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第二百九十四話

報せを受けた俺は驚いた。

アストレア陛下やクリスエル公爵、メーティル先生まで神の名を冠するモノを得ているなんて。

普通の人間だったら扱えないとは思うが…。 王家の血のせいだろうか。

しかし、メーティル先生まで使えるのは不思議でならない。


しかし、他の国は大丈夫なのか?


「竜人の国は現在敵襲なし。 それ故に、中央への避難は順調かと。 帝国は少々の人工魔族が出ましたが撃退に成功。 教国はエクス殿、ドーラ様により全て恙なく」


「おぉ、流石に情報が早いね。 引き続き頼むよ」


「御意」


仕事早いな…。

俺の出番無くても済むんじゃなかろうか。


「坊ちゃま、こちらも移動を開始し始めましたぞ。 そろそろご準備を」


「いや、一つやらなきゃいけない事があるんだ」


「と、言いますと?」


「こっちに来てくれる?」


「もちろん行きますぞ」


少し歩く。

俺の私室の前に着くととある事をする。


「なっ! なんですかこれは」


「二つ目の扉だよ。 俺だけの研究室に繋がっている」


「坊ちゃん…」


「悪い事はしてないからね???」


「なら良いのですが」


中に入りキングはそれを見て驚いている様だった。


「左から、ほぼ許容量無しのマジックバッグ、真ん中は転移門が二つ、これを設置すれば魔法を使わなくても転移出来る。 そして、今回の秘密兵器」


「なんなのですかこれは…」


「魔力などの力を凝縮し、射出する特殊な武器だね。 今回の件を考えて創造神に力を少し入れて貰ってる。 これは奥の手になる事を願うかな」


「そこまでの力なのですか?」


暴発すれば世界が滅ぶかもなんて言える訳が無い。

だが、キングは何となく察しているようではある。


「まぁ、使わない方が良いモノではある…とだけ」


「しまっておいてくださいな…。 そしてその剣…いや、刀は?」


「あぁ、精霊剣と聖剣を合わせた武器が出来れば、と思って作ったんだけどね。 凄い事になっちゃった」


「凄い事…でございますか?」


とても怪訝そうな顔をするキング。


「精霊や神が入れる刀…意味は分かる?」


「入れたい精霊や神を選べるので?」


「もちろん! じゃなきゃ気軽に使えないじゃん!」


「確かにそれもそうですな! と言うより何故こんなに隠れてお造りに?」


「万が一俺の動きがバレてはいけないと思ってね。 この結界内は神界から以外は干渉できないのさ」


「なるほど、ここに女の子を連れこ」「ぶん殴るぞ」


なんて冗談をこんな時に言ってるんだよ。


「ほっほ。 お若いのに沢山の奥方様がいらっしゃいますからな。 たまにはハメを外しても宜しいのですぞ? 爺は黙っておきます故」


「むしろ今黙ってくれ」


万が一そんな事してみろ?


創造神や魔神王なんか比じゃない事になるぞ。


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