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第六十二話 商業ギルドの変革

セバスが居なくなって数日、俺が物語の英雄の様に称えられてしまいなんとも居心地が悪くなってしまった。


なにせ魔王軍幹部を一柱自力で倒してしまったのだから。


失敗したら死んでただろうし、一か八かの賭けだった。


「ドーラ様、この視線どうにかなりませんかね」


「ならんじゃろうな、我慢せい」


「そんなぁ…」


そんなやりとりを見てメイカは笑っている。

今日は冷蔵庫の状況を確認に来たのだ。


「アンナさん! 丁度良かった! 冷蔵庫の稼働はどうなって居ますか?」


「それが! 皆さん、飲み物を一斉に冷やし始めてしまってそれどころじゃなくなってしまって…」


俺はアルガスさんやルオーリアさんに聞こえる様にわざと大きい声で話し始める。


「あー! 冷蔵庫で飲み物だけしか冷やしてないのかぁ! これは食べ物を冷やせば腐りにくくなるし、酒を冷やせばキンキンの喉越しの酒が飲めるのにな!」


職員全員がこちらを見る。


「テイルちゃん酒冷やすってどういうこっちゃ!」


「例えばエールです。 遠い国の伝承…というか勇者様の国の伝承ではキンキンに冷やしたエールを飲むというのが習わしでした。 なんでも、とてつもない喉越しになって、天にも昇る程だとか、エール本来の甘さ、辛さ、苦さが強調され旨味が増す様です」


「そんな飲み方あるんか! 売り出し中のエールあるし、さっそく皆で試そうや!」


「おぉ!」


歓声が上がる。


アンナさんは終始冷たい目線を周りに送っている。 気付いてくれ、周りの男たちよ。


職員ではない、利用者からも声が上がってしまう。


「ええで、ここに居るもんはテイルちゃんの奢りで飲めるで!」


「え、俺?」


「流石は魔族殺しの英雄テイル様(・・・・・・)だぜ!」


「俺達もそれにあやかれるなんて幸せ者だ!」


まぁ…。 悪い気はしない…か。


「あ、アルガスさん一つ奥の部屋でお話したいのですがいいですか?」


「なんや? ええで?」


奥の部屋へと向かい、ルオーリアさんも補佐として付いてくる。

部屋に入り俺は開口一番に、


「僕は冷蔵庫の件が終わったら僕は無線機(・・・)を作ろうと思っています。 これがあれば魔法の素養が無い者でも遠くに居る者と会話が出来ます」


「は?」


「…」


それはそんなリアクションにもなるだろうな、誰でも魔法に触れられてしまうのだから。


お前さん(・・・・)、自分が何言うてるか分かってんのか? 下手したら軍事革命起こるんやで? それでも作るんか?」


「そこは懸念して軍事利用しづらい様に改良し、誰であろうと利用するのに料金を発生させたり、距離の制限を設けたり、一つの端末で交信出来る連絡先の数を制限したりすることで多少の制約を設けます」


「多少すぎひんか?」


「それだけ利便性もある。 ということです。 魔法が使えない人にとって、この魔道具はきっと革命です。 冷蔵庫同様、魔力を流したりしなくて良いのですから」


二人とも驚いているそりゃそうだ。 言ってないもの。


「冷蔵庫もそうなのですが、大気中の魔素を利用し、その動作を行使しているのですよ。 なので魔力を必要としない魔道具なのですよ」


「おいおい、さらっと革命起こしとるやんけ。 リバーシでもう上等な革命やと思ったけど、やってくれたな…」


ルオーリアはもうなにも喋れないほどになっている。


その場はその話を少しし、解散となった。


自宅に帰るとルルファからクリスエル公爵家から俺が呼び出されているとの報せが入っているのだった。


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