第三百六十九話
さて、脅威の一つはどうにかなった…が。
問題はここからだろう。
「どっちの島が本命か…」
波なんて呼ぶには生易しいほどの渦潮だったが、近くでみたら島が二つある事に気が付いた。
良くある双子島みたいな感じだろうか。
反応が多すぎてどれが魚人族か分かりにくいな。 今までに感じた事の無い気配が多すぎる。
船どうしたらいいものか…。
「あの奥の島に囚われた者達が居ます。 手前の島には無数の魔物が…」
「情報提供感謝するよ」
スキュラから思わぬ情報提供が入った。
いやらしい仕組みになっているようだ。
「さて、じゃあ海蛇王と突っ込んで来るか…」
『む…もう少しくらい休憩しても良いのでは…スルメを…』
どんだけ食べたいんだよ! スルメ消費量一人で世界一になるつもりか。
というか海中でスルメを食べたらふにゃふにゃにならないのか?
まぁ良いけど。
オロチと良い海蛇王と良いスルメに七味マヨとか醤油マヨで食べさせてしまったらどうなってしまうのだろうか。
危ない、変な事を考えていた…。
「先輩、本当にこっちで待機で良いんですか?」
「うん。 セイレーンの対処に関しては多分脳筋達に任せれば良いけど、ミザリア母様とナールムしか地球の言葉が理解できないからね…」
「確かに…」
「ってことで、任せたよ」
俺は頭をひょっこりと出している海蛇王の頭に乗り、そのまま海女帝の待つ方へと向かう。
「はは…テイルの奴、あの姿だけ見たらまるで竜騎士だな! 錬金術師要素どこだよ!」
「腰にぶら下げた申し訳程度のポーション…?」
「しかもあれは万能薬とかだからね…」
いや、全部聞こえてるんだよ。 竜騎士って言われるのは嬉しいけどさ。
『竜騎士など、小さき者共の憧れなのだろう? 喜ばないのか?』
「いや、嬉しいけど、海蛇王は蛇だし…」
『リヴィで良いぞ。 戦うのに長ったらしいのは呼びにくいだろう? まぁ、蛇だが…』
「リヴィは海女帝について知っている?」
『いや、いつの頃からか私海を巡って争っていた。 最初の頃は仲は悪くなかったと思うが…』
ふむ。 色々分からなくなってくるが…。
カリブディスに関しては謎が多いからな。
「俺が知っているのは海女帝ももともと違う存在だった」
『あのスキュラの様にか? ならまた薬で…』
「いや、それは海女帝は神による罰でバケモノに変えられてるはずだ。 だとしたら、俺がどうにかできるけど…」
『けど?』
「ちょっときな臭いね」
俺は空を見上げてぽつりと声を溢した。




