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第三百三十九話

一同が静まった中、始祖のロリータニアがとても重かったであろう口を開く。


「聞いたことがある。 彼奴らは…彼奴らは…」


震えだして、明確な『怯え』 を見せ始める。 まるで、獣王のバーンを見たリヴィエルの様に。


「大丈夫。 時間はあるさ。 ゆっくり話してごらん」


「う、うむ。 彼奴等は『対等でない』 と認識したら戦闘の余地もなく毒で侵し、飲み込み、糧とするのじゃ。 ただ、味覚として味わう為に。 毒で味付けされた人型の肉は彼奴等にとっては至高の味なのじゃろう。 悪趣味にも口の中に暫らく留める為に叫び声が聞こえるそうじゃ。 特にわらわ達始祖や獣王の様な生命力の強い者達はな」


「どうしてそのことを?」


どんどんと顔が青白くなっていくロリータニア。

まるで何かの呪いにでもかかった様に。

いや、これはきっと呪いなどではない。 精神汚染や、洗脳の類だろう。


「言えぬ、言えぬのじゃ…」


「なるほど…ね。 コウモリさん。 逆探知…出来たかな?」


「出来ております」


「虹蛇さん? だっけ? 悪趣味が過ぎないかな。 こんな子をここまで傷つけて、監視して、今度は人族まで侵略するつもりか?」


虹蛇と呼ばれる存在が強張ったのが感覚的に分かる。


「それでも抵抗するんだ…。 良いよ。 分かった。 そこでふんぞり返ってニヤ付いてるテメェ、一発ぶん殴ってやるからな!!!」


おっと、ついつい本音が出てしまった。

なるべく口が悪くならない様にしていたんだけども。

びくり、と震える蛇達の感覚を手繰り寄せる様に転移をする。

ここ数日魔力とか魔素とか問答無用で使っていたので結構ギリギリだが。


「貴様! 人間だな!」 「長の言っていた異端者だ!」 「でも美味そうだぜ?」 「ワシは鳥の方が好きじゃがたまには人を喰らうのも良いのう」


蛇の魔物や神獣…いや、神獣なんて言ったら神に失礼か。 バケモノの群れ。


「お前らがこの蛇の国って言われてる場所の住人か?」


「だったらどうするんだ?」


「長を出せ。 じゃないと全員蒲焼きにして食ってやる。 うちには大食いが居るんでな」


「「「「「「「「「???????????」」」」」」」」」


意味が分かっていないも当然だろう。 蒲焼きなんてこいつらに分かってたまるか。

むしろ蛇にウナギって共食いにならんのか?

種族的には違うけど似たようなもんだろ。 本人たちには忌避感的な物は分かんのだろうかね?


「何を言ってるかよく分からないが丸のみにしてくれるわ!」


ふんっ!!!


毒を出される前に軽く牙をへし折って舌をひっこ抜いてやった。

魔王とか魔神王相手にするより全然楽じゃないか。 ロリータニアがあんなに恐れてたからちょっとは身構えてたけど損した気分だ。

コイツは多分アンフィスバエナの子供か?


「なっ!?」


「どうした? こないのか?」


「そいつは 子供だが俺達の中ではずば抜けて高かった。 毒の扱いも、牙の扱いも…。 こいつに勝てるのは長である虹蛇様しか居なかった。 貴様の相手を出来るのは虹蛇様しかありえないだろう」


え? どうしてこうなった?



「諸君らよ。 控えなさい。 この者からは龍王さまと龍神王さまの気配がなさる。 そして、この方も聖なる気配を放っている。 かなり位の高い精霊もしくは神の地位にある方…じゃろうな。 アイトワラスはどう思う」


「私めもその様に思います…。 ここまでのお力とは…。 多様な種族を率いている長なだけあるかと」


「それほど…か」


「な! その話は本当なのか! アイトワラス!」


「事実です」


なんだか、思わぬ方向に話が進みそうなので俺はとっても帰りたい。


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