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第三百三十四話

「まず、この大陸…と言うか? 島? について教えて欲しい」


「ある程度話したと思いますが、旧王国の生き残りが人工のゴーレムになり、ここで活動しています。 大陸…と言って良い程の大きさなのかは分かりませんが大きく分けて三つの島が存在し、各島には橋が掛けられ通行が可能となっています。 この三つの島全てを併せてフォールムと呼んでおりまして、各島を東部、中央、西部と名称分けしております。 また、創造神様達からのご厚意であの虫や色々な物をご提供頂きましたよ。 直接渡すといけないと言い、品種改良したものの種や卵を渡されましたが」


なる…ほど。


「途轍もなく後半ツッコミを入れたいけども一旦それは置いておくとして、他の大陸とかとの交流は?」


「…過去には多少ありましたが彼らは排他的故に一部の者に攻撃されたりしてしまい近付くのが恐ろしくなってしまったのです」


「旧王国…ユースティティアの人々が恐れる程って…。 それほど強いの?」


リヴィエルは身体を振るわせ顔を青ざめさせながらも話始めた。


「始祖のヴァンパイア、獣王の血族…彼らは恐ろしい程に残虐だ…死なない、死ねない私達を弄び、悦に浸る心を失った化け物達なのです!」


ヴァンパイアと言えばキングだ。

それの上位って事か?


「コウモリさん、わかる?」


「はい、始祖と言うのは我々ヴァンパイアの先祖になります。 その力は強力が故に一体で魔王に匹敵するとも言われております。 また、吸血以外にも魔力や通常の食事を糧とする事も出来るので現在の我々に近しい身体構造なのかもしれない…と推測が出来ます。 しかし、吸血衝動が抑えきれないところを考えると…」


「始祖とは言え結局は亜人に認定されなかった魔物…って事か」


「そうなります。 極めて遺憾ですが。 同胞…いえ、ご先祖様とはいえど、討伐して彼らの無念を晴らしてあげて欲しいと我らヴァンパイアは思っております」


無念ってそれ死んだ人に使うんじゃないか?

まぁ、交流があったって事は割と近い島? 大陸? に居るんだし一発くらいはぶん殴っておかないとな。


「よし、リヴィエル伯爵! 最初の仕事だ! その始祖って奴の所に案内しろ! 俺がぶん殴ってケリ付けてやる」


「はいっ! …え?」


「いやぁ、久々に歯ごたえのある敵と戦えそうだぁ!」


「え? え? 今からですか?」


「よく言うじゃないか、『善は急げ』 って」


「はぁ…」


そうして俺達は船へと向かう。


「海賊王に俺はなるっ!」


今更だけどこのセリフ一度は言ってみたかったんだよなぁ。


「テイル、お前とうとう馬鹿になったか?」


マックスが俺に向かって随分な事を言ってくる。


「テイル君がこんな感じなのは割ともともとじゃないかな」


迫撃が飛んできました。


「そうだよ。 これでこそ英雄君って感じじゃないか」


味方が居なくなってきました。


「…」


団長? なんで黙ってるの?


「これじゃかっこよく見えないわねぇ」


「え、皆さんって普段からこんな感じなんですか?」


このロマンが分からんお前らはいつかぶっ飛ばすから覚えておけ。


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