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第三百三話

「結局なんだったのあれ。 ただの捨て駒?」


「それにしちゃあ随分と骨があったゼ。 俺達元大罪が単体でぶつかればもっと押されてたくらいにはな」


・・・は?


「その割には終始圧倒していた様に思えたけど?」


はぁ と小さく溜息を吐き、マックスは続ける。


「あの馬鹿との連携が上手いだけだゼ。 不服だが、あいつは俺と相性が良い」


「まぁ、喧嘩をするほど仲が良いって言うしな」


「「仲良くねぇ!!!」」


いや、絶対に仲良しだろお前ら。

そんなバカげたやり取りをしているとキングの元にコウモリが一羽だけ飛んでくる。


「ほう…」


「キング? どうした? 何かあった?」


「情報によりますと先の者達はたまたま単独で動いている様なのです。 少し不自然なくらいに。 そして、別の敵もアストレアの王都に現れましたが人の気配が無くすぐさま去った様です。 追跡も振り切られている様ですな」


そんな美味い話があるのだろうか。

だとしても、あのコウモリの追跡を振り切れるって?

追跡にも気が付かれていたのか?


「この場所が敵に完全に把握されるのも時間の問題であるかと」


「そうか。 とりあえず皆の元へと案内して」


キングは先導し、前を行く。

そうだよな。


「ここでございます」


「ありがとう。 皆、聞いてくれ! ただいまよりこの場所でしばらく陣を敷き敵を迎撃する! 王侯貴族の方等囲う様にして作業を始めてくれ」


一同からの大きな返事。

魔法が無くても凄く通るな。


「あぁ、それと一つ。 ナールム、ドーラ…お前達は誰だ」


「せ、先輩? 何を言って…」


「龍王ドーラであるぞ…?」


「もう、茶番は良いんじゃない? いつから入れ替わっていたんだい?」


その言葉を聞き、ナールムもドーラも先に出会った異形の様な姿へと変貌する。

言葉はもはやなかった。



「オイ! テイル! あれは神の血が使われてるぞ!!!」


「なっ! 神の血など一体どこで!?」


そうだよな。 この可能性は考えれてなかったな。

ナールムの力があったとて、ヴァンパイアの種族全てを進化させるなんてまず不可能だ。


「で、そろそろキングももういんじゃないのかな?」


「そうですな。 この異様な精神汚染に抗うのももう無理でございます」


キングが猛々しいヴァンパイアの姿へと変貌する。


「マックス、団長! 王族や貴族は俺の嫁やエクスさん達や他の元大罪が守っている! こっちは存分にやるぞ!」


「「応!」」


「なら私はこっち側に来ておくわね」


「【色欲】!?」


「私なら精神汚染を少し緩める事が出来るわ。 まぁ、他人限定なのだけれども」


心強いな。 是非とも自分自身の精神汚染への対応も出来る様になってもらいたいが。


「助かる! 俺がナールムを相手にするよ」


「オイ…良いのか?」


「ギリギリまで粘るよ」


チッ っと舌打ちをしドーラへと駆けるマックス。

視たところ、これは魂に後付けされたモノが原因だろう。

それを排除すれば…助けられなかったとしても…もう苦しむ事は無いだろう。


「ベルゼビュート…起きろ」


刀身がドクンと脈打つ。

まるで空腹の幼子の様に主張してくる。

アレを喰わせろ..と。


蠢くアレを斬るだけなら、何も考えなくて良い。


心を白く…真っ白く染め上げていく。


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