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第九十六話 謁見

俺達が城門で名前を言うとすんなり通して貰えた。

そして、案内の人に謁見の準備があるから、とやたら豪華な客間の様なところで待たされる。


「何度来ても落ち着きませんね」


「いい加減慣れんか、沢山来ることになるんじゃから」


え? そうなの?


「なんでか分からなそうな顔をしとるな? 教えておこう。 魔王討伐を成してみろ? 貴族になってみろ? 謁見なんて増えるぞ?」


「俺、帰っても良いですか?」


「だめじゃ」


そんなやりとりをしていると先ほどの案内の人が呼びに来たので付いていく。

謁見の間の前へと着いた。

この国では確かノックをして宰相が返事をして衛兵が扉を開けるのが一連の流れだっけ…。


案内の人が扉をノックし一歩下がる。


「入れ」


「では、どうぞ」


案内の人が一歩引いて俺達に扉を譲ってくれる。

俺はわざとマーリン様が前に行くようにしていたので確実に後から入れる。

天才かもしれない。


前へと進み、ある程度の所で並んで止まり膝をつき、首を垂れる


「面を上げよ」


陛下が言う。

だがここで素直に顔を上げてはいけない。


「面を上げよ」


今度は宰相が言う。

今度は素直に俺達は顔を上げる。 こういうガチガチなのってほんと難しいよね。


「マーリン殿、テイルよ久しいな。 そして、テイルよ、礼節が以前よりしっかりしてきたな」


「マーリン殿、テイルよ答えなさい」


「「は! ありがたきお言葉!」」


「して此度はどの様な要説があって訪れたのか」


「マーリン殿、テイル答えなさい」


マーリン様が俺に目配せをしてくる。

俺は緊張しながらも深呼吸をしゆっくりと喋り始める。

先ずはジャブだ。


「はっ! まずは商業ギルド、冒険者ギルドに試供品を置いております冷蔵庫と言う魔道具…。 食材や飲み物を冷やす魔道具になります。 今いらっしゃる陛下や宰相、貴族の方々はエールがお好きと聞きます。 これを冷蔵庫でキンキンに冷やして飲むと美味いのです。 これの販売の見通しが立ったのでまず一点」


「はっはっは、皆! 聞いたかこやつ、最高な魔道具を作ったぞ! で次の点は?」


「テイル答えなさい」


ジャブを打ったからって素直にストレートを打つ訳ないよね。


「はっ! まず、私は聖剣を制作している身です。 そこで気付きました。 それを利用し、他の武器も作れないかと。 答えは簡単でした。 可能なのです」


辺りがざわつき始める。


「続けます。 聖剣程の強度は保証出来ないですが、一定以上の質の金属であれば伝説級(アーティファクト)武器にする事が可能です。 そしてアルガスさんとルオーリアさんが素材の提供、並びに商業ギルドで制作方法…レシピ、とでも言いましょうか…を販売する予定です。 数本は懇意にしている武器屋に置かせてもらう予定ですが」


「して、それはどういった内容の武器なんだ?」


「テイル答えなさい」


「はっ! 最低価格の物でも二属性の付与があります。 それ以上の物は是非お手に取ってご覧になってください…。 そして、僭越ながら最後のご報告があるのですが宜しいでしょうか?」


辺りの貴族達もこれ以上の事があるのか? と言う反応だ。

そして俺の懇意にしている武器屋を探そうとしている奴もいるみたいだ。


「よい、最後に取っておいた、という事は一番大事なのだろう。 聞かせてくれ」


「テイル答えなさい」


「聖剣が完成しました。 マジックバッグの中には入っておりますが、入り口で預けてあります」


謁見の間が盛大にざわついた。


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