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第三百七十五話

『ごきゅごきゅごきゅ』


え、一気飲み!?

新年会とかじゃないんだからやめてくれよ!!!

責任問題は嫌だぞ!


『ぷはっ、うま、シトラス、味』


味の感想かよ。 心配して損したよ。

え、それよりもまぁまぁ量あったぞ? 二ℓのペットボトル程の領はあったな。

ごくごく飲んでるもんなぁ。

まるでスポーツドリンクの様だ…。


『身体変わらない』


「そりゃそうだ。 先ずは傷から癒える。 次に呪い。 だからまずは傷が言えてるんだ」


『怪我、無い、海蛇王、怪我は?、無いか?ん? 視たところは無いように思えるが」


『ん? ぱっと見ない様に思えるが?』


『違う、海蛇王』


『少し、だけ傷が出来たくらいか。 放っておけば治る』


『錬金術師、薬、海蛇王に』


優しいんだかなんだか。

だが、リヴィが傷付いたままってのも気が引けるから丁度良かった。


「ほら、これ飲んだら傷は引くぞ。 万能薬の薄めた物で外傷くらいなら大抵どうにかなるよ」


受け取ったリヴィはごきゅごきゅと飲み干して行く。

その飲み様はカリブディスを彷彿とさせる其れであったとだけは伝えておこう。


「どうだい?」


『傷が…ない。 どうなっているのだ』


「流石は万能薬でしょ」


『これが万能薬…なんと…。 しかし、これからどうするのだ?』


たしかにそれはあまり深く考えて居なかった。

しかし、ここでもう少し二人の体力を回復しつつ船の方の様子を確認して行く他ないと思っている。

今頃、魚人族を救出出来たのだろうか?

あれだけの人員が揃っていれば出来ている可能性は高い。


『ねぇ、あの影、何』


グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!


『海蛇王様、援軍に参りました!!! ウミガメの王...スープと申します!』


ウミガメでスープっておい!

駄目な奴じゃないのかよ。


『ふむ、良くぞ参った。 だが、今我らは帰還の路に着くところだ。 援軍などは良い。 護衛を頼む』


『『『『『ははぁ!!!』』』』』


ウミガメ達の号令が気持ちいい。


遠目にマックスの呆れた目が見えた気がするのは気のせいだろうか。

いや、気のせいであって欲しいと思いたい。

しかし、セイレーンは捕縛か。

魚人族は上手く保護出来た様で良かった。


「なんとかなったのか…?」


その一言はフラグになりかねないと思いすぐに喉の奥に引っ込める。

それで大丈夫だろうか? もう間に合わないだろうか?


『錬金術師、たしか、テイルだった?、いいやつ』


ありがとうね。


『当然だ。 テイルをその他の有象無象と比べてくれるな、海女帝よ』


『海蛇王、生意気』


『何?』


もうやめて! 俺のライフはもうゼロよ!

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