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第三百六十話

あの後俺はそのまま解放してもらえたがオロチと団長は取り残された…。

彼らの犠牲は無駄にはしない。 良い人材を失ってしまったが仕方ない。

替えというモノは常に用意すべきだろう? 幸いここには始祖が居るから…。


「そんな目で見てもわらわはアレじゃぞ?」


「アレとは…」


「女の子には秘密が多いのじゃ」


女の子って年齢じゃないだろ。 こいつは一体何を考えて…。


「ぐほぁっっっ!!!」


「成敗なのじゃっ!!!!!!」


「ロリ子! いいのじゃ! きっと不埒な事を考えて居たのじゃ。 もっとやるのじゃ!」


「やめろぉ!!!」


「や、やめてあげなよ。 流石の僕でもそれは骨が折れるよ。 普通に」


「そうだね、私もそうだ。 なんで英雄君が吐かずに耐えてるかすら理解に苦しむよ」


「リアもニアもそれ、テイルの心にナイフ…いや邪悪な剣でも刺してるのだわ…」


お、唯一の味方が【色欲】 か?

いやぁ、助かる…。 持つべきものはなんとやらだ。


「皆分かってないのよ。 こんな童貞に女の子の年齢も可愛さも分かる訳ないでしょ?」


「「「「「確かに!!!」」」」」


「ぐほぁっ!!!」


俺はきっと致命傷を負っているはずだ。

それも多分治癒魔法や聖魔法なんかじゃどうしようもないような。

く、くそ…。 俺だって嫁が沢山居るんだからな! 別に行為自体はしてないが夜は共に,,,、


「あら、テイル君…? そんなにシたいのなら私とシましょうか…?」


あれ? どうしてだ…。

こんな俺には妻達が居て…。 周りの人達が何かを言って…。

周りの人達って誰だっけ…。


薄れゆく意識。 否、蕩けていく、溶けていくといったほうが正しいだろうか。

周りの声すら聞こえなくなった。

雑音すら、雑念などない。

あるのはこの女の…この女は誰だ?

いや、今はそんなことは良い。


これに身を任せ…。


ゴチィィィィィィィィィィィィィン!!!!!!!


「ニア…良い所で邪魔をしてくれたわねっ!」


「英雄君にここまで酷い魅了を掛けるとは何事かい? しかも、ここに居る全員に対して硬直の状態異常まで付与して。 まるで見せびらかそうとするように。 大罪では無くなった今も尚、完全には性質は変わっていないか? それとも種族の性か? 返答によっては貴様の首を土産にしなきゃいけない事になるから嫌なんだけど?」


「ニア? 貴方に出来るの? 仮にもテイルに情を持つ貴女が」


ふふっと笑うニア。


「魔杖アロガンスよ。 今まではその力の三分の一程度しか見せた事が無かったかな? 良いよ。 特別大サービス。 見てごらんリアや団長、マックスの顔を。 あの、呆れた顔を!」


「どういう事!?」


「アロガンスは覚醒状態にあれば魔力を吸収する。 それを用いてどんな魔法だって行使する事が出来る。 それはこの杖に認められた者の特権だろう? アロガンス」


ピカ、ピカとアロガンスは光る。


「魔力を吸収したからって何? ここら辺一体の魔力を吸収し尽くすつもり!? 楽しそうね???」


「魔族のサキュバスは馬鹿なのか? ここに居るお前以外体外的な魔力放出を遮断出来るんだよ。 それは、そこの始祖も同じだ。 だよね? ロリータニアちゃん?」


「テイルに教えて貰ったからそのくらいは出来るのじゃ」


その言葉を聞き焦り始める【色欲】 テイルに名も貰っていないし元から名も無いので実は格が低い。

魔力を吸われれば、察し。


「あれ? 俺って魅了されかけてた?」


「「「お前はあほかぁぁぁぁ(なのじゃあああ)!!!」」」


「主様、申し訳ないが庇う事など出来ない」


『鈍感と言うよりは阿呆、いや、馬鹿だな』


「オロチと同意見なのは癪だけどそうなのじゃ…」


「あぁ、【色欲】 の事を信用してたから状態異常耐性系統のアクセサリーは外してたんだ。 ここはほら、森とか山とか…。 無くしたら妻が悲しむかなって。 けして妻達とお揃いってわけじゃないけどさ。 思い入れのあるものだしさ」


その一言で【色欲】 は子供の様に泣き出した。


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