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第二百七十九話

とうとうイベントの当日になった。


参加人数が多すぎて急遽闘技場に設営して会場を作ったらしい。

と言うよりもうちの領地って闘技場があったんだな。

ちなみに、大道具はもちろんエルンスに任せている。 これが一番手っ取り早い。


「皆さま! お待たせ致しました! 第一回マーガレット英雄爵様主宰『大食い大会』! では、予選をこれより執り行いたいと思います。 まず、皆さま、こちらの赤いステージをご覧ください! これは貴族様の予選会場でございます。 普段はご覧になる事の出来ない貴族様の雄姿をどうぞその目に! その目に焼き付けて下さいまし!!!」


わぁっも一気に会場が盛り上がる。

客寄せパンダみたいな事をして不敬にならないのはまぁ…。


「では、開催に際しまして主宰のテイル・フォン・マーガレット英雄爵様にお言葉を頂戴出来ればと思います! 是非お願いします」


打ち合わせではそんな予定無かったんですが!?

もしかしてこの司会はノリでやったか? だとしたら良く分かってらっしゃる。


「ご紹介に賜りました、テイル・フォン・マーガレットです。 我が領には様々な料理や、お酒などがございます。 本日出される料理に関しましては我が領地では基本的にどこでも食べられる物となっています。 この大会をご覧になった皆さまは是非一度その手に取って食してみてください。 きっと気に入りますよ。 ただし、食べすぎには要注意でお願いいたしますね?」


ここで一斉に観客が笑った。

ふふふ、陛下や宰相と話していたら色々慣れて来たってモンよ。


「では、最後に。 これより! 大食い大会の予選! 開始です!」


拍手や歓声が重なりもはや地響きの域に達している。

どれだけ娯楽が少ないかが良くわかるね。


まず出て来た料理。


ハンバーガーである。


さぁ、肉とパンに溺れて踊れ!!!


…などと思っていたのが運の尽き。

料理人達が悲鳴を上げている。

食べるペースが皆異常なのだ…。 これは大食いであって早食いでは無いのに…。


「み、皆さん! 美味しいのは分かりますがこれは早食いでは無いのでちゃんと咀嚼して食べてくださいね…」


もう司会が注意するレベルだ。

しかし、会場の熱気は凄い。

あれ、特別席に見慣れた貴族がいっぱい…。

良く見れば王子達も…。

貴方達は公務は良いんですか。


ん? 参加者を見ていると見覚えのある顔が居る事に気が付く。


「剣聖…なんでだ…」


「おや、剣聖殿が出場されているのですな…。 しかも凄い食べっぷりですぞ。 これは良い。 司会に伝えて参ります」


デスヨネー。


「なんとここで情報が入りました! 三番の選手はなんと剣聖だあああ!!! ここまでで彼に追いついている選手は居ないぞ! もはや独走状態か!!!」


剣聖と聞いた彼の隣に座る華奢な女性が一気に食べるペースを上げ始める。


「おおっと! ここで四番の選手が徐々に伸び始めた! おや、彼女は王国の盾と名高い盾使いの方ではありませんか! かつて、剣聖と共に戦場を支配したとされるSランク冒険者です!! この二人が圧倒的かっ!!!」


え、なんでそんな人が参加してるの?

…よくよく考えたら陛下ですら参加したいって言うんだから何一つおかしくは無いのかもしれない。



「さぁ、デッドヒートになって…おっとここで一番の選手が猛追!!! もはやハンバーガーを飲んでいる!!! 暑くなったのかフードを脱いだ!!! おおっ!!! これは、我らの領最高の職人!!! エルンス殿だあああ!!! もうこの三人の争いは留まる事を知らないッ!!! かつてこんな熱い展開を見た事があるだろうかっ!!!」


エルンス…お前もか。


そうして、気が付いたら色んな人の出る初日は終わりを迎えた。


因みに予選のAブロックはあのSランクの盾使いの人が勝ち抜いた。


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