第三百五十七話
「ほぅ、この海の向こうに…。 なぁ、オロチ。 この小さき者は馬鹿なのか?」
『お前はもう少し言葉を選ぶって言う事を知った方が良いぞ。 友達作れないのはそのせいだと思うぞ』
「やっぱりお前だけは討伐しておくべきだと思う。 なぁ小さき者、虹蛇?」
「「ははは…」」
『どうしてそうなる! 親切心を無下にするな! その尖った物を刺すな痛い!!! 鱗の隙間に刺さってる!!!』
俺達は何を見せられているのだろう。 変態なプレイ???
虹蛇と俺は若干引いている。
実はオロチと海蛇王は相思相愛だったりしないのだろうか…。
「おい、小さき者…。 今何か変な事を想像しなかったか?」
「いや、別にしてませんよ??」
「そうか、していたら殴っていた。 流石にこれだけ美味いモノを馳走してくれたからな。 流石にコレで刺しはしない」
いや、多分それで刺されたら重症です。
万能薬が必要になります。 どっかの団長達とか剣聖達が無駄遣いしてるお陰で手持ちが少ないんだよ。
勘弁してくれ。
蛇の国に転移門を置くと言うのも考えたが、生態系が分からな過ぎてまだ置けていない。
要するに調査不足だ。
どこかにちゃんとした拠点を作ってしまえば…。
あれ? という事は、エルンス達を一時的に連れてきてしまえば良いのではないか?
俺天才かもしれない。
「まぁ、考えて居てもしかたないか」
「おい、小さき者よ。 この海の向こうを私は知っている」
「「『は?』」」
なんで!?
「興味があって少し見に行った。 そこには何があったと思う?」
「もったいぶらずに教えてくださいよ…」
「ただ、陸があった。 生き物も無く、木も、草も無く、何も無かった。 ただの陸。 それだけ。 しかもここから私の本当の姿で最速でも二週間以上掛かる」
まじかよ。
大分遠くないか…。
「距離の感覚がおかしいのだよ。 なんだろう。 上手く言えないが途中で空間が捻じ曲げられている…ような」
それは一体…。
「だとしたら、始祖の子らや獣王達の力は借りた方が良いと思うのじゃ」
『それは同感だ』
『始祖に獣王、ゴーレム…さっきも聞いたけど精霊、ドワーフにエルフ、龍、妖精そして神かなんだそれは 楽園ではないか。 それならば、あの地すらも開拓が出来るかもな…』
多分出来るかもね…。
「は、はい。 では、一旦獣王達に話に行こうと思うんです。 海蛇王様、お力はお借り出来ますか?」
「この海辺に来れば何時でも貸してやる。 ただし、一つだけ条件がある…。 私は人見知りなので私の知ってる者を必ず一人は連れてきて欲しい。 じゃないと喋れない…」
最後の一言で威厳が全部台無しだよ。




