、僕らが勝手
に選んだ場所だけどね。
もちろん、その場所には
すでに何人もの警官達が
隠れて準備をしているよ
しばらく走り、その場所
に着いた。
《野口》お嬢様、着きま
した。ここが、旦那様と
奥様が落ちた場所でござ
います。
あ、お嬢様…私、この先
の、お宅に旦那様と奥様
が亡くなった事を、お知
らせに行かなければなり
ません。
《真紀役☆メン君》
ぁあ、夕べ、お邪魔して
た…お宅ね? 時間は、
どの位かかるのかしら?
《野口》行って帰って来
ますと、20分位でしょ
うか…。
《真紀役☆メン君》
私は大丈夫ですけど…
市原君と、じゅん子は
大丈夫?
《市原》僕は全然、大丈
夫だよ…まだ明るいし。
《じゅん子》私も大丈夫
です。
《野口》それでは…ご迷
惑を、おかけしますが、
宜しく、お願い致します
なるべく早く戻れるよう
に急いで行って参ります
ので。
(¨)そう言って、野口
は、走り去った。
真紀は、両親が好きだっ
た赤いバラを、落ちたと
ゆう場所に、そっと置き
手を合わせた。
市原と、じゅん子も、
手を合わせた。
《市原・心の声》
なぁ〜んだ!警察とか
居ねぇじゃん。
今日、殺ってもい
いかもな。あ、野口が戻
って来るから無理かぁ…
(¨)市原は、手を合わ
せながら、真紀の殺害を
考えていた。
しばらく手を合わせた後
真紀が話し始めた。
《真紀役☆メン君》
ありがとう、市原君、
じゅん子…。
お父様も、お母様も天国
で、喜んでると思うわ。
でもね…私は、てっきり
ここら辺は夜になると
真っ暗になるし、それで
ハンドルを、きり誤って
落ちた…って思ってたの
警察の人も、そう言って
たし…。
それなのに、さっき…
じゅん子に説明する時、
市原君は、ブレーキが効
かずに崖から落ちた…
って言ったわよね?
私、事故死としか言わな
かったと思うんだけど。
どうしてそう思ったの?
もしかして…市原君が、
ブレーキオイルを抜いた
とか…?
《市原》な、何を言うん
だよ!僕が、そんな事す
る訳ないじゃないか!
なんとなく、そう思った
だけだよ(焦っ)
《真紀役☆メン君》
どうして、そんなにムキ
になるの…冗談に決まっ
てるじゃない…。
そういえば、昨日…お父
様に、籍を入れたと報告
した時…喜んでくれると
思ったら、物凄く怒られ
たの。
市原君と、じゅん子が、
どうのこうの…って言っ
てたわ…。
帰ってから、ちゃんと話
すって言ってたのに…
話しを聞く前に亡くなっ
ちゃうなんて…。
お父様は…市原君と、じ
ゅん子の、いったい何を
言いたかったのかしら?
あ、そういえば、じゅん
子、東条君ってゆう男子
覚えてる?
《じゅん子》え、ええ…
知ってるわ…。
真紀の机に、死ねとか書
いて、いじめてた男子で
しょ…。
《真紀役☆メン君》
その東条君から、午前中
電話があったの。
大事な話しがあるから、
今日の夜、会いたいって
言ってたわ。
《じゅん子》えっ!(驚
そ、それで、真紀は東条
に会うの?
《真紀役☆メン君》
ええ、7時半に東条君に
自宅の方に来てもらうよ
うに、お願いしたの。
《市原》な、何を言って
るんだ!岡田夫妻が亡く
なったばかりなのに…
不謹慎じゃないか!
そんなの断りなよ(怒)
《真紀役☆メン君》
ええ…でも、東条君も、
市原君と、じゅん子の事
で話がある…って言って
たの。
だから、お父様が話した
かった事と同じなんじゃ
ないか…と思って。
(¨)真紀は…わざと、
崖の方を向いたまま、
話しをした。
後ろにいる、じゅん子と
市原は、顔を見合わせ、
回りに誰も居ない事を確
かめて、真紀の後ろに
近づき…
《じゅん子》真紀…
東条になんか会わなくて
も、あたしが教えてあげ
るわ!
(¨)真紀が、『え?』
と、振り向いた時、
じゅん子が、うわ目使い
の怖い顔で真紀を、ぐっ
と、にらみつけ…
『死ね!』と言って真紀
の両肩を、ドンっ!と押
した。
真紀は『ギャー!』と
悲鳴をあげ崖から落ちた
《じゅん子》フン!
ばぁ〜か!おとなしくし
てれば、もう少し長く生
きられたのに(`´)〃
両親と同じ場所で死ねて
よかったねぇ〜(笑)
(¨)うん、真紀役の…
メン君は、羽は無いけど
宙に浮く事も出来るし、
飛ぶ事も出来るから、
崖から落とされても、
全然…平気なんだよ。
それに、メン君の身体は
スッポリと、透明の
『吸収ベール』とゆうの
に覆われているんだ。
この『吸収ベール』は、
妖精界で、スタントを
やる時に使う物なんだ。
だから、血ノリも含まれ
ていて、転んだり、ナイ
フで刺されたりすると、
リアルな感じで、血が滲
んだり噴き出したりする
んだよ!
ここからは、ちょっと、
えぐい場面とか出てくる
けど、いくら蹴られよう
が、ナイフで刺されよう
が、見た目すごい事に、
なっちゃうけど…
全部、血のりだし、実際
は吸収ベールが、ナイフ
の刃も衝撃も全部、吸収
してくれるから全然、
大丈夫なんだよ(><)
さぁ、これから、メン君
打ち合わせ通りに…今、
崖から、はい上がってく
るよ。お、来た来た。
《真紀役☆メン君》
じゅ…ん…子…、ど…う
して…?ど…うして…?
(¨)真紀は、指先を血
だらけにして、崖をよじ
登ってきた。
じゅん子は、驚きながら
も、怖い顔で真紀を見下
ろしながら…
《じゅん子》どうしてだ
って?目障りだからに
決まってんじゃん!
なんでもかんでも、思い
通りになると思ったら
大間違いなんだよっ!
このバカ女、早く落ちな
さいよ!あたしの前から
消えなさいよっ!
往生際が悪いわね!
ほらぁ〜、早く落ちて死
んじゃえよっ!バカ女!
(¨)と言って、市原と
じゅん子は、ニヤニヤし
ながら、真紀の指を、
踏み付けたり、顔を、思
いっきり蹴ったりした。
いくら、踏み付けても、
落ちない真紀を見て、
市原は、だんだんと怖く
なり、後ろに尻もちをつ
いてしまった。
《市原》な、何んなんだ
こいつ!どうして落ちな
いんだ?
(¨)真紀は、じっと、
2人を見つめ崖から、は
い上がろうとしていた。
すると、じゅん子は用意
してあった、ナイフを取
り出し…
『死ね!死ね!死ね!』
と叫び、真紀の指や肩や
頭や顔を刺しまくった。
真紀は顔中…血だらけに
なりながら、崖からはい
上がった。
じゅん子も尻餅をつきな
がら、後ずさりをしてい
た。
真紀は2人に、ジリジリ
と近づき、低い声で笑み
を浮かべながら、こう言
った。
《真紀役☆メン君》
私を殺せなくて、残念だ
ったわね…。
市原君…悪いけど…籍は
入れてないの。
だから、もし…私が死ん
でも、会社は、あなたの
物にはならないのよ…。
(¨)すると、じゅん子
は、ナイフを振りかざし
『わぁー!』と叫んで、
真紀に襲いかかった。
真紀は、そのナイフを、
素手で掴み…じゅん子を
グッと睨みつけ…
《真紀役☆メン君》
じゅん子、あなたも…
往生際が悪いわね…ふっ
あなた達の悪だくみは、
全て、お見通しなのよ!
さぁ、みんな、もう出て
きてもいーわよ!
現行犯で、この2人捕ま
えちゃって下さい!
(¨)すると横の草むら
から警官たちが出て来て
『市原あつし、田口じゅ
ん子、現行犯で逮捕する
っ!』と言って、2人に
手錠をかけた。
その、どさくさに紛れて
高速カーも姿を現し、中
から、岡田夫妻、ミキ、
マキ、ロコモコ、僕、
そして…忍者妖精の残り
の2人は『寺田栄子』と
『青木かずみ』の姿で降
りて来た。
それを見た市原は、ブル
ブルと震えながら、
『ぉお、俺は関係ないん
だ!た、助けてくれ!
ややや、やったのは、
全部、ぜんぶ、じゅん子
なんだ!俺は、無実なん
だぁー!』と狂ったよう
に叫びながら、暴れた。
それを聞いた、じゅん子
は『この最低野郎!』と
言って、市原に唾を吐き
かけた。
暴れる2人は、警察官に
押さえつけられながら、
各々…パトカーに乗せら
れて連れていかれた。
執事の野口は、すぐ先の
角を曲がった所に車を停
めて待っていた。
じゅん子と市原が乗った
パトカーが通り過ぎるの
を見て、野口は、ホッと
した顔で戻って来たが…
血だらけになった真紀を
見て…
《野口》ギャー(゜゜)
お、お嬢様ぁぁーーっ!
ななななんて、お姿に!
(¨)いやいやいやいや
野口さん、この真紀ちゃ
んは、本物じゃないです
から!!本物は、ほら、
すぐ後ろにいますよ!
あららら…野口、泣いち
ゃったよ(Τ。Τ)〃
真紀役のメン君は、元の
姿に戻り、本物の真紀は
野口の肩に手をやり…
《真紀》野口…ありがと
私の事を、こんなに心配
してくれて(;。;)
(¨)野口は本物の真紀
を見て、やっと落ち着き
涙と鼻水で、ドロドロに
なった顔で真紀に近づこ
うとしたが…
あまりにも鼻水が垂れ下
がっていたため、真紀は
ポケットティッシュを差
し出しながら何気に野口
から離れた(‐‐;)…
にしても、よかった…
よかった(⌒。⌒)
そして…僕たちは、岡田
の家に戻った。
高速カーを降りて、岡田
の家の中にある、レスト
ランに通された。
普通に話してるけど、
すごいよね…家の中に、
レストランがあるんだよ
そこには、僕たちのため
にと岡田が、シェフ達に
頼んでくれてたみたいで
和洋中関係なく、牛ステ
ーキやら、お寿司やら、
鯛の尾頭付きやら…フカ
ヒレやら、ありとあらゆ
る豪華な食事が、ズラー
っと並んでいた。
わぉ!(゜゜)すごい!
もちろん、ミキの父親の
笹木本部長(警視監)や
小野寺、東条も会社帰り
に集まったよ。
僕たちは無事に、お芝居
を、やりきった充実感と
市原と、じゅん子が捕ま
った安堵感はあったが…
なぜだか、虚しかった。
2人の裏の本当の顔を、
目の当たりにしてしまっ
たからだ…(><)
カチャカチャと食事をと
る、ナイフと、フォーク
の音だけが響いていた。
食事が終わると、ロコモ
コちゃんが話し始めた。
《ロコモコ》え〜今日は
みなさん、お疲れ様でし
た。特に、三つ子の忍者
妖精の皆さん、ご協力頂
いて本当に、ありがとう
ございました。
みなさんの、お陰で無事
事件も解決致しました。
今回は、真紀さんにとっ
ては、辛かったかもしれ
ませんが…、
ま、そこはね…誤解が解
けた東条さんに、ホロー
して頂くとゆう事でね!
(⌒。⌒)ウフッ☆
(¨)あららら…真紀と
東条、顔赤らめて下向い
ちゃったよ(>。<)
ぁあ〜、よかったぁ〜
ロコモコちゃんの、お陰
で、雰囲気なごんだよ♪
そこからは、市原と、じ
ゅん子の事には触れずに
妖精界の事や、シュガー
の話しで盛り上がった。
その日はね、執事の野口
や、召し使いさん達も、
横の別テーブルで、一緒
に食事してたんだ。
嫌な事件だったけど最後
は、みんな笑顔で別れた
よ(⌒∇⌒)
ロコモコちゃんや、マキ
ちゃん、忍者妖精達は、
ライブの、リハーサルや
スタントの練習をしなき
ゃいけないとゆう事で、
その日のうちに帰って行
ったよ。
捕まった、じゅん子と
市原は、観念したらしく
全てを自供したそうだ。
次の日、青木かずみは、
深く暗い土の中から無事
掘り出されたよ。
これで、やっと成仏でき
るね!かずみさん、よか
ったね(⌒。⌒)b
そうそう、あれからね、
こんな事もあったんだ。
ミキがね『寺田栄子』の
家と、須田が入院してい
る病院に行きたい…って
言うんで、僕と小野寺と
ミキの、3人で行ってき
たんだ。
小野寺の仕事の終わる
時間に合わせて、待ち合
わせをして、まずは…
『寺田栄子』の家に、
お邪魔したよ。
栄子の弟は、東京で就職
したらしく、お母さんが
1人で暮らしていた。
僕たちは、仏壇に手を合
わせた…。
僕らが、顔をあげると…
ミキは、まだ手を合わせ
中森明菜のように…聞こ
えるか聞こえないような
小さな声で口を動かし、
何か、ブツブツ言ってい
た。
すると電気が、バチバチ
と音をたてて、点いたり
消えたりした(゜゜)〃
そして、パァーっと、
青白い光りに包まれて、
『栄子』が現れた。
栄子の母親は驚きながら
でも、嬉しそうな顔で、
『栄ちゃん!』と、泣き
ながら抱き着いた。
すり抜ける事もなく、ち
ゃんと抱き合ってたよ。
『幽見キャンディ』なん
か舐めなくても…
ミキパワーだけで、十分
なんだね…またまた今日
は、ミキの力を思い知ら
されたよ(゜゜)〃
《栄子》お母さん…勝手
に先に、死んじゃって、
ごめんなさいね(;;)
《母親》そうだよ!本当
に、親不孝者だよ!
お母さんは、栄ちゃんの
花嫁姿を見るのが楽しみ
だったのに…(;。;)
《栄子》お…母さ…ん…
ほんとに…本当に、ごめ
んね。親不孝しちゃって
ごめんなさい…ね。
(¨)しばらく抱き合っ
た後…栄子は、静かに
ミキの方を向き…
《栄子》ミキ様ですね?
今日は、わざわざ、あり
がとうございます。
私たちの世界で、あなた
は、カリスマ的な存在な
んです。ミキ様に、お願
いすれば成仏できるって
でも、私は…自ら命を絶
ってしまったため、この
場所から動けずにいたの
です。
ですから、どうやって、
ミキ様と、コンタクトを
とったらいいのか分から
なかったのですが…
まさか、ミキ様の方から
来て頂けるなんて、
とても有り難いです。
本当に、ありがとうござ
います。
《ミキ》どういたしまし
て。あなたの声は、ちゃ
んと、届いてましたよ。
それに、この事件に関わ
ったのも何かの縁です。
あ、来ました!
(¨)え?一体、誰が来
たんだろね?…すると、
ピンポ〜ン♪と、玄関の
チャイムが鳴った。
栄子の弟の洋二だった。
なんかね、こっちに出張
で来たらしいよ。
にしても…ミキが、カリ
スマ的存在って…(汗)
ミキの能力って、なんか
…計り知れないよね。
あ、洋二が家の中に入っ
て来たよ。
《洋二》ただいまぁ〜!
って…ぇえ゛ーーーっ!
おおおお、お姉ちゃん!
なななな、なんでぇっ!
ぇえ゛ーーっ!うっそー!
(¨)洋二は、驚きのあ
まり、尻餅をついてしま
った。ん…想像した通り
の、リアクションだね。
そりゃ、そーだよね、
亡くなったはずの姉が、
目の前に居るんだもんね
驚くのも無理ないよね。
すると…ミキは、まるで
洋二が来る事を知ってい
たかのように、ニッコリ
と微笑んで、洋二を手招
きした。
洋二は、催眠術にでも
かかったように、静かに
手招きされるがままに
ミキの前に正座した…。
ミキは、水晶の数珠を
洋二の額に当てた。
しばらくすると青白い光
に包まれて、洋二の恋人
だった『青木かずみ』の
姿が、スゥ〜っと現れた
洋二は、一瞬…訳が分か
らなかった。
『青木かずみ』の遺体は
つい先日…白骨化して見
つかったが、それまでは
ただの行方不明とゆう事
になっていたからだ。
洋二は、遺体が見つかっ
た事をまだ知らなかった
ので…かずみは、いつか
ふら〜っと戻って来ると
信じて待っていたんだ。
でも…亡くなったはずの
姉がいて、青白く光る
かずみがいる。洋二は、
この状況を見て、かずみ
はもう、この世には、い
ないとゆう事を悟った。
洋二は、何も言わずに、
かずみを抱きしめた。
隣で、姉の栄子が『いや
いやいやいや、私には、
来ないのかいっ!』とゆ
う、リアクションをして
いたよ(><)ゞ
かずみは、洋二に抱きし
められた途端…無念の思
いは、スゥ〜っと無くな
り穏やかな顔になった。
……………
ん、そろそろ離れよっか
すると、ミキは…んんん
と咳ばらいをしながら話
し始めた。
《ミキ》みなさん、それ
ぞれ思いがあり、離れが
たいかとは思いますが…
『栄子』さん『かずみ』
さんは今日、成仏して、
ひと足先に、天国へ逝き
ます。そして…お母様と
洋二さんが寿命を全うし
て天国へ逝った時、また
会う事が出来ますからね
それでは、そろそろ…
あ、ごめんなさい(焦)
ちょっと待って下さいね
もうすぐ、かずみさんの
ご両親も見えますので。
(¨)すると、またまた
ピンポ〜ン♪と、玄関の
チャイムが鳴った。
どうやら、ミキは事前に
1人で、青木の家に行っ
て今日、来るようにと頼
んであったらしい…。
玄関には、ミキと、かず
みが出迎えに行った。
青木の両親は、ドアを開
けた瞬間…気絶してしま
った。
はいはいはい、そーだね
ま、そーなるよね(¨)
つい先日、遺体で見つか
ったはずの娘が目の前に
現れたんだからね。ん。
みんなは、青木の両親を
抱え上げ居間に横になら
せ、うちわで扇いだ。
また気絶されては困るの
で、栄子と、かずみには
キッチンの方で待機して
もらった。
かずみは、洋二と付き合
っていたので、寺田家に
は、しょっちゅう遊びに
来ていたので、姉の栄子
とも仲が良かったんだ。
あ、かずみの両親が目を
覚ましたよ(¨;)
《ミキ》青木さん…大丈
夫ですか?青木さんっ!
さっきは、驚かせてしま
って申し訳ありません。
(¨)青木夫妻は、ゆっ
くりと起き上がり、辺り
を、キョロキョロと見回
した。かずみを探してる
んだろね(><)〃
《青木母親》あ、あの…
さっき、かずみが…かず
みが、居たんです!
ね、あなた!さっき、
かずみが居たわよねっ!
《青木父親》あ…ああ、
た、確かに…かずみが見
えました。わ、私たちの
錯覚でしょうか(゜゜)
《ミキ》いぃえ、錯覚な
んかじゃありません。
今日、この家の娘さんの
栄子さんと一緒に成仏し
て天国へ旅立つために…
娘さんの魂は今ここに来
ているのです。
その前に、ご両親と、か
ずみさんを会わせたかっ
たので、こちらへ来て頂
いたのです。
また、気絶されては困る
と思い…今、キッチンの
方に行ってもらってます
(¨)すると、青木夫妻
は、バッと立ち上がり、
キッチンへ向かった。
台所にある、テーブルで
かずみと栄子は、お茶を
飲んで、せんべいを食べ
ながら昔の話しで盛り上
がっていた。
そこへ、青木夫妻が、い
きなり入ってきたので、
かずみは、ブッ!…っと
栄子に向かって、お茶と
せんべいのカスを噴き出
してしまった。
栄子は、『もぉ〜!』と
ブツブツ言いながら、
フキンで、腕にかかった
せんべいのカスを拭き取
り、テーブルの上も、キ
レイにした(‐″‐)
《かずみ》お、お母さん
お父さん!(;。;)
《両親》かずみぃー!
(¨)と言って、ガッツ
リ抱き合った。
ん、ドラマのワンシーン
みたいだね(¨;)
《ミキ》すいません、
みなさん、そろそろ…
居間の方に戻って頂けま
すか?
(¨)ミキの言われるが
まま、全員…居間に揃い
栄子と、かずみの2人を
真ん中にして、後は回り
を囲むようにして座った
《ミキ》それでは、栄子
さん、かずみさん、心の
準備は宜しいですか?
《栄子・かずみ》はい、
宜しく…お願いします。
《栄子》お母さん…洋二
これからは、2人の事、
お空の上から見守ってる
からね。
《母親》ぇえ、ぇえ…、
お母さんも、しばらくし
たら、栄ちゃんの所に行
くから、待っててよ!
《栄子》うん…待ってる
それじゃあね、お母さん
洋二…寿命が来る、その
日まで元気に生きてね☆
(¨)母親は栄子の手を
握りしめ、洋二も横で、
うんうんと、うなずいて
いた。
《かずみ》お母さん、
お父さん、元気でね。
あの世で待ってるからね
洋二君も元気で(;;)
あ、でも、洋二君の場合
は…早く、かずみの事は
忘れて、ちゃんと彼女作
ってね(⌒。⌒)〃
洋二君が家庭を持って
幸せになってくれるのが
かずみの、1番の幸せな
んだからね(⌒。 ̄)☆
(¨)かずみの両親や、
洋二は涙をボロボロ流し
ながら、うんうん…と、
うなづいていた(;;)
《ミキ》それでは、いき
ますよ…。
《栄子・かずみ》はい、
宜しく、お願いします。
(¨)ミキは数珠を手に
取り…なんだろ?お経と
は違う何か…呪文のよう
な言葉を聞こえるか聞こ
えないような小さな声で
口を、モゴモゴしながら
唱え始めたよ。
ん…やっぱり、何回見て
も、友近が中森明菜の、
モノマネをする時のよう
な感じにしか見えないん
だけど…(¨;)ん…。
え゛!?…うわうわうわ!
部屋中が、パァーっと、
光り輝いたと思ったら、
いっきなり、部屋の中に
透けた、白い階段が現れ
たよ(゜゜)うわぁ〜!
階段の両端には、何の花
だろ?キレイな花たちが
ズラーっと咲いてるよ。
そして、7段目の先には
天国の入り口なのかな?
花に包まれた…とゆーか
花だらけのドアがあった
ん、見た感じ…開けにく
いんだろうなぁ…って、
全員、思ったと思うよ。
にしても…キラキラして
きれいな階段だなぁ〜☆
なんか…メルヘンだなぁ
゜。(´〜`)ほぇ〜゜
僕も昇ってみたいなぁ〜
《ミキ》それでは、栄子
さん、かずみさん、あの
ドアの向こうが天国です
ドアの向こうには、こち
らにいる小野寺君の叔母
さまの、さちこさんが、
待っていてくれますから
分からない事があったら
何でも、さちこさんに聞
いて下さいね(⌒∇⌒)
それでは、栄子さん、か
ずみさん、お逝きなさい
(¨)お逝きなさい…だ
って…ミキは、やっぱり
何か、神様的な人の生ま
れ変わりなのかなぁ?
そして、栄子と、かずみ
が階段を昇り始めようと
した時…どこからともな
く、ド演歌が流れ始めた
みんなも、え?とゆうよ
うな顔で、ざわざわと
し始めた。にしても、
どこから流れてんだろ?
ん?…どうやら、ドアの
向こうから聴こえてくる
みたいだよ。たぶん…
さちこが、盛り上げよう
と気を利かして音楽を流
してくれてるんだ…と思
うけどさ…(;¨)
でもさ…なんで、なんで
『兄弟船』なのさっ!
ままま、鳥羽一郎さんの
声は、迫力あって素晴ら
しいと思うよ!思うけど
今の、この状況とゆうか
雰囲気には、ちょっと、
合わないよね(¨;)
せっかく、花に囲まれた
キラキラした白い階段で
なんとなく、メルヘンチ
ックな感じで天国へ逝こ
うとしてたのにぃ〜、
もぉ、さちこったらぁ!
だから僕…もっと静かな
きれいな曲に換えてもら
おうと思って、カーテン
を開けて『UFOだ!』
と叫んで、みんなの視線
を窓の外に向いてる間に
ドアの所まで飛んでいっ
て、ドアの向こうにいる
さちこに、この状況に
ふさわしい曲に換えてく
れるように頼んだんだ。
さちこは、オッケー!と
快く了解してくれたよ。
窓を見ていた、みんなは
『UFOなんて、飛んで
ないよ』と言いながら、
階段の所に戻って来た。
仕切直して、栄子と、
かずみが、階段を昇り始
めようとした時、今度は
民謡が流れ出した(¨)
もぉ〜さちこったらぁ!
すると、かずみが、コロ
コロで部屋を掃除し始め
た…じゃなくて(焦っ)
コロコロと、こぶしを…
きかせて、めっちゃ通る
声で民謡を歌い始めた。
そして、気持ち良さそう
に階段を、ゆっくりと
昇っていった(⌒∇⌒)
栄子も、かずみの歌に合
わせて、手拍子をしなが
ら、昇っていった。
かずみの両親に聞いたら
かずみは、小さい頃から
民謡を習っていたらしく
民謡の、のど自慢大会で
は、何回も優勝した事が
あるんだって(¨;)
さちこは、ちゃんと分か
ってたんだね…さすが!
そして、2人は、最後の
7段目の所で止まり…
『さよなら』と手を振り
ドアを開けようとしたら
案の定…花が邪魔して、
ドアノブが、どこにある
のか見つからず、アタフ
タしていた。(><)〃
すると…中にいる、さち
こが、これまた気を利か
してくれて、カチャっと
ドアを少し開けてくれた
2人は『あ、ありがとう
ございます』と言って、
焦っていたのか、こちら
を振り向きもせずに、
とっとと、ドアの向こう
へ逝ってしまった。
そして最後に、さちこが
ヒョイと、顔を出し、
ニヤリとして、Vサイン
をして、ドアを閉めた。
その途端…ドアも階段も
スっと消えてしまった。
なんか…あっけない感じ
で…残された、みんなは
ボ〜ゼンとしていた。
なんか…手持ちぶさたな
感じで、かずみの両親は
《両親》今日は本当に、
かずみの為に、どうもあ
りがとうございました。
今までは、毎日…かずみ
は、どこで何をしている
んたろう…無事で生きて
いるんだろうか…って、
寝ても覚めても、心配で
心配で、心休まる日が無
かったんです。
そして、先日…遺体で見
つかり、亡くなってるっ
て、分かってからは、
今度は、かずみの魂は、
ちゃんと成仏して天国へ
逝けてるのだろうか?
もしかして、成仏出来な
いで、さ迷っているんじ
ゃないか…って、もぉ〜
心配で心配で。
でも今日…こうやって、
かずみが成仏して天国へ
逝くのを見届ける事が出
来て…私たちも、これで
やっと安心して眠る事が
出来ます…。
本当に、ありがとうござ
いました。じゃあ、私達
は、これで失礼致します
(¨)と言って、かずみ
の両親達は帰っていった
栄子の、お母さんも弟の
洋二も、多分…早く2人
になりたいんだろなと思
い僕達は帰る事にした。
挨拶をして、玄関を出た
途端…ミキは気絶したの
かな?いきなり、小野寺
の腕に倒れかかってしま
った。
きっとさ…もっのすごい
エネルギーを使ったんだ
ろうね。みんなの前では
気を使わせないようにっ
て、気を張って、今にも
倒れそうなのを我慢して
たんだね…(¨;)
すると、ミキの、お腹が
結構…大きな音で、
キュルキュルキュル〜!
っと…まるで、ふくらま
せた風船が、しぼむ時の
音みたいに鳴った(¨)
ミキは手で、お腹を押さ
え…白目をむきながら…
《ミキ》お、おな…か…
す…い…た…(××)〃
エルカちゃん、小野寺君
私をスキーに…じゃない
回転寿司に連れてって…
お腹と背中が、くっつき
そう…こ、このままだと
骨と皮だけになってしま
うわ(×。×)〃
(¨)骨と皮って(汗)
そっか…ミキ、腹ぺこり
んだったんだね(¨;)
エネルギー使い果たして
このまま、目を覚まさな
いんじゃないか…って、
心配しちゃった(ΤΤ)
あー、よかったぁ(焦)
そーいえば、なんか…
僕たちも、お腹空いたよ
ね…(><)〃
小野寺は、ミキを背負い
僕は、タクシーを拾い、
ミキの行きつけだとゆう
回転寿司屋に向かった。
話しによると、その店は
カウンター7席と、4人
掛けのテーブル席が1つ
あるだけの、小さな店ら
しい…(¨;)
なので…ミキは、携帯で
寿司屋に電話を入れた。
《ミキ》あ、おじさん、
ミキです。今、お友達と
そっちに向かってるんで
すけど、着いたらすぐ食
べられるように、いつも
の用意しといてもらって
いーですか?
あと、席も3つ、確保し
といてもらっていーです
か?宜しく、お願いしま
すね(⌒∇⌒)
(¨)しばらくして、
着いてみたら、なんと
その場所は、いつも僕が
シュガーに入る前に変身
する、シュガーの横の
小路だった。
その小路を、もぉ少し奥
に行った所に、その回転
寿司屋はあった。
でも、寿司屋なのに、
看板も無ければ、のれん
も掛かってないんだ…。
そりゃあ、気付かない訳
だよね(><)〃
中に入ると、ちょっと太
め…いや、随分と太めの
ちょいハゲ…いや、オー
ルハゲの大将らしき親父
さんと、これまた体格の
いい、マ○コデラックス
のような、奥さんであろ
う女性が、癒される満面
の笑顔で迎えてくれた。
ふらつく、ミキを真ん中
に座らせて、寿司を注文
しょうとしたら…
《大将》いらっしゃい!
ミキちゃん、今、急いで
握ってるから、ちょっと
待っててよぉっ!
ホラホラ…そこの、イケ
メンの兄ちゃん達も、
ボケーっとしてないで、
早く注文しないと、ここ
にあるネタ…全部、ミキ
ちゃんに食べられちゃう
よっ!
(¨)またまたまたぁ〜
そりゃあ…ミキは…毎日
食べても飽きないとゆう
位、寿司が大好きって言
ってたけどね…
だからといって、いくら
なんでも、こんな細い身
体で、ネタが全部無くな
る位、食べるだなんて…
んなわけない…(゜゜)
…って、あったよ(¨)
《大将》はいよぉっ!
いつもの、ミキスペシャ
ル!出来上がり!
(¨)ふ、ふつうさ…
回転寿司って、1皿1皿
注文するよね…(¨;)
でもさ、出された、ミキ
スペシャルってのはさ…
大きな皿でさ…(焦っ)
ウニ……(6貫)
ホタテ…(8貫)
いくら…(4貫)
たまご…(2貫)
マグロ…(10貫)
〆サバ…(10貫)
サーモン…(4貫)
ボタン海老…(6貫)
僕…思わず、数えちゃっ
た(゜゜)す、すごい!
…計50貫あるよ(¨)
でも、さすが常連だよね
いつもの…ってゆうだけ
で、ネタや数まで分かる
なんてさ(¨;)
ってゆーか、もしかして
僕達の分も入ってるのか
な?と思って、一応…聞
いてみたんだけど、
やっぱり、ミキの分だけ
みたい(¨;)ん。
でもさ…回転寿司って言
ってるわりには、皿は回
ってないんだよね(¨)
それに見た目も、なんか
高級感あるし(;¨)
そして、僕達も、まるで
お好み?のような感じで
食べたよ(⌒⌒)うま!
素人の僕や小野寺でも、
ネタが、めっちゃ新鮮で
イキがいいってのが分か
る位だよ(⌒∇⌒)/
えんがわを2貫食べて、
次は何を食べようかな…
なんて思いながら何気に
ミキを見てみると…
食べるのに集中したいの
か、長い黒髪を1つに
束ねて、まるで、ビデオ
の早送りのように寿司は
みるみる間に無くなって
いった…(゜゜)わぉ〃
そして、僕達が4貫目を
食べ終える頃…、ミキは
50貫全部、食べ終えて
いた(゜゜)うそっ!
さ○まのからくりテレビ
にビデオ投稿したいよ!
美人で、モデル並のスタ
イルで長い黒髪の、スト
レートヘアの女性が、
たった3〜4分で、寿司
を50貫食べるってね!
でも…ミキは違う能力も
あるから、そっちの方で
も有名になっちゃったら
困るし、こんな風に会え
なくなっちゃうから、
やっぱり、ダメダメ…!
なんて考えながら、また
ミキを見てみると…
ミキは、満足したのか…
めっちゃ、しあわせそう
な顔で、お茶を呑んでい
た(´。`)〜゜。゜。
(¨)ん…僕さ、思うん
だけど…あれだけの、
エネルギーや、パワーを
出すとゆうか使うには、
これだけ食べないと身体
が持たないんだろね…。
やっぱり、ミキは凄いよ
《ミキ》あ、おじさん、
お土産に持っていきたい
ので、5人前…握っても
らえますか?
エルカちゃんも小野寺君
も、おじさんが握ってる
間に早く食べちゃってね
やっぱり、ここまで来た
ら、ケンちゃんや佐藤夫
妻の顔見てかなきゃね♪
それに今日は珍しい2人
も来てるみたいだし…。
お寿司を差し入れに持っ
て行きたいの(⌒。⌒)
(¨)僕達は、ミキに言
われるがまま急いで食べ
たよ(焦)でも、珍しい
2人って誰だろね?