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第七十四話 初授業

クリスエル公爵邸に着き、一通り挨拶を終えた俺達。

マキナだけは何故か不貞腐れたのかあまり口をきいてくれなくなってしまった。


俺が悪いのだろうか?


そんなこんなで日も明け、朝食の時間になる。

俺はサリィ王女殿下に起こされ、すぐに着替えて食卓へと向かうことにする。


本日の朝食は大分豪華で、びっくりしてしまうほどだった。

ザ・貴族飯 と言った感じだろうか。


「テイル君、君が爵位を得る際は私が寄り親になろう。 そして、娘のマキナを嫁に出そう。 元々婚約者だったんだしな」


「わ、わかりました」


この空気、俺が圧倒されている感じが半端ない。

なんなのだろうか。


朝食もなんとか終わるが今度はメイカとサリィ王女殿下の機嫌が悪くなっている。

謎過ぎる。

俺にはもう分からない。


そうこうしている内に着々と錬金術師達が集まってきたので、庭に移動しておく。

ちゃんと俺に気付いたのか皆一様に集合してくれる。


「全員揃いましたね! では本日の授業を始めたいと思います」


「はい」


「火が燃える理由を知っている方居ますか?」


皆頭を抱えてしまう。

誰も居ないようだ。


「燃える…とは、可燃物と支燃物…例えば空気の中にある酸素と言う物質とかですね。それが、着火源から熱をもらうことによって、高温で高速の発熱反応を起こすことで、エネルギーが熱と光のエネルギーに変換される現象を指すんです」


「難しいぞ!? 覚えきれる気がしない! なんなんだ酸素って!」


「そう仰ると思って簡易的な教科書をお作りしておきました。 これを見たら分かりやすく載っているので良ければこれで確認してみてください」


酸素とは

燃焼とは

爆発とは

水とは

風とは

雨の降り方

物の凍らせ方

雷の起こり方


等々を載せている。 まずはここから理解することで、確実に錬金術に活かせるのだ。

受講者からは質問が上がる。


「錬金術について一つも書いてないのですが…」


「これを勉強することで、無詠唱で魔法の模倣したものを発現することが出来ますし、魔法や錬金術への理解度が上がります。 もっと深掘りしても良かったのですが、とりあえず基礎と言うことで」


「わかりました」


そしてまず酸素とは何かを教えて行く、素直に聞き入ってくれているので非常に教えやすく、皆紙にちゃんと言われた事を書いていたので高評価だ。


「今日の授業はこのくらいにしておきましょうか。 皆さんどうでしたか?」


「空気中の酸素?と言う物については初めて知りましたが、説得力があり、納得の行くお話でした。 それに分かりやすいし、ペースも皆に合わせてくださってて助かります」


皆同意している様だった。 初めて人前で講師の様な事をしたけれど意外とサマになるモンなんだなって。


「では、今後学んで行くとこのような事も出来るよって言う例をお見せしますね」


俺は学生時代に使っていたノートを錬金術で作り出す。 それと、マジックバッグから木材と黒鉛、粘土を用意し鉛筆を作る。

そして、皆に行き渡る様に配る。


「これは俺からのささやかな気持ちです。 これで勉強を頑張ってください。 今度材料が見つかったら、それで書いた文字を消す消しゴムも作りますよ!」


「ありがとうございます!」


より皆の忠誠心が上がってしまった様な、そんな気がした。


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