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第三百六十二話

「私の眷属達は陸での活動がほぼ不可能だからな…。 まして戦闘力はお世辞にも高いとは言えない」


まぁ、そうですね…。

だが、まずは魚人族や人魚族を探す事から始めないといけない。

かなり至難の業になると思う。


「まずは色々人手を確保しないといけませんけどね」


「そうだな…」


「おーい。 テイルー! コレ見てくれ!」


お、丁度良い所にマックスが。

本当にタイミングの良い男だな。


「なんだコレ?」


見たところ何かの鱗の様にも見えるが…。

俺は見た事が無い。 しかし、少し古い物ではあるな。


「あっちの海辺に流れ着いてた。 結構落ちてたんだが…。 これは美味い魚の鱗かと思ったんだが…」


「いや、俺は見た事ないな…」


「なんだ、テイル。 知らないのか。 これは些か鮮度は落ちているものの生きた魚人族の鱗だ。 量があるということはここらに住処があるのか…。 にしては見かけたことなどない。 潮の流れでたまたまここに打ち上げられたか…?」


ふむ。 ボロボロになっていないのに古い…。

確かに潮に乗っては来ているのだろうけど、どこかに島があるとみて間違いはないだろう。


「島や、洞窟とかある?」


「幾つかあるな…。 だが、あの辺りは風も波も強いぞ? …まさか」


「多分、そのまさかだと思う」


「オイオイ。 どういう事だよ」


「あぁ、海蛇王の拠点…住処を造るのに人手が欲しくてね。 魚人族や人魚族を探したかったんだ。 水中でも活動出来るだろ?」


はぁ…と一つ溜息を吐くマックス。


「確かに、それもそうだ。 水中に拠点があれば面白れぇだろうな。 でも、俺達が転移したら息出来ねぇぞ」


「安心しろ【暴食】 私の認めた者は水中での活動中、溺死する事はない」


「はぁ…。 加護みたいなモンか。 アンタも神の眷属か何かか? それともう大罪の名で呼ぶな。 マックスで良いぜ」


「マックスか、わかった。 私達の様な蛇は龍神王様の眷属の様な物だからな。 そして、私の場合は少し例外だ。 海を司る聖獣だ」


「ははっ…。 もう、テイルのせいで何も驚く事はねェと思ってたけど聖獣とはな。 テイルのあの王一角兎もそうだろ…。 生きてるうちにどんだけ珍しいもん見れんだよ。 いつかあの良く分からんボアも聖獣でしたってオチになったりしねェよな…」


呟く様に吐き捨てたマックスに俺は苦笑いするしかなかった。

盛大なフラグだからやめてくれよ。


「まぁ、私の場合は多くの者を屠ってしまったせいで人々は悪魔と呼ぶこともあるが」


「俺はそうは思わねェよ。 それにテイルの友達(ツレ)だろ? なら悪魔も聖獣も関係ねぇよ」


「話の分かる奴で良かったよ。 出来る事なら皆がそうであって欲しかった」


「アンタと似た経験をしたから俺にも気持ちは分かるさ」


「ヒューヒュー!」


「「殺すぞ」」


ごめんなさい、調子に乗りました。


「だが、魚人族か…。 あいつらって気難しいって聞いたことあるな。 テイルはなんか知ってるのか?」


「いやぁ…。 俺なら大丈夫かなって」


「は? なんで言い切れんだよ」


「考えてみろって…。 俺の母親って…ウンディーネだよ? 聞いてみたらきっと分かるって!」


「そうだった…。 てか、呼んだ方が早くねェか? 余裕で魔力足りるだろ…」


「…おい、母親がウンディーネなら水中で呼吸出来るだろ。 私の力要らないじゃないか。 なんだお前馬鹿なのか?」


「安心しろって。 コイツ肝心なところ抜けてんだよ」


「あぁ、いや…。 それは先ほど察した。 これは今後は色々と臓物が痛くなりそうだな」


「お、胃薬やろうか?」


「助かるぞ、マックス」


Q.どうして皆俺の扱いがこんなに酷いのでしょう…。

A.日頃の行いです。


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