第三百四十一話
ここからは名実況のテイル・フォン・マーガレットがお送り致します。
俺が酒の準備をしながら話を聞いていると、ゆっくりと彼らは語り出したのだ。
やれ龍神王様が加護を授けてくれないだの、守れと言われた種族に襲われてどうしたら襲われない様になるかと試行錯誤した結果が故の残虐性だったと。
しかも、龍神王様が加護をくれていない、ドーラが龍の加護をくれていなかったり、竜人の国と遠かったりと様々な要因のせいで龍神王様もドーラも蛇の国に長らく来ていなかったのだ。
そのことでぐちぐちと語り出し始めていた。 まるで何軒もハシゴした酔っ払いの様に。
酔っ払い???
おい、こいつら!!! まだ準備しているはずの酒を次々に飲み干しているじゃないか!!!
大量に用意していなかったらこれ無くなっていただろ。
「これだから神と言うのはアテにならん! 私らだってあんなやり方はしたくなかった。 こんな美味いモノがあるなら人と仲良くすべきだったのだ!」
「おい! それは流石に言い過ぎだ! だが間違ってはいない! なのでここは一度、同じ神であるテイル様に龍神王様を丸呑みにしてもらうのはどうだ!」
「「「おぉ!!! それは名案だ!!!」」」
何を言ってるんだお前らは。
仮にも滅茶苦茶上位の存在なんじゃないのかよ。
「そんな冗談言ってるとフロッグ肉あげないけど…」
「「「「「「「「フロッグ肉!!!!!!」」」」」」」
「じょ、冗談では無かったのだが…。 まぁ、フロッグと言うカエルが貰えるならば今の言葉は取り消そう…」
「あ、うん。 これはフロッグの脚の燻製。 結構量があるから無くなったらいくらでも出せるから幾らでも声を掛けてね」
「「「「「「「おぉ!!!」」」」」」」
「く、燻製とは如何なる物なのでしょか…?」
「説明すると難しいんだけど、乾燥させて、木材とかで燻したもの…かな? まぁ、詳しくはまた今度教えるよ。 今はその口の中の物どうにかしなよ」
もぐもぐ…と言う咀嚼音が似合いそうなくらいの勢いで食べているので見ている側も気持ちいい。
ここまで来て思ったのは、この世界の神様…割とお馬鹿さんでは?
(((それは言わないで欲しかった)))
あ、自覚あったんだ。
山d…ナールムも頭抱えてるんじゃないか?
(割と序盤で諦めてたので大丈夫です。 と言うかこの世界に乗り込んでる時点で私も似たようなものなんで)
そうだった。
俺は盛大に頭を抱えてしまった。
「ど、どうなされたか? 急に顔を真っ青になされて…。 悪い物でも食されて来たか? 種族によっては生焼けの肉は毒だと言う…何かきっと生焼けだったのだろう。 水でも飲んで休まれてはどうじゃ? ここの水は澄み渡っていて綺麗なのですじゃ…。 我々毒持ちとは大違いですな! がっはっは!!!」
えぇ…なにこのテンション…。




