第四十二話 ドーラとパーティ申請
朝ドーラ様を迎えに行く俺とメイカ。
宿に着き受付に行こうとしたらロビーにもうドーラ様が居た。
「テイル! メイカ! ワクワクしすぎて眠れなかったぞ!」
子供の様なドラゴンで少しほっこりしてしまう。
「そっか…。 そんなに冒険者って良いモノじゃないんだけどね」
「まぁ良いではないか! 二人とも行くぞ! 我についてこい!」
めちゃくちゃどや顔でギルドとは正反対へと向かっていく。
「ドーラ様! そっちは逆だよ! こっちだよ!」
そんなギャグみたいな展開を迎え冒険者ギルドへ行く。
クエスト掲示板には山ほどクエストが残っていた。
それも報酬問わず残っている様子だ。
皆、山の調査任務に行っているらしい。
もう山にはドラゴン居ないんだけどね…。
そんなこんなで幾つかクエストを受けることにした。
三人でやるので効率良く稼がないといけないからだ。
―Fランク ゴブリンの討伐―
目標討伐数 四体
報酬 銅貨五枚
討伐証明部位による計算で追加報酬あり。
―Fランク ウルフの討伐―
目標討伐数 四体
報酬 銅貨六枚
討伐証明部位による計算で追加報酬あり。
―ランク外 スライムの核の納品―
目標納品数五個
銅貨二枚
追加納品で追加報酬あり。 個数により計算。
いつもどおりだったのでこの三つを受けることにする。
受付に用紙を持っていく。
「はい、いつもありがとうございます。 ドーラ様とテイル様でパーティ申請はなされないのですか?」
「パーティ申請?」
「はい、複数人でチームを組んでクエストを受けたりするシステムで、二つ上のランクの依頼も受ける事が出来るようになります。 冒険者登録をしている二名以上で登録可能です」
「ならお願いします」
「ではこちらにご記入お願いします。 記入するものが多くて申し訳ございません…」
「大丈夫ですよ!」
ドーラが書かなきゃいけないところはメイカに代筆をして書いてもらってあとは俺が記入する。
記入も終わり受付に用紙を渡す。
「承りました。 少々お待ちください」
「わかりました」
そうしてまたロビーで雑談しながら待つことにした。
すると剣聖が大声で話しているのが聞こえた。
「俺が鱗や牙を寄越せと言ったら、あのドラゴンは攻撃してきたんだ! 剣聖の俺が貰ってやるって言ってるのにだぞ! なんなんだあのクソドラゴン!」
当たり前だよなぁ…。
あぁいう輩とは関わらない方が良さそうだ。
関わったらいい事が無さそうでしかない。
俺はメイカ達とその場から少し遠ざかって待とうと
「メイカ、ドーラ様ちょっと場所移動しようか」
すると先ほどの剣聖がこちらを見る。
あぁ、すっごい嫌な予感がする。




