第十五話 楽園暮らし
その後、俺たちはこの世界に召喚された際に、神と名乗る存在に祝福を与えられたことや、その後経験したことなどをロギアに話した。
「その祝福という力には聞き覚えがありませんが、あなた方の手助けとなっているのであれば問題ではないはずです。しかし──」
「教会と接触してしまったことですか?」
彼女が懸念していたのは、俺たちが神聖樹教会と過去に接触していたこと。
「私が確認した限り、この者たちに洗脳はまだ施されていないはずです。ここにいても問題はないはずでしょう」
「いえ、そうではなく……私が懸念しているのは教会の執念深さです」
「執念深さ……?」
「はい、教会は今、力を欲しています。多種族を洗脳し、それらの能力を奪う──そんな中で、神に与えられた強力な能力である『祝福』を持つあなたたちは、教会にとって格好の餌です。今回は運良く逃れることができましたが、おそらく教会はそう簡単にあなた方のことを諦めないでしょう。ですから、念のため警戒を怠らぬよう──」
*
俺たちはその後、しばらくここに滞在するための場所に案内された。
そこは楽園の中心近くに設けられたログハウス。
外から見てもその大きさはかなりのもの。
ただ──
「なんというか……まぁ獣が住んでいる場所だし、半ば予想はしていたけど……」
「これは困ったね……」
俺とレイジが絶句している理由。
それはこのログハウスの中の光景だった。
あちらこちらに散らばる草、草、草……
寝床は干し草を集められてできたようなもので、部屋中とにかく草だらけ。
簡単に言えば馬小屋だった。
「すまないな。我々にとっては快適な環境なのだが、お前たちのような人間がここへ来ることを想定していなかった故、こんな場所しかなくてな……」
申し訳なさそうにガルムが言う。
いやまあ……贅沢は言えないな。
「いいよいいよ。ここへ行きたいって言ったのは俺たちだし、文句は言えないさ」
「ちなみに追加で言っておくと、ここで出てくる食事は、干し草か果物か木の実か、それか生肉だ」
「ハハハ……」
なるほど、快適な暮らしはできないらしい。




