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第二十九話 小熊座(1)

「仲間ですか?」

「ああ、もちろん危険はあるだろうから無理にとは言わないさ。どんな危険があるかも分からないこの世界を冒険するなんて、人によっちゃ勘弁してほしいことだろ? でもそんな中でも、危険を顧みずに俺についてきてくれる奴は名乗り出てほしい。お願いだ」

 これは完全に俺の勝手。

 だからもし行きたくないのであれば、このままロギアさん達に着いていってもらっても構わない。

 しかし皆は俯いたままで、誰一人と手を挙げることなく、黙り込んでしまった。

 しかしそんな中でも、二人の人物が立ち上がってくれた。

「アタシは行くよ。アタシは過去にある程度この世界を旅してきたし、ガイドとして役には立てると思う。それに……」

 サキは何か言いかけたところで首を振り。

「じゃあ改めて……よろしくね!」


「本当に突然だね、ユウジは」

 次に名乗りを上げてくれたのはレイジだった。

 若干気怠そうにしながらも、こいつは結局ついてくるとは思っていた。

「でもまぁ、俺も行くよ。君一人じゃ、旅先で何をしでかすか分からないからね」

「おい、俺をそこらの鈍感系主人公と一緒にするんじゃない。俺はちゃんと空気と状況を読める男だ!」

「……」

「そんな目で俺を見るなよ……」

 

「…………やっぱりそうだよな……」 

 しかしそれ以降手を挙げてくれる者はいなかった。

 そりゃそうだろう。

 全く未知の場所を冒険するっていうのは、言葉だけ聞けば好奇心をくすぐられる素晴らしい言葉に聞こえるかもしれないが、実際にこうして考えてみるとやっぱり怖いよな。

「まぁ、出発は明日になるだろうし、それまでに答えを出してくれればいいよ。今日は宴を愉しもう!」

 

 「一緒に冒険してくれる仲間が欲しい」

 この質問に多くの者の答えは決まっていた。

 答えは「ノー」である。

 この世界では保証された安全は存在しない。

 いつ死ぬかも分からないのに、冒険に出るなんてリスクを自ら背負いたいなんて奴はいないだろう。

 ただそれでも、冒険に出ることの意味を考え、自分がどうするのかを真剣に考えている者もいた。


     *


 そして楽しい時は流れ、いつの間に眠っていたのか、気が付くと日は登り、朝を迎えていた。


 

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