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第二百七十八話

大食い大会の宣伝を皆に頼んだら「出たい」と言われたが、流石に…。

と言う事で詳しくルールを考えた。


が、上手い事纏まらなかったから次回までに色々検討するとして、今回はうちからは代表で一人だけ出て良い事にした。


「なんで一番食べなさそうなマキナなんだ?」


「私、多分この中でも一番と言っていいくらい食べられるけれど…」


えぇ、瘦せの大食いってやつか?

だとして公爵令嬢だよな? 本当に公爵令嬢だよな?

なんだか、世界の怖さを垣間見てしまったのかもしれない。


「す、すごいね。 じゃあ頑張ってね」


「そうね。 私達が出ても特に旨味は無いのよねぇ…」


そりゃそうだろ。 領民や外部に向けてのイベントなんだから。

どっちかと言えば他の領の人達や商人には見て行って欲しいが。


「というか、団長も出るって言ってたのは予想外だったけど」


「まぁ、団長より私の方が食べたから私になったんだけどね?」


「え、マジかよ」


「流石にキングと団長が引いてたわね。 これぞ、テイルの嫁よ!」


いや、俺を何だと思っているのか。

割と俺は危険物か変人扱いされている節はあると自覚はしているけれども…。


「安心して? テイルは奇人であって変人では無いと思っているから」


「言葉のナイフって知ってる?」


咄嗟に返しの言葉が出た事に驚きだ。

と言うか心読まれてたのかな。


「面白い言葉ね…」


「これ以上俺にダメージを与えないでくれ、【嫉妬】を相手にするよりしんどい」


「そ、それはごめんなさい」


「分かってくれれば良いんだけど…」


「好きで面倒なところに突っ込んでいってるんじゃなかったのね…」


泣いても良いのだろうか。

そろそろ俺の心のHPは無くなってしまいそうだ。

キングもニコニコお茶を淹れてないで、助け船を出してくれ。


「ほっほ、仲睦まじきは良い事ですな」


「キング? これが仲睦まじく見えるんだったら一旦医者に行って診てもらってきて?」


「おや、爺めのこの目を信じていらっしゃらないとは…」


「そうよ、こんなに仲良いじゃない」


「もう、突っ込むのはやめたよ。 ところで、キング。 陛下はどうだった?」


ニヤリと笑っているキング。

これは、何かやったんな?

なんか嫌な予感がするけれど。


「とても待ち望みにされていましたよ? なんと景品目当てで一部の貴族と…陛下が出場したいとのことでしたよ?」


おいいいいいいいいい。

それはよろしくないだろう!


「一般参加はさせられないな…。 貴族を特別扱いするのも良くないし…。 頭が痛くなる案件持ってきやがって…」


「でしたら、一般エントリーと別にして、エキシビジョンで争わせるのはいかがでしょう? どうせ貴族の方でしたら陛下に勝ちを譲るでしょうし、実質陛下、元大罪と争えるのですから…」


「まぁ、それが妥当か」


ここに落ち着くほかないよな…。


「私の予想だと、陛下に勝ちを譲る様な貴族は来ないかもしれないわね」


「へ?」


「まぁ、来てのお楽しみよ」


おい、厄介な事だけはやめてくれよ。


…絶対やめてくれよ。


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