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第八十四話 闘魔

俺は怒りに任せ錬金術で身体強化し突撃する。

それに一早く気付きメイカも縮地で距離を詰めて来た。


「テイル君っ! 援護する!」


慌てて三賢者の二人が中級の魔法を無詠唱で複数射出する!


俺とメイカは魔神オルナに対し瞬閃を繰り出す。

しかし、相手は避ける様子も受け止める様子も無く、立っているだけだ。


「効きませんよ、そのでは程度の攻撃は私に傷一つ付かないでしょうね?」


魔力を剣にたっぷり纏わせたのにダメなのか…。


「白凛とした旋律を奏でるは純銀なる戦女、瞬きて仄暗き闇から光を灯さん」


俺達はこの詠唱を聞いた瞬間に即座に引き下がる。

これは、多分メーティル先生の魔法だ。

戦略級クラスの魔法だったはずだ。 詠唱完了までに離脱しないと俺達にも被害が出る。


「我の調律に導かれ、敵を打ち倒せ。 メロディックカオス」


タクトを振る様はまるで指揮者だった。 これがメーティル先生の力…。


一度距離を取った俺は眼前に広がる純銀の世界が世界一美しく見えた。


「くくく、ちょっとは痛かったですね」


「えぇ、確かに今のは少々効きました」


そこから歩み出てきたのは多少傷の付いたオルナと魔王だ。

メーティル先生の魔法を見て冷静さを取り戻した俺は、今一度魔神に立ち向かう事にした。

感覚が変わって力が湧き上がる。


剣に魔力を纏わせ縮地で距離を詰め、間合いに入った時に素早く上段で構え気迫を貯める。


「魔王には聖剣しか効かないけど、魔神ならどうかな? 月影一心流奥義、月影!」


流石のオルナもこれは避けようとした様だが間に合わない。


たった今、全ての感情を御せた俺の速度からは逃げられない。

感覚が変わった時、これがドーラ様の言っていた事なのかと気付いた。


たった金貨一枚の剣で魔神の腕を斬り落とす。

どんな物語の英雄でも成しえなかった事を成したのだ。


「貴様ァ! 調子に乗りやがってェ!」


全ての攻撃を軽く受け流す。

魔王の方は三賢者達とドーラ様で相手をしてくれているらしくとても楽に戦える。


片腕の無くなった魔神など今の俺には脅威では無く。


「そろそろこちらから攻めても良いか? 準備運動は飽きただろ? 兄上をこんな風にしたこと、償ってもらうぞ?」


無詠唱でウィンドカッターを放ちながら錬金術でさらにウィンドカッターを放つ、魔力の温存だ。

剣に魔力も通しているので消費が激しい。

魔神の腕が宙を舞う。


「ぐあああ!」


「お前の主の名は?」


「名は知らない! ただ、魔神王とだけ!」


「お前は死んだのでは?」


「残滓が残っていたのでそこに神格を与えてくださった!」


「最期に。 兄上をあんな風にしたのは誰だ」


「元は私ではない! 貴様の家に居た魔王軍幹部の者が魔王復活の為に器として悪魔を憑りつかせて操っていたのだ! 私が知っているのはここまでだ!」


「そうか、俺は魔の者とは言え神殺しは初めてだよ…」


そう言って、オルナを両断する。


兄上を救う事はもう出来ないだろう。

兄上の心臓と魔王の核がもう交じり合っているはずだ。

取り除こうとすれば心臓ごと取り除く事になる。


聖剣が手元にない以上一度魔王を撤退するくらいまで追い込まないといけない。


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