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第九十八話 聖剣披露

物凄い勢いで宮廷薬師達と鑑定の出来る者が集められた。

集められた薬師は二人…か。 それに対し鑑定士は5人。


「失礼ですが陛下、宮廷薬師の数はこれだけなのでしょうか?」


「あぁ、先の話を聞くまでそれほど重要と思って居なかったし治療なんて魔法で良いと思っておったからな…。 そうだ、鑑定士よ、この万能薬(ばんのうやく)の性能を見てくれ。 全員でだ。 効果はわかっておるんだが今一度詳しく知りたい」


「はっ!」


一人一人が順番に鑑定していく。 決まったような順番で交代してることから序列でもあるのだろうか?


「陛下、鑑定の結果が出ました」


「うむ、流石は余の臣下の鑑定士達、仕事が早い。 して、内容は?」


「なんと、見たこともない薬でして驚きましたが内容を。 まず効能につきまして『部位欠損等の酷い怪我の治療が可、風邪から中期の死病まで完治可、あらゆる毒をほぼ無効化、失った血を戻す』これが全員一致している内容でした」


おぉ、と会場が湧く。


「そして、『あらゆる副作用は無い』、そして『無味無臭』これも全員一致でした。 以上が鑑定内容になります」


「なんと…。 鑑定士達、良くやった。 褒めて遣わす。 テイルよ、これが薬師に作れるのだな?」


「はい、原材料となる『超高品質の上薬草、超高品質の上解毒薬、最後に竜の涙または、龍の涙を高温で溶かした物』が必要になります」


「竜の涙も龍の涙も超希少素材…おいそれとは用意出来んな…」


「ですから万能薬は本来国宝クラスの高級品なのです」


横でマーリン様がこっちずっと睨んでるの怖え!


「うむ、まずはこの九本のうち五本は国宝として扱おう。 そして、残りは薬師達に預ける。 テイルよ、調合手順はあるのか?」


「はい、こちらの紙に記してあります。 宰相、一度ご確認おねがいします」


「承った。 ふむ、素人目でもこれなら分かりやすく書かれていると思うので渡して大丈夫かと思います」


「ほう、ならばその書物は宮廷薬師に預ける。 そして、完成した後、各貴族家に調合手順を記した紙を配る事とする。 テイルも良いか?」


「はっ! 仰せのままに」


「ではそのように。 して、テイルよ。 早く聖剣がみたいのだよ。 剣と言うのは男のロマンだ…! それが聖剣ともなれば…」


「テイル、答えなさい」


「では、僭越ながら」


マジックバッグから聖剣を取り出す。 俺の身体には見合わない大きな剣。

それでいてなんか光ってる。


「おぉ、これが聖剣…。 簡単に見せれる能力はないのか?」


「テイル、答えなさい」


ふむ、魔力を流すだけ…でも良いんだけど。

そうだ! まずは犠牲者を出そう。


「では、マーリン様? これを持ってみてください」


マーリン様は急にげっそりした顔になって冷や汗をかき始めた。


「賢者マーリン殿?」


陛下に促され、しぶしぶ受け取る。

すると、案の定『バシィ』と言う音と共に激しい閃光が走った。

持った手はとても痺れたらしく剣を落としてしまう。


「これが、伝承にあった通りの聖剣による製作者、所有者の認識です。 試しに私が持ちます」


何も起こらない。

周りの貴族達も「やはり聖剣は伝承通り錬金術師が…」となっている。


次に魔力を軽く通した。 俺の背丈に合わせたサイズ感に縮まり光も弱まった。


「それはどういうことだ?」


「テイル、答えなさい」


「聖剣は人を選ぶ。 それが、成長していない子だったら? それに合わせられるように改良しました」


「改良!? 切れ味が見たい! 一番良い鎧を持ってこい!」


物の数秒で用意された。 どうなってんのここの使用人。


「では立てかけてある、この城で一番良い鎧を切ってくれ」


「テイル、やりなさい」


「はっ!」


スッ

あれ? 一番良い鎧だよね? 豆腐みたいに切れちゃった。


「陛下、いくら聖剣とは言え、こんなあっさり切れてしまうのが一番良い鎧なのはいけません。 私が幾つか用意しましょう」


え、お前、本気で言ってんの? それ? みたいな空気になってしまった。 どうしよう?


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