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第三百七十一話

「オレタチ、テイルニオンヲカエス」


「ソウダ! イマコソリュウジンノホコリヲ!」


竜人の国はそれだけで盛り上がりを見せる。

良い国である。


「テイルニミヤゲ! コレドウダ!」


「コレハイイ! コウセキノツメアワセ! テイルハヨロコブゾ!!!」


まるでテイルのことを知り尽くしているかの様である。

竜人の国の付近で取れる鉱石や薬草は非情に貴重なため、テイルにとってはかなり重要なものとなる事だろう。

それを知っているのか知らずにやっているのかは、この嬉しそうな様子を見れば一目瞭然だ。


「アノヴァンパイアノイウトオリナラキット…」


ん? と思いふと足元を見ると、キングの忘れ物を見付ける。

それはデフォルメされたテイルのぬいぐるみのキーホルダーの様なもので、ガガルは不思議に思った。

これは…主への忠誠か…? それとも孫に対する愛情か…?

じっと見つめていたが、良く分からないのでとりあえず保管しておくことにした。


周りのヤツに見つかったら何を言われるか分からない事だけは確実だろうとすぐさま把握する。


ちなみに、ガガルは龍神王の木彫り人形を棚に仕舞っているため、少しシンパシーを感じてしまった様だ。

これは良いシンパシーなのだろうか…。


「キングハイイヤツダ!」


本人は気にしていないどころか、キングを気に入ってしまった様である。

今頃キングはくしゃみでもしているのではなかろうか。


さて、今頃はマーリンの命でジャービルが竜人の国へと商談に向かっているところのはずなのだが。

キングの方が圧倒的に移動速度が速いので、まだ時間はかかるのだろう。

それか、道草を食っている。


ジャービルなら有り得る話だ。


ちなみにキングの移動速度に関しては以前からテイルと同等、もしくはそれ以上だ。 だが、テイルには転移もあるから最近は速さを競う相手も余りいないせいで、あまりこの能力が光っている場面は少ないのかもしれない。

ただ、酔っぱらって大変な事になっていたアストレア王を王宮まで運んだ際の手際を思い出して欲しい。


「お疲れさーん。 ガガルはんおるかー?」


「ヒサシイナ、ケンジャジャービル」


「ういー。 せやせや。 頼まれとった、肉と米持ってきたで!」


「タスカル、テイルニコレヲワタシタイノダガ…」


「あぁ、鉱石か。 テイルちゃん喜ぶやろな! ん? そっちのは薬草…? 見た事ないな? 多分テイルちゃんならわかるやろけど。 多分直接渡した方がええやろな。 どうせもうじき戻ってくるやろし!」


「ソウナノカ!」


「多分な! せやったらマーガレット王国来てみたらどや?」


「イカセテモラウ」


そうして、嬉しそうなガガルはジャービルと共にマーガレット王国に向かう事となった。


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