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第五十八話 冷蔵庫の完成

「ワイらはな、テイルちゃんのその技術に投資してんねん。 せやからな、しっかり甘えてくれてええねん。 魔石の提供は約束しとったやろ? 頼ってくれや…」


「す、すみません…」


少々怒られてしまった。 本制作じゃないと提供してもらえないという固定概念は要らなかったようだ。

俺の思い過ごしだったようだ。


「ですが、他にも試したい魔道具があるので魔石の提供は受けても大丈夫でしょうか? 今は言えないですが、かなり画期的な自信はあります。 それこそ冷蔵庫級の…」


「「なっ!」」


二人とも固まってしまう。 それは、驚愕と嬉しさと、報告の遅さによるちょっとした怒りだろうか。


「テイルちゃん、今、何個程考えてんのや?」


「二、三個程は浮かんでいます。 それはすぐには開発は出来る代物ではありませんが…」


「あはは、なんちゅう男や」


奥からアンナが魔石を持って戻ってくるのが見えた。

結構話し込んでいたので、在庫をかき集めていたのだろうか?


「テイル様! お待たせ致しました! あ、ギルド長達じゃないですか! サボらないでくださいよ!」


「はいはい…、じゃあまたな、テイルちゃん!」


「テイル様、またお会いしましょう」


二人に丁寧に挨拶される。


「お二方ともありがとうございました! アンナさんも忙しい中ありがとうございます!」


「こちらが魔石十個になります! ご確認ください!」


「はい! 確認しました。 魔石って結構少ないんですか?」


アンナは少し暗い顔をする。 言い難い事なのだろうか。


「最近、とある貴族のお方が買い占めていらっしゃって…」


「そんな事になってるのですね…」


「あまり、大声では言えないのですけどね…、あはは」


俺も苦笑いで返すしかない。 流石に貴族相手となるとね…。

魔石を受け取り、一度家に帰る事にした。


帰宅した俺は魔石に刻印を施し始める。


「魔素の吸収…。 魔素の流動…。 魔素の冷気への変換…」


発動をさせてみることにする。

…上手く出来てるな。 しかし、途中に干渉されるような感覚がある…。 これは改良すればいけるかな?


「魔素の吸収…。 魔素の流動…。 抵抗の低減…。 魔素の冷気への変換…」


同じく発動させる。

これで先ほどよりも断然に良くなっている。


これを錬金術にて作った冷蔵庫のガワの内側の取り付け口に取り付ける。

そして起動させて、様子を見る。


三十分ほどが経過した。 冷蔵庫の中が冷え冷えになっている。

魔石の稼働を一度止める。


俺は、完成した冷蔵庫をマジックバッグに入れて、本日二度目の商業ギルドへと走る。


「アンナさん! 至急、アルガスさん達にお取次ぎお願いします! 冷蔵庫が完成したとお伝えしてくれれば分かるはずです!」


「分かりました!」


そして、俺は無事に長時間の質問攻めにあい、大変な目にあう事になったのだ。

いやぁ、歴代の研究者達は凄い思いをしてきたんだなと思う。


魔法って言うか錬金術ってとても便利だな。


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