第二十七話 共鳴と反響(1)
足が震えて立てない……
心臓は不規則に鼓動し、呼吸は激しく乱れる。
「一体……一体貴様何を……っ!」
「何って……私は別に何もしてはいませんよ。あなた方が勝手に私に対して恐怖しているだけですよ?」
「んなわけねぇだろ……」
だが、地面にへ垂れ込んでしまっている俺のその言葉に説得力はない。
本当に何をしやがった……
醜い笑い声をあげたマモンは俺に近付き、髪の毛を掴んで持ち上げる。
「あらあら、なんて醜いんでしょう。これが背教者のたどる末路であることが、あなたにもようやく理解できた筈です」
そして無様な俺たちの姿を見て、マモンは気分がいいのか。
「フム、そうですね……特別に私の能力を教えて差しあげましょう。私の力はとある種族の固有能力であったテレパシーを少々改造したものなのです。そして……! これは私からあなた方のような背教者への一つの優しさ。未だ世界は、我々の教えを拒む。どんなに教えを説いても誰も理解しようとせず、聞く耳さえ持たない。意見の対立や考え方の相違は争いを招く……! そこで私は考えました。『誰もが同じ考えや思想をもっていれば、争いは怒らない』と──」
身勝手な持論を永遠と話続け、それを他人に押し付ける。
頭が痛くなりそうな程の話の内容は、筋自体は通っているように聞こえていても、いくらなんでも極論がすぎる。
「私はそれをきっかけにこの能力を開発したのです……。あなた達のような低脳共は別として、我々に出会ったらなぜか恐怖するのです。我々はこんなにも人々への慈愛に満ちているというのに……」




