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第二百七十一話

二刀流には驚かされたな。

俺の剣術にオリジナリティーを加えるとは流石って思う。

しかし、俺もタダでやられる訳にはいかない。

拳をメイカの顔に突き付けているのだ。

まぁ、方や刀、方や拳ではあるが…。


「初見で対応ですか…流石です」


「いや、正直ギリギリだったよ。 速度の面だけで言えば今まででもトップクラスだね」


「褒められて嬉しい気持ちはありますが…。 手加減されてたのはちょっと悲しいですが」


「別に手を抜いたわけじゃないよ。 これはあくまで身体を軽く動かすだけだったからね。 と言うか俺達が全力で戦ったらこの場所がどうなっちゃうと思う?」


「それもそうですね」


ふふっと笑うメイカは本当に可愛いのである。

戦闘中は鬼みたいだったけど。

それも可愛さの一つと言う事で。


「ふむ…。 団長も戦いたそうにしてるけど、打ち合ってみる?」


「だ、団長と言えば…」


「そう、元大罪の【憤怒】って言えば分かる?」


「私、死にません?」


「大丈夫…だよ? 多分…。 だよね?」


「もちろん。 大丈夫だと思います」


「あの、二人共微妙な反応してますけど? え、大丈夫なんです?」


きっと大丈夫ではある。

万能薬があるので死なない限りはきっと大丈夫だ。

腕の一本二本なら…ね。

…きっと大丈夫。


「まぁ大丈夫さ。 軽い打ち合いだし、なんかあったら止めに入るから」


「それならば…」


と言って向き合っている。

この人達十分戦闘狂じゃないか?

俺が何も声掛けなくても向き合ってるんだし。

と言うか構えてるよこれ。


「…始めっ!!!」


先に動いたのはメイカだ。

若干の隙を見つけて一瞬で詰め寄ったのだ。

これは凄い判断力だな。 と言うより反射で動いたか。

だが、これは悪手だな。

意図的に作られた隙に飛び込んでしまっては『動かされた』と言う感じであろう。


「シッ!」


「ふんっ!!!」


え、パワーだけで返すの?

流石にびっくりしたけども…。 流石に片手で木刀を振りぬくとは思わなかった。

しかも…素振り用の重い奴だよあれ。

なんでそんなの選んでるんですかね?


「怪我をするなよ。 しっかり堪えるんだぞ?」


これは駄目かも!?

何かオーラみたいなの見えてますけど…!?

神気や魔力とは違うなんだかよく分からないオーラ。

可視化されていると言う事は相当な練度…または量なのか。

ふむ。 これは相手を怪我させない様に緻密にコントロールはされているな。 そこに関しては彼の僅かな配慮が見え隠れしている気がする。


「凄い圧力ですね。 ですが、私だって!」


踊る様なステップで全てを交わし、僅かながらも反撃をしていくメイカ。

これは強い、いや、とても強い。 天職も相まって美しさすらも感じ取れる。

しかし、スタミナ面では余り…。


「これ以上粘れば君は体力が切れるだろう? これ以上は避けないから全力を打ち込んでみなさい」


あんたは師匠か何かか!


「お言葉に甘えて…」


これは月影をアレンジしたものだろうな。

二本の刀で動き回りながらも溜めを入れている。


だが、彼には届かないだろうな。


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