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第十九話 赤竜

 俺たちはあれからもしばらくの間、ガルムとの修練を通して、それなりに力をつけていた。

 そしてとある日、ロギアさんから俺たちに対して、ある頼みごとを任された。

 それは――

「おい噓だろ? いやいや違う違う、こいつじゃない。絶対にコイツのことじゃない」

「でも、特徴は全部一致しているし多分……」

「絶対違うわよ。アタシたちだけでどうしろっていうの? 攻略方法が見えてこないんですけど」

 俺、レイジ、サキの三人が向かったのは、楽園(ポラリス)からは少し離れた森の奥地。

 そして木陰に隠れ様子をうかがう俺たちの向こうに見えるのは、一体のドラゴン。

 赤い鱗にごつごつとして硬そうな体表、腕から腰にかけてついている大きな翼、口に見える牙、今は眠っているのか、目を閉じて鼻息をたてている。

 その鼻息からは湯気が立っており、体温は相当熱を帯びているのだろう。

 まぁ簡単に言ってしまえば、リオレ○スのようなやつが俺たちの目に前で眠っていた。

「どうしよっかな……俺、双剣は持ってないよ」

「それを言ったらアタシはライトボウガンを準備しておきたかったんですけど」

「モ◯ハンの話は今いいよ。ちなみに俺はチャージアックスでした」

 俺たちがなぜ、今こんな状況になっているかというと──


     *

 

 遡ること半日前、早朝にクラスメイト全員がロギアさんの元へ集められた。

「みなさんおはようございます。ここでの暮らしはどうですか?」

 早朝でも変わらぬ優しい微笑みで、俺たちを迎えてくれたロギアさん。

 改めて見るとすげー美人だなこの人。

 実年齢は数百歳らしいが。

「はい、おかげさまでとても快適に過ごさせて頂いています。こちらの食べ物も最近は抵抗なく食べられるようになりましたし」

 委員長のその話を聞いて思い出したのは、ここへ来てから最初の食事。

 動物が主な住人である楽園の食事は、草や生肉、果実なんかはまだマシだったが、虫が出てきた時は女子たちが発狂してたな。

 しかしそんな中でも、この世界での生活が長いからか、サキだけはそんなゲテモノ食材を躊躇することなく口に運んでいたっけ。

 若干みんなに引かれていてけど……


 まあそんな食材も、調理をすれば案外いける味だったので、そこまでの問題にはならなかった。

「今日集まってもらったのは、みなさんにお願いしたいことがあるからなんです」

「お願いしたいこと……?」

 そう言うとロギアさんは、普段になく神妙な面持ちで話し始めた。

「実はこのところ、この森の近くにある生物が住みつきまして……我々のように高い知能を持たず、意思を伝えるようなこともできないので、その生物を追い払って……。できたならば討伐をお願いしたいのですが……」

 なるほど、まあ確かに危ない生物なら、そうしておいた方が安全だもんな。

 ガルムはというと。

「今回、私はここの防衛に専念する。万が一、ここへその生物が来た時のためにな」

 とのことらしい。

「となると……委員長とかのサポート系祝福のやつはここに残るとして……。危険な仕事になるだろうし、あまり無理強いはできないな。行きたいやつはせーので手を挙げろよ。せーのっ……」


     *


 その結果、手を挙げたのは俺とレイジとサキの3人だけだったので、俺たちは今、たった3人でリオレ◯スに挑もうとしているのである……

「アタシたち……大丈夫かな」

「聞かなくてもわかるだろ、そんな訳がない。圧倒的に人数不足だっ!」

 

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