第8話「新作 力のショコラケーキ 完成!」
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「次のスイーツは、ただの回復効果にとどまらず、食べた者が強力な魔法を使えるようになる『力のショコラケーキ』だよ」
翔太はスキル書とレオンの魔法書を見比べながら、新しいケーキのレシピを作り上げていた。このケーキには「炎の魔石」と呼ばれる素材を使う予定だ。炎の魔石は、火山の深部で生成される希少な魔法石で、その力を取り込むことで強力な火の魔法を一時的に操ることができるという。
「ただ、使い方には注意が必要だ。炎の魔力が強すぎて、うまく調整しないと食べた人が暴走してしまうかもしれない」
レオンの忠告を受けながら、翔太は慎重に調合を進めた。まず、ショコラケーキのベースを作り、そこに魔石の力を封じ込める。魔法の呪文を唱えながら、炎の魔力が暴走しないよう、少しずつ力をコントロールしていく。
「炎の精霊よ、その力を与え、我が手に制御の力を……」
翔太は慎重に魔石をショコラケーキに封じ込め、最後にケーキ全体に光の魔法をかけることで、外見は普通のチョコレートケーキに見えるように仕上げた。
「これで完成だ……!」
翔太は満足げに仕上がったケーキを見つめた。見た目は普通のショコラケーキだが、中には強力な魔法の力が秘められている。
*****
その日の午後、カフェに一人の冒険者が訪れた。彼は若く、鋭い目つきをしており、体にはいくつもの傷跡が刻まれていた。彼の名前はカイ。冒険者ギルドでも腕利きとして知られる魔法剣士だった。
「ここが噂のカフェか。特別なスイーツがあると聞いて来てみたんだが……本当に効果があるのか?」
カイは挑戦的な態度でカウンターに近づいた。リリィが微笑みながら彼を迎える。
「いらっしゃいませ! 今日は新しいスイーツ『力のショコラケーキ』をお試しいただけますよ。このケーキは食べると、一時的に強力な魔法を使えるようになります」
カイは興味深そうに目を細めた。
「強力な魔法が使えるだって? 面白い……じゃあ、そいつを一つもらおうか」
翔太はカウンターの奥でケーキを準備し、カイの前にそっと出した。ケーキは見た目には普通のチョコレートケーキだったが、カイは一口食べた瞬間、何かが違うことに気づいた。
「……これは……ただのケーキじゃないな」
カイは驚いた表情でケーキを見つめながら、もう一口食べた。すると、体の中から力がみなぎるような感覚が広がり、彼の手には炎の魔法が自然と宿り始めた。
「こ、これは……すごい……本当に魔法が……!」
彼の手の中で小さな炎がゆらめき始め、その後、大きく膨れ上がった。カイは驚きながらもその魔法を見つめ、何とか制御しようと努めた。
「おいおい、本当に強力だな。ちょっと油断すると暴走しそうだが、これは使いようによっては役に立つかもしれない」
カイは感心した様子でケーキを食べ終えると、翔太に感謝の言葉を述べた。
「このケーキ、気に入ったよ。次の冒険に持っていけば、きっと役に立つだろう。ありがとな、また来るよ」
カイはそう言い残し、カフェを後にした。
*****
その日、カイが帰った後も、カフェには続々と冒険者や魔法使いが訪れた。「力のショコラケーキ」の評判がすぐに広まり、強力な魔法を一時的に使いたい冒険者たちがこのスイーツを求めるようになったのだ。
「翔太、今日もお客さんが絶えないわね。『力のショコラケーキ』は大人気よ!」
リリィは忙しくお客さんに対応しながらも、嬉しそうに話しかけた。
「確かに、このケーキは今までにない特殊な効果があるから、冒険者にとっては貴重なアイテムみたいだな。でも、食べ過ぎには気をつけないと……」
翔太は、お客さんにケーキの効果や注意事項を丁寧に説明しながら、一つ一つ心を込めてケーキを提供していた。
その日、リリィが笑顔で迎えたのは、町で評判の戦士エルザだった。彼女は長い金髪をなびかせ、しっかりとした体つきで、戦士としての威厳を感じさせる女性だった。
「力のショコラケーキか……私は普段、剣を使うけど、魔法も使えたら便利だな。試してみるわ」
エルザはケーキを口に運び、ゆっくりと噛みしめた。すると、彼女の顔に驚きが広がった。
「これ……本当に力が湧いてくる……! 剣だけじゃなく、魔法も操れそうな気がするわ」
彼女は嬉しそうに笑いながらケーキを食べ続けた。
「次の冒険で使ってみるわ。ありがとう、翔太さん!」
エルザもカフェを後にし、ますます「力のショコラケーキ」の人気は広がっていった。
*****
その夜、カフェが閉店した後、翔太とリリィ、そしてレオンはテーブルに座り、今日の出来事を振り返っていた。
「今日は本当に忙しかったな。『力のショコラケーキ』がこんなに人気になるなんて思わなかったよ」
翔太は少し疲れた表情を浮かべながらも、満足げに微笑んだ。リリィも同じように疲れを感じつつ、嬉しそうに頷いた。
「お客さんがみんな笑顔で帰っていくのを見てると、やっぱりカフェをやって良かったって思うわ。翔太、あなたのスイーツは本当にみんなを幸せにしてるのよ」
レオンもテーブル越しに微笑んでいた。
「これでカフェは冒険者や魔法使いにとって、ますます重要な場所になっていくでしょう。でも、これからも新しい挑戦を続けていかないといけませんね」
翔太は小さく頷き、これからの挑戦に胸を膨らませた。
「そうだな。次はもっと大きな効果を持つスイーツに挑戦してみたい。カフェの未来はまだまだ広がっているんだ」
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