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第五十五話 聖剣に必要な物とは

俺は答えを出し渋ってしまう。 どうしよう…。

魔石でも良いし、上質な宝石でも良いんだよね…?


「それはこのダイヤモンドじゃなくても…?」


「確かに、このダイヤモンドで無くても全然良いと思うんじゃがな、そのダイヤモンドには強い想いが宿っとる。 ()わば、守護の様な力になるじゃろうな。 それは、他のどんな宝石にも、魔石にもないオリジナルじゃ。 聖剣の格が上がる…と思う。 前例は無いがな」


聖剣の格が上がるのか…それならば…

いや、俺は何も悩む事なんてないじゃないか。

そうだよ。 躊躇(ためら)う必要なんて一ミリも無かったんだよ。


「わかりました。 このダイヤモンドで聖剣を作ります」


「うむ、後は上質な金属の延べ棒じゃな。 そして聖剣に恩恵を与える為に龍の涙も加えよう」


龍の涙…! 金属の錬成に使うとよりランクの高い金属が出来るというまさかの激レアな素材だ。


「まさか龍の涙って…?」


「我が持っておるぞ? 見るか?」


「良いのですか?」


本で一回しか読んだことの無いレベルの素材をこうもあっさりとお目にかかる事が出来るなんて俺は運が良いのかもしれない。


「良いぞ、ほれ」


それは丸いガラスの玉の様な物で中に水が入っていた。


「不思議な物ですね…。 これをどう錬成したら良いのかも分かりません」


「これを金属に取り込むようにすれば良いだけじゃぞ」


それだけで伝説級(レジェンド)の素材に成り上がってしまうのか…。 末恐ろしい。


「ありがとうございます。 僕は錬成の際に錬成陣を使用していないのですが大丈夫なんでしょうか?」


「ポーション作りなどの低級な物なら要らんのじゃがな…。 魔法の行使までしてしまうとどうじゃろうな…。 前例がないからの」


「やっぱりちょっと俺異端なんですね…」


流石に驚いてしまう。 他の錬金術師は錬成陣を構築しているらしい…。

他に錬金術師を見かけたら弟子にしてみようか。

それもそれで、面白そうだ。 今はやらないけれど。


「異端と言えば異端じゃろうな、じゃが…見ていて面白い」


「ですな」


ドーラ様とマーリン様が二人して俺を少し茶化してくる。

俺…いじられキャラになった記憶はないんだがな。


だが、悪くはない。 


「聖剣の件なんですけど鍛冶屋で剣は打たなくて良いんですか?」


「鍛冶師も必要じゃなぁ、じゃがお主の友人に鍛冶屋が居るじゃろ」


あぁ、確かエメリーの実家が鍛冶師だっけか…。 頼めるかもしれない。


「そうですね、エメリーの実家が鍛冶屋です」


「ならその子に頼んでみたら良いかもしれないな」


それが一番確実かもしれない。


「そうですね、その線で行きましょうか」


噂をすればマリアとエメリーが駆け寄ってくる。


「皆さん、あの後大丈夫だったのですか!?」


「ああ! 大丈夫だよ。 三人が助けてくれたんだ」


「よかった…。 心配したんですよ…」


マリアが涙を浮かべながら俺の手を握ってくる。

俺は、女慣れしていないのでたじろいでしまう事しか出来ず、皆にニヤニヤと厭らしい笑みを向けられてしまうのだった。


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