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第三百四十七話

「鷹から連絡です! 幾つか洞窟がある場所がある様ですが、近くに何も動物の気配が無く、不気味だそうです」


「同じく、鷲からも同様の連絡が」


「燕からも同様です」


ふむ…わからん。

何が起きてるんだろうか。

一つ考えられるのは住処が洞窟である可能性が高い事。 そして鳥人族の見つけた洞窟のどれかが本物である可能性。


「我々ヴァンパイアが同じ区域を飛行した際には洞窟は発見出来ませんでした。 これは種族による視力の差でしょうか…」


「そうかもしれない…けど、元々コウモリって眼が良くないから仕方ないと思うよ」


一つ疑問が浮かんでくる。


「ヴァンパイアってどうやって見てるんだ?」


「目に魔力を宿し、物の魔力を見ている様な感覚です。 コウモリの形態ですと、音で認識する事も可能ですが、魔力で見た方が目で見ている感覚に近いので楽なのです。 ですが、実際に物が確実に認識出来る視力を持ったヴァンパイアはロード、キング、始祖くらいでしょう…」


「なるほど…」


待てよ? と言う事は、ヴァンパイアが見つけられなかったのは魔力を阻害する魔法か魔道具…と言う可能性があるのでは?

となると、やはりこちらの行動はもう相手にはバレているな。

陸から探すか…。

いやいや、良い事思いついたぞ。


「最凶の作戦を思いついたぞ」


「「「「「「「「「「え…」」」」」」」」」


俺の作戦を聞いた皆からは猛抗議が入った。

勿体ない!

それは当然だろう? 発見した洞窟の付近に酒をばら撒くと言う作戦。

地球ではヤマタノオロチは酒で酔いつぶれてスサノオノミコトに倒されたって言う伝承がある。

それでクシナダヒメと結婚したんだっけか?

草薙の剣って言うのも刀じゃないからあまり興味は無かったんだが、少しだけ知っていた。


「ウワバミもヤマタノオロチも弱点は酒だろうしな…」


「随分と詳しい様子じゃ…」


「ちょっとだけ縁があってね」


バサッバサッと鳥人族が猛スピードで飛んでくる。


「巨大な蛇とヤマタノオロチらしき蛇の出現を確認! 作戦は効果あり!!!」


「ほーら言わんこっちゃない」


「「「「…」」」」


「ねぇ、バーン、ロリータニア、リヴィエル、虹蛇…どうしてそんな冷ややかな目でこっちを見てるの?」


「「「「さぁ((なんじゃろうな))(なんでしょうね)」」」」


ここでも俺の扱いって酷くなっていく感じなのだろうか…。

もう少し俺の扱いを丁重にしてくれる人って居ないのかな?


(それは先輩が自重しないと無理ですよ)


心だけは読まないでもらっても良いですか?


(置いていった罰ですよ。 少しくらい良いじゃないですか)


「あ、オロチたちが引っ込んじゃう前にさっさと出発しちゃおうか」


「「「「おう!!!」」」」


そういう訳で俺達はヤマタノオロチの待つ…いや、飲み散らかしてる洞窟へと向かう事となった。


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