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第4話「冒険者向けの回復スイーツ」

毎日11時、15時、18時で更新予定です(^^ゞ

温かい目で見守っていただけると幸いです<(_ _)>

 カフェがオープンして数日が経過し、翔太のスイーツは地元の人々や冒険者たちに少しずつ評判となっていた。特に「星のハチミツロールケーキ」は、疲れた冒険者たちが体力回復を求めて訪れるきっかけとなり、町外れに位置するカフェにも賑わいが増えていた。


 そんな中、翔太はさらに冒険者たちのニーズに応えるため、新しい回復効果のあるスイーツの開発に取り掛かっていた。



 *****



 ある日の朝、リリィが翔太に話しかけてきた。


「翔太、新しい素材を探してみない? 冒険者たち向けのスイーツなら、もっと強力な回復効果がある素材が必要だと思うの」


 翔太は頷き、さっそくリリィと共に市場へと出向くことにした。市場は今日も活気に溢れ、様々な商人が珍しい素材を売っていた。二人は市場を巡りながら、特に強力な効果を持つ素材を探していた。


 すると、ガルド商人が再び彼らに声をかけてきた。


「おお、カフェの二人じゃないか。また材料を探しているのか?」


 翔太が事情を話すと、ガルドは彼のために特別な素材を取り出してきた。それは「竜の涙」という、異世界の山岳地帯でしか採れない希少な素材だった。


「これは『竜の涙』と呼ばれる非常に貴重なものだ。ほんの少量で、強力な体力回復効果がある。冒険者たちが好むスイーツを作るなら、これがうってつけだろう。ただし、少量で十分だ。使いすぎるとその効果が強すぎて、逆に体に負担をかけることもあるからな」


 翔太はその警告に頷き、慎重に扱うことを誓った。彼は竜の涙を購入し、カフェに戻って新たなメニューの試作を始めることにした。



 *****



 カフェに戻った翔太は、スキル書を片手に新作スイーツの開発に取り掛かった。今回の目標は、冒険者たちの体力を素早く回復させることができるスイーツだ。翔太は「竜の涙」をスイーツに取り入れながら、慎重に分量を調整し、回復効果が強すぎないように工夫を凝らしていた。


 まずは、チョコレートを使った「竜の涙ブラウニー」を作ることに決めた。チョコレートの濃厚な甘さに「竜の涙」の強力な回復効果を組み合わせ、身体の疲れを癒すスイーツに仕上げようというのだ。


 翔太は、まずカカオの精霊の力を借りるため、スキル書に記された呪文を唱えた。


「カカオの精霊よ、その力を分け与えたまえ……」


 すると、チョコレートの香りが一気に広がり、まるでカカオ自体が命を持ったかのように、濃厚で芳醇な風味が生地に加わっていった。


 次に、「竜の涙」を慎重に少量だけ加える。ガルドの忠告通り、ほんの少しの量で十分な効果があるため、慎重に生地に混ぜていく。その瞬間、生地が光り、微かに輝き始めた。


「これで完璧だ……」


 翔太は、満足げに生地をオーブンに入れ、焼き上がるのを見守った。オーブンの中でスキルの力によってブラウニーはふっくらと膨らみ、絶妙な焼き加減で仕上がっていく。


 オーブンを開けると、濃厚なチョコレートの香りに竜の涙のエネルギーが混じり、店内に特別な香りが漂った。


「これで冒険者たちも疲れが吹き飛ぶはずだ」


 翔太はリリィに試食を頼んだ。リリィは一口食べ、目を輝かせた。


「これは……すごい! チョコレートの甘さがしっかりしていて、しかも食べると体が軽くなる感じがするわ」


 翔太も少し味見をしてみたが、食べた瞬間に体が温まり、疲れがスーッと消えていくのを感じた。


「これなら、冒険者たちも満足してくれるはずだな」



 *****



 その日の午後、カフェに再び冒険者の一団が訪れた。彼らは新しい冒険から帰ってきたばかりで、疲れ果てた様子だった。


「翔太さん、今日は何か新しいスイーツがあるって聞いたんだが?」


 リーダーのグレッグが声をかけてきた。翔太は笑顔で「竜の涙ブラウニー」を紹介した。


「今日は特別なスイーツを用意しました。『竜の涙ブラウニー』です。これには強力な回復効果があります。特に冒険で疲れた体を癒すには最適です。ただし、少量でも十分な効果があるので、食べすぎないようにしてくださいね」


 グレッグはその説明を聞いて興味津々だった。


「竜の涙だって? それはすごいな……じゃあ、一ついただこうか」


 彼はブラウニーを一口食べた瞬間、驚きの表情を浮かべた。


「これは……すごい! 体が一気に軽くなって、疲れが吹き飛んだ!」


 他の冒険者たちも次々にブラウニーを注文し、全員がその回復効果に驚いていた。彼らは満足そうに笑いながら、翔太に感謝を述べた。


「これからも、この店にはちょくちょく来させてもらうよ。冒険の後には最高だ」


 冒険者たちが帰ると、店内は再び静けさを取り戻した。リリィはホッとした表情で、翔太に微笑んだ。


「今日も大成功ね。これでますますカフェの評判が広がりそうよ」


 翔太は満足感に浸りながら、次なる挑戦に思いを馳せた。

下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)



駆け出し作家の身ではありますが、すこしでも


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